この13日に『ウクライナでとち狂うアメリカ』を書いたが、これはその続き。アメリカは相変わらず「16日には、ロシア軍のウクライナ侵攻が起こる」と叫び続けてきた。「その証拠があるなら見せて欲しい」と、こちらは、ウクライナ大統領のアメリカ(の声明)に対する不快感の声。今のこの対立はウクライナのNATO加盟問題から起こったものだが、NATOの中心・独仏はウクライナ非加盟でロシアと調整している真っ最中だ。つまり、「近々ロシア侵攻」とは、アメリカだけが大騒ぎしているのである。なんで??
さて、このアメリカのウクライナ大騒ぎで僕がすぐに思い出したのが、これ。
『今後6年以内に、中国の台湾侵攻がある(から、日本の南方も危ないぞ)』
「ウクライナ・ドンパスと中国・台湾と」は、同じ「1国2制度」のような問題であって、その東西両方でアメリカが「戦争確実」と叫んでいるわけだ。なんで??
確たる理由は分からないが、ただ「戦争勃発」で確実に言えることはある。「戦争が起こる」と株などが下がり、国際金融が、準備万端・大がかりな空売りで大儲けするチャンスが生まれる。また、こういうことが続くと、アメリカの兵器が売れる。いずれにしても、金融・軍事・「GDP4倍の借金」大国・アメリカの「戦争だ!」は「金儲けのためのオオカミ少年」を想起すべきかも知れぬ。
ただし、自分自身が戦争を起こす時は、別だ。他国にまで「ついてこい」と有志連合を募る。「それには乗れない」と加わらない国には、「古いヨーロッパ」とか、「金だけでなく、汗も血も流せ」と馬鹿にしたような抗議をしてくるのであった。ただ、「世界史上最大の大軍事連合」とラムズフェルトが豪語したイラク戦争後の現代では、世界がこんな事を知っている。イラク戦争に参戦したこれら有志国政府はその直後にすべて潰れた。大々的に掲げた戦争理由「大量破壊兵器」が、嘘だったのだから仕方ない。こんなイラク戦争以来、アメリカの戦争呼びかけへの応募国はなくなってしまった。「イラン戦争」に応募した有志国は2~3カ国、そして「ベネズエラ戦争」呼びかけでは中南米諸国もほぼゼロ。こうして、イラク戦争の後では、アメリカ自身が起こした「戦争脅迫」さえオオカミ少年になったのである。だからこそ、選挙には勝ったのに戦争脅迫によって一時亡命したボリビア左派政権もその後復活したのではなかったか。こうして今や、アメリカ自身の「戦争だ!」も嘘になったわけだ。
かくして、アメリカの「戦争」は、他人の戦争は「オオカミ少年流の嘘」で、ご自分の戦争はその大義名分が嘘と見抜かれてしまって起こせない。だからこそ、国連総会採決などではもう、すでに、いつも中国に負けているのである。国際的信用を失った国連孤立国である。トゥキディデスの罠的覇権国家の座からも、あっという間に滑り落ちるはずだ。以上観たように、その切り札・軍事脅迫さえ通用しなくなっては、強大軍隊もお荷物、宝の持ち腐れでしかない。