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安倍元首相が「ルイ14世」と告発された時のこと  文科系

2022年02月11日 09時15分57秒 | 国内政治・経済・社会問題

 安倍元首相は、あい変わらず自民党最大派閥を率い、内閣にも大きな発言力を行使しているようだ。このことが続く間、僕は彼の告発を続けていくつもりだ。このような人物がいまだに影の国家支配者であるという事実が、政治の道理に合わないからである。国権の最高機関・国会答弁などであれだけ嘘をつき続けたら、答弁資格などとうに失っているはずではないか。そんな彼のもう一つの大罪、検察庁法改正問題においては、安倍晋三氏は標記のように「ルイ14世」と呼ばれたのである。そう呼んだ人々がまた、元検事総長らそうそうたる検察OBの方々なのだ。以下は、雑誌世界3月号の金平茂紀『「赤木ファイル」を読む(下)』からの抜粋である。

『森友学園疑惑、加計学園疑惑などの構造的腐敗案件をことごとく不起訴とした国家検察の担い手のひとりは、黒川弘務・東京高検検事長(当時)だったと言われている。
 安倍政権は、黒川氏を検察トップの検事総長に就任させることを目論んで、無理筋の定年延長を含む検察庁法の改正を企てたが、その際、世論から非常に強い反発の声があがった。この時、戦後の検察庁の歴史の中でも前代未聞の特異な動きが出現した。2020年5月15日、松尾邦弘元検事総長ら検察OB14名が連名で、検事総長や検事長らの定年延長を可能とする検察庁法改正案に反対する意見書を法務省に提出した。・・・・この法案は「検察の人事に政治権力が介入することを正当化する」と批判し、法案の撤回を求めた』

『以下、筆者の心に残った意見書の一部を少々長いが引用する。
「衆議院本会議で、安倍総理大臣は『検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした』旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王政を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる『朕は国家である』との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる」
「 ・・・・・ 検察が萎縮して人事権まで政権側に握られ、起訴・不起訴の決定など公訴権の行使にまで掣肘を受けるようになったら検察は国民の信託に応えられない。正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない」
 ・・・・・
 意見書提出の3日後、安倍内閣は同法案の国会提出を断念し、廃案となった。』

 それにしても、歴代検察幹部が「ルイ14世だ」と言って猛反発し、この反対の後3日で廃案になるような法案に、安倍氏はなぜ着手できたのだろう。それも、近代以降の国家憲法体制にとって生命線とも言える三権分立の否定に繋がるようなものなのだ。これを、氏の周囲にもいろんな官僚らもいたはずなのに、どうして? 検察庁とは、国家の裁判への起訴権を握る唯一の組織なのだから、その起訴権を行政が左右できるようにしたかったと観るのが普通である。

 司法への起訴権を行政権の長が握る。やはり「ルイ14世」なのだ。そう言えば彼には、こんな国会答弁もあったな。
「私が国家ですよ!」
 国家基幹統計を今では四割も書き換えたと分かっている国家「危機」問題で長妻昭議員が行った国会質問への回答であった。安倍晋三氏、やはり国家理解そのものが独裁者的理解に傾いて悪辣な御仁なのである。国家とは第一にその国民、そしてその国民が三権に課した義務としての憲法という国民へのご自分の約束。こんな事さえ分かっているのかどうか。分かっているのなら、国民の一部を一人の公僕として「こんな人たち」とか「反日」とは呼べないはずなのだ。

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八十路ランナーの手記(411) 「この程度の力」  文科系

2022年02月10日 10時17分40秒 | スポーツ

 17日の10キロレース出場目指した前回5日の走りをこう書いた。
「ショック、5キロでダウンなのに、キロ6分46秒。なぜ、どうして?」
 リベンジをとばかりに走ったのが8日。家の18階段往復30回にプラスした2キロほどのウオームアップのあとに、10キロ走るつもりでスタート。やはり5キロで終わったが、今度はキロ平均6分34秒と出ていた。ストライド89センチで、152bpmもまーこんなものと、ほんのちょっと安心。が、本番への調整はまだまだ慎重に続けたいと、ラン手帳とにらめっこで、好不調の波の研究をした結果、こんなふうに当日に臨むつもりである。

①当日前2日は軽い運動に留めること。
②どれだけ抑えてでも今週一度は外10キロを走っておく。もちろん、アップをした上で。
③他も、外走り中心のLSDを1日置きでやっておく。間の日はやはり、階段往復をやった方が良い記録が出るようだ。
④当日は、長袖、長パンツに手袋が必須。アップは汗が出るまで時間を使ってやっておくこと。

 

 話は変わるが、スコットランド・セルティックにこの冬に行ったばかりのサッカー選手、旗手、前田が彼の地で大評判である。旗手は、3得点1アシスト、前田も2得点。二人の力でチームは早くも首位チームを引きずり下ろして、首位に立った。旗手は「すぐにプレミアから声が掛かる選手」と大評判で、前田の攻守にわたる走力が案の定目を見張られている。

 日本人は案外観ていないが、前田の走力は世界でも異例のもの。あの岡崎慎司をはるかに凌駕するスプリント力なのである。「スプリント力」とは、時速24キロ以上を1秒以上走る1ゲーム内回数で記録されるが、岡崎の最高が50回程度に対して前田は60を超える時があったはず。普通の日本人選手は良くてまー30回程度だと思う。皆が疲れた後にも何回もスプリントを続けられる選手は、一定の得点力を持っていればどれだけ得点を稼げることか。また、ゲーゲンプレス誕生以来ますます組織的攻防一体で走るようにになった今のサッカーで、岡崎や前田のようなFWはその価値を高めるばかりなのである。代表の伊東純也が久保や堂安を押しのけて絶対的レギュラーを張れているのも、あの走力あってこそなのだ。この前田は、日本で得点王になったばかり。これを引っさげて、スコットランドに渡ったわけだが、川崎のダミアンと並んでこのタイトルを取った日本の得点王の力をどんどん見せて欲しい。活躍するほどに、日本の世界順位(今26位)も上がっていくだろう。

 

 追加です  本日今、18時半現在、ジムから帰ったところ。10キロ走って、アップとダウンの間6.5キロはジム体育館のランニングコースを走ったが、ランニングウオッチにこんな数字が出ている。キロ平均6分14秒、ストライド92センチ、1分の心拍数159bpmと。このコースはいつも速過ぎる数値が出るのだが、床がリノリウムで滑らないので気持ち良く走れるからなのだろう。ストライドも心拍もまーこんなもの。これで2月月間は58キロになった。

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誰が作った? 政治対案も難しい日本惨状  文科系

2022年02月09日 13時22分52秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 与党は野党の批判に対してすぐにこう応える。「じゃあ、対案を出せ」と。ところがこの日本の生活・政治は、長期間かかって悪くされすぎて来たから、短期に実効性ある対案などなかなか出ない状況と言える。そのことを描き出してみよう。これだけ悪くしたのは自公政権。それで対案出せとは、よく言うわという話。

 まず国のGDPはと観れば、世界GDPに占める日本の割合は極端に落ちてきた。2001年から2020年にかけて、13%だったものが実に6%に落ちている。その結果国民一人当たりGDP世界順位も極端に下がって、20年度の購買力平価のこの数字で観るとIMFで33位、世界銀行で37位だ。この日本の順位は前世紀の最後ごろには、一桁台の5位前後だったのである。
 これでは当然個人の給料も全く上がらない。上がらないどころか下がっているという先進国では珍しい国である。2月4日の中日新聞に載っていたある研究所の数字だが、1997年から2020年にかけて、平均手取額で419万円から373万円へと、46万円も落ちている。そして、この数字こそ、「結婚相手に選んでもらえない男性が急増、50歳まで結婚経験なし男性が4人に1人」に近づいているという有様。孫がいない家もさぞ増えていることだろう。日本の一路少子化・小国化への一因となっているのである。
 
 これらの急な生活悪化には、21世紀になって特に長かった小泉・竹中政治およびアベノミクスに責任があることは明らかだ。が、そのアベノミクス政治は、「国家基幹統計の四割に不適切処理」という事実と呼応しているはずだ。たとえば建設受注統計は2013年から書き換え開始など、アベノミクスの元で、基幹統計の四割がなんらか書き換えられていた。これは、こういう統計推移などから政治の現状を判断する基準そのものがうやむやにされたという、日本国家にとっては取り返しのつかぬ重大事態なのである。意図的なものである可能性も極めて高いから失態ではなく、国家史的重大犯罪かも知れない。

 さて、以上の下で軍事費だけは知らぬ間に増えている。補正予算その他を入れればいつの間にか対GDP1・24%になるという数字もあった。アメリカに対する「2%約束」もあるやに言われ、安倍腹心の高市早苗氏らによる「対中先制的防衛論議」が急台頭して来た。これは、「日本の第一位貿易相手国は中国で、こことの輸出入はますます増えている」という現実と、矛盾し過ぎているのである。中国と手を切れと言っているに等しい先制的防衛論者らは、一体どうやって日本の貧困化、少子化(未婚者も含めて子どもを諦めている人の観点から見て)を止めるつもりなのか。その穴を埋めるための欺瞞政治言論が日本会議の「日本主義思想」宣伝なのだろう。国民生活と政治が悪くなっている国ほど、「わが国のここに誇りを持て」と、歴史上いつも上から吹聴されてきたものだ。

 

 このように大変な困難、岐路に立っている日本国民は今、よほど考えないといけない。ちなみに、台・中問題はウクライナ・ドンパス問題と同根のものである。西欧諸国は、決してアメリカの言うままにはならないだろう。現に独仏は、アメリカの意思に反して、「ウクライナのNATO非加盟」に向かって懸命に努力していくことだろう。対するに、日本の対中「先制的防衛論議」はアメリカが命ずるままに一体どこへ向かっていくのか??

 

 なお、これを読まれて得心された方、この拙稿もお読み願えれば嬉しい。『 世界諸悪の根源を巡る現状  文科系 2022年02月04日 』

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「佐渡金山」でも「韓国逆撫で」  文科系

2022年02月07日 14時54分25秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 本日の朝日新聞2面連載コラム「いちからわかる」の「世界文化遺産に佐渡金山が推薦されたね」は、その内容に「不承知」である。韓国が最も反対する点、その理由部分が書かれていないからだ。その該当部分はこう表現されているだけだ。
『15年に「明治日本の産業革命遺産」が登録されたときも』で始まるコラム末尾部分に、肝心な点が抜け落ちている。この15年には結局、韓国は「欺された」と考えているはずだ。それがあるから今回は強硬なのではないか。政府は「今回の佐渡金山登録申請は江戸時代だけに限定している」と逃げ道を作っているようだが、その後にここで韓国人が強制労働させられたことには変わりはないのである。そして、前回15年には、日韓の間にこんなことがあった。

 

【  徴用工問題、蒸し返される訳  文科系 2019年08月05日
書評、『前川喜平「官」を語る』(宝島社、2018年7月第一刷発行)として

 入院中に読んだ本の一つに、『前川喜平「官」を語る』(宝島社、18年7月第1刷)があった。毎日放送、朝日新聞に勤めていた山田厚史を質問者・聞き手とする対談本だ。そのなかに、徴用工問題応酬が近年再燃した発端とも見える、ある事件が報告されている。文科省に勤めていた前川氏の体験報告なのだが、安倍政権の韓国に対するこういう構え、態度が、この問題が韓国側から蒸し返されていつまでも終われない原因になっているのではないか。体験報告を要約し、僕としてのその批評を述べてみたい。

①2015年7月、「明治日本の産業革命遺産」がユネスコ世界遺産に登録された。長崎の軍艦島、八幡製鉄などの明治以降産業遺産群である。これが今で言う「首相案件」。長崎キリスト教遺産群など先行候補を強引に追い越して急浮上、年に一つの日本代表に推されることになった結果のユネスコ登録だった。

②この問題のユネスコ審議過程において、これらの遺産群における徴用工の扱いで韓国が反発、紛糾した末に、この様な決着があったという。まず、こんな形で。
『そのとき日本は、徴用工の正しい歴史や資料を訪問者に啓蒙するインフォメーションセンターを設置することを約束しているんです。
 実は、この約束はきちんと履行されているかモニタリングされることになっており、チェックされるのがまさに今年、2018年です。しかし、私が知る限り、現段階ではまだ設置されていない』

③ところが、この約束に関わって文科省がこんな相談も受けることになったという。
『私は文科省在職時代、和泉洋人・首相補佐官に呼ばれ「徴用工に関するインフォメーションセンターを六本木の国立新美術館の別館に作ることはできないか」と聞かれたことがあります。(中略)できるだけ現地から遠い、東京にひっそり作りたかったのでしょう』

 どうだろう、「地方創世」という名の「観光地作り」を「首相案件(その上での実績作り、功績)」として急ぐ余り、韓国とユネスコに急場しのぎの心にもない約束をして、後で見かけだけという辻褄合わせに努めようとしたと、韓国からは見えないか。このようなインフォメーションセンターは実質が伴わない「羊頭狗肉」、謝罪の心もないから、言うならば嘘の約束である。これでは、韓国が怒ることさえも予期できたはずで、どこか何かで韓国が怒ったら今やっているようにこう返せばよいと、初めから考えていたとしか思えないのである。
『徴用工問題は1965年の日韓条約でもう終わっている』

 こういう誠意のない「謝罪も、償いもした。もう終わっている問題だ」とは、慰安婦問題にも通じるもの。終わっているのだから、日本が何をどう語っても、どう振る舞っても文句など言うなということにはならないはずだが。こういう態度は、「こちらの『歴史的恥部』をずっと言い募ろうというのなら、上等、いつでもケンカに応じてやる」と常に居丈高に対すること。

 歴史的加害者の方がこれでは、日韓紛糾は永久に終わらない。度々よく伝えられてきたように、こんな構え、考え方をさえにじみ出しているのではないか。
『当時の法では、植民地は合法。文句など言うな!』
 まともな時代なら、国家の品格が問われる態度だと言いたい。 】

 ちなみに、ビグローブのレコード・チャイナ2月5日の記事として、こういうものもあった。

【 ユネスコ側は、「日本政府が軍艦島に関する約束(朝鮮半島出身者の強制労働についての歴史を説明する)を守っていないことは、今回の佐渡島の金山の登録に影響を与えるか」との質問に対しては直接の回答を避けたが、昨年に世界遺産委員会が「強い遺憾(Stronglyregret)」を示した決定文に言及したという。】

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八十路ランナーの手記(410) ちょっとショック  文科系

2022年02月06日 12時44分13秒 | スポーツ

 1月月間は目標160キロに対して175キロ走ることができて好調と自覚していたのに、昨日大変なショックがあった。2月に入って3日目の走りで、よくやる吹上公園周回コース10周(10.3キロほどになるが、この内10キロまで)のタイムを取ってみようと、14時半ごろから走り始めた。家からそこまでの走りと最初の1周とをアップとして、2周目から計測し始めたのだが、一向にスピードが上げられない。そして、最近珍しいほどに苦しい。ぱらついていた雪が普通に降り始めてきたこととて「(心中)これ幸い」とばかりに、5周で切り上げて帰宅してしまった。

 帰宅してこの時計の5周記録を見ると、キロ平均6分46秒と9キロ時にも足りない最悪である。平均ストライド90センチはともかく、心拍数160bpmが高すぎて体調不良を示していた。何が起こったのだろう。この17日にエントリーしてある15年ぶりの10キロレースを控えて、心が大波になった。

「寒すぎて血管がなかなか開かなかった?」VS「17日当日が寒すぎたら、同じ事だろう。あちらは朝9時半スタートだぞ! それに、今日は事前に寒さ用心をして、俺としては大変珍しく長袖、長タイツに手袋、耳覆いで臨んだんだぞ!」
 とこの心の整理あれこれはまー、こういうことにしておいた。
「ちょっと風邪気味だった。喉が痛かったし・・・それに、2月が、5日まで39.5キロというのが、ちょっと走りすぎ?? LSDばかりでも、3日は17.5キロだったぞ??」
 などということで、ストレッチやスクワットを今も励みながら、4~5日あとを楽しみにすることに心を切り替えた? というよりも、明日また走ったら、状況は変わっているかも知れない、とか。

 これでもまた、こんな気持もわいてくるから不思議。昨日軽かったから、今日もジムに行けるな! が、風邪気味だからまー止めておこう。 

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ある書評 「運転免許は返納してはいけない」  文科系

2022年02月05日 05時43分33秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など

 この文章は、ある本の内容紹介である。そして、標記の言葉は、読み終わったばかりのこれ「70歳が老化の分かれ道」(詩想社 精神科医・和田秀樹著)第2章の中の一節の表題である。ここには、「免許を返納してはいけない」だけでなく、老人社会を騒がせて来た「返納の理由」もなんの根拠もない偽物であると、そんな内容が書いてあった。そのことを以下、本文抜粋だけで示してみよう。

『(筑波大学などの研究チームが2019年に公表した調査結果で)愛知県の65歳以上の男女2800人を追跡調査しました。・・・2006~2007年時点で要介護認定を受けておらず、運転をしている人に10年8月の時点で運転を続けているかあらためて聞き、認知機能を含めた健康状態を調べ、さらに16年11月まで追跡して、運転継続と要介護認定との関係を分析したのです。・・・その結果、10年時点で運転をやめていた人は、運転を続けた人に比べて、16年には要介護となるリスクが2.09倍にもなったのです』

『そもそも、実際に高齢者が事故を起こす確率は高くないのです。・・・もし、交通事故を減らそうと考えるのなら、圧倒的に多く事故を起こしている若年ドライバーの運転になんらかの手を打つほうが効果的です』
『高齢者専門の精神科医の立場から言わせていただくと、認知症が原因で、ブレーキとアクセルを間違えるなどということは、ほぼあり得ません。・・・車の運転ができるような人であれば、軽度の認知症でも、ブレーキとアクセルの区別がつかなくなるということは確率的にゼロに近いはずです』

 踏み間違いの原因はむしろ、『うっかりしたり、慌てたからなのです』。また『ほとんどが、薬による意識障害が原因ではないかと私は考えています』

 こうして、結論。
『データをもとに合理的に考えるなら、高齢者から免許を取り上げるなどということに、正当性は全くありません。お上に従う気質が染み付いている日本社会では、このようなことを行政が推進しても騒ぎが起こりませんが、人権意識が確立されている欧米社会では、高齢者に対する差別と言われかねないでしょう』

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世界諸悪の根源を巡る現状  文科系

2022年02月04日 00時13分54秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 現代世界は今や苦難に満ちている。世界の負債は200兆ドルを超えて、世界隅々の必要なところの金まで他所に掻き集められていく有様だし、日米など旧先進国では格差が激しすぎるようになっただけでなく、不安定労働者、失業者が溢れ、国家財政はどこも大赤字である。国連の支援がなければ食えない国も増えているだろう。これらの元凶が、ここ数十年の株主利益最大化方針を採る金融資本主義の仕組にあることは、誰の目にもすでに明らかになっている。株価に連動して巨額報酬を受け取る社長たちは、コストダウンに励んで作った利益を税にさえ回さぬように工夫しつつ株主に還元し、その金がまた株に投資されるという仕組によって、働く者は二重三重に貧しくなって株価だけの景況が謳われるようになった。これら世界の大株主達のご本家・アメリカでも流石に反省が始まっていて、そのことをここでも何回か書いてきた。

 2019年の夏、全米経営者団体ビジネス・ラウンド・テーブルが「これからは、ステークホルダーの利益も考えるようにしていく」と言う声明(これを「パーパス文書」と呼ぶようだ)を内外に発したのは有名な話である。このことは、2019年の当ブログ8月21日、26日エントリーで扱い、以降も折に触れて言及してきた。

  ところがここに来て、この声明がいかに口だけのものであって、株主資本主義の暴力はいっそう大きく続いていると、この1月29日の朝日新聞「強欲の代償 ボーイング危機を追う⑤」が明らかにしている。この文末結びの部分を抜粋してみよう。

『「改心」の本気度が、コロナ危機で試された。20年春、(パーパス)文書に署名した企業の行動をペンシルベニア大の准教授タイラー・ライが調べた。署名しなかった同規模の企業よりも、署名企業は2割多く株主に還元していた。人員削減した割合は2割高かった。物資増産や緊急支援、商品の値下げも署名企業はむしろ消極的だった。「株主に多く還元してきた企業ほど、今回も『悪い』行動を取る傾向が強かったのは注目に値する」とライは言う。
 環境・社会・ガバナンスを重視する「ESG投資」が一段と広がり、むき出しの株主至上主義は後景に退いたかのようにみえる。とりわけ地球環境というステークホルダーに対する経営者の意識は様変わりした。
 しかし、株主資本主義を支えてきた株価連動型の経営幹部への巨額報酬を見直そうという議論や、富裕税導入に向けた動きは鈍い。コロナ禍で経営幹部と働き手の所得格差は一段と広がった。経営者は身を切らず、最重要の利害関係者である働き手を置き去りにして「ステークホルダー資本主義」はおぼつかない。』

 なお、以上の内容に関連して、当ブログ最近のこのエントリーもお読み願えれば嬉しい。パーパス文書、SDG、ゴールドマンなど世界大金融450機関が関与した「グラスゴー同盟」の動きという三つが絡み合った、今後世界の巨大舞台が展開され始めたというものだ。
SDGには国連イニシアティブが必要  文科系 2022年01月25日

 アジア通貨危機など打ち続いた世界の金融危機や、リーマンショックなどを起こした世界の金融暴力を抑えうるものは、国連金融規制しかない。リーマンショック総括として話題になったこの規制論議(たとえば、「国連スティグリッツ報告」)をアメリカ政府は猛烈に妨害し続けてきたが、アメリカ現在の国連無視は今や「金融規制妨害」と同義語なのでもあろうか。 

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 八十路ランナーの手記(409) 1月は175キロ  文科系

2022年02月02日 11時15分18秒 | スポーツ

 1月月間は175キロ走ったことになる。9月月間目標を120キロと定めて、以降月10キロずつ目標を上げてきて1月は160キロになったその目標に対して。ランナーになって22年目で、こんな長い距離を走ったのは初めてのこと。そもそも1日10キロを超えてとか月15日近く走るなどということは無かったはずだから、9月以降は走っている自分にちょっと驚いている。10キロレースに出ていた07年までは、不整脈とか急性心房細動があって十キロ以上は走ったことがないし、カテーテル手術で3年ブランクから復活以降は、健康維持ランニング専念だったのだから。人間って、スピードさえ抑えればいくつになっても距離は走れるものなんだなどとつくづく噛み締めているところだ。だからこそ、LSD理論は正しく、高齢老人にも最高のトレーニング法と言えるのだろう。長時間、ゆっくりと、距離を走ればランに最も必要な心肺機能が高まっていくものという理論である。

 さて、30日のジムトレッドミルでは30分4・9キロを含んで、90分12・3キロ。1日は、マシン105分ほどで15キロを走った。2年近くかかったフォアフット走法完成でマシン走と地面走とのタイムがほぼ同じになったから、この二つの相乗作用が生まれて、そこから走力が上がっていると思われる。そして、まだまだ記録は伸びていく感触もある。16年の30分5キロ~5・3キロに届くことはないだろうが、これについても、5月月間200キロに届いたら案外行けているのかも知れない。よってとにかく、今の計画通りに進めていくつもりでいる。ただ、ここ数日やり始めた10キロ時~11キロ時とか、坂を上がるとかの負荷を掛けたトレーニングは、大きな疲労が残るという体験があった。中1日では消えない疲労なのかなとかも感じている。自分なりの高速とか坂登とかのダメージは、高齢者には長く残りきついものと改めて分かったようで、無理はしないようにと戒めていく。それにしても、「低速長距離」だけは、いくつになってもできるだけでなく、伸びるもんだ。二本脚奇形動物という人類が、その300万年近い生活・歩行進化の中で培ってきた典型的な力なのだろう。と、そんな感慨にふけっているほどだ。

 今月17日開催にエントリーしてある15年ぶりの10キロマラソンも、とても楽しみにしている。年寄りらしく周到な細かい対策をして臨みたい。「脱力できたフォアフットのアップ」が鍵になるだろうから。

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