路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説】:ヘイトに罰則条例 差別あおる言動の根絶を

2019-12-15 06:01:20 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【社説】:ヘイトに罰則条例 差別あおる言動の根絶を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:ヘイトに罰則条例 差別あおる言動の根絶を 

 差別や排除をあおるヘイトスピーチへの対策として全国初の刑事罰を盛り込んだ差別禁止条例が川崎市議会で可決、成立した。

 2016年に国のヘイトスピーチ対策法が施行されて3年たった。街頭でのヘイトデモの件数は減ったが、ヘイトスピーチはなくなっていない。法には禁止規定や罰則はなく、大阪市や東京都が定めた条例にも罰則は設けられていない。
 結果的に在日コリアンが多く住む川崎市などでは街頭宣伝や集会などが繰り返されたり、市議選に出馬した候補者が差別的な演説をしたりして、実効性があるとは言い難かった。
 出自や社会的少数者であることを取り上げて差別や排除をあおる言動は許されない。
 これまでヘイト規制が議論される度に「表現の自由」との兼ね合いが問われてきた。川崎市の条例はヘイトの具体的な例を挙げるとともに、罰金に至るまで段階を踏み、最終的に裁判所が罰金を科すか決めることにした。
 条例は、まず何がヘイトに当たるかについて「日本以外の特定の国や地域の出身者に差別的な言動をすること」を禁止すると規定した。
 言動の具体例として、居住地域からの退去や身体への加害を扇動することのほか、人以外のものに例えて侮辱することを挙げた。対象場所も「道路や公園」などの公共の場と限定し、拡声器の使用、ビラの配布、プラカードの掲示などをする行為と明示した。
 これらの要件を満たし、ヘイトと認定されてもすぐに刑罰は科されない。
 違反者には市長が勧告を出し、繰り返した場合は命令を出す。それでも従わなければ氏名などを公表する。勧告や命令、公表の際に審査会の意見を聞き、勧告や命令の効力は6カ月とする。
 市は氏名公表と同時に、警察や検察に刑事告発し、裁判で有罪が確定すれば、50万円以下の罰金が科される。
 いくつもの段階を踏んで刑罰に至るのは、表現の自由に配慮し、行政の恣意(しい)的な運用を防ぐことも狙っているからだ。過度の規制や乱用を防ぐ手続きは整ったと言えよう。今後は実際に運用してみて、実効性や表現の自由を侵してはいないかなどを検証する第三者も含めた組織づくりも求められる。
 今回、条例ではインターネット上の言動は刑事罰の対象から外されたが、ネット上での被害も深刻なものがある。
 さらに国のヘイトスピーチ対策法も川崎市の条例も外国出身者を理由とした排除や危害の扇動などを違反の対象としている。しかし、昨今の「嫌中、嫌韓」などと同様に「嫌沖」と言われる沖縄ヘイトが存在するのも事実だ。
 表現の自由を尊重しつつ、差別的な言動によって基本的人権が侵されることのない社会をつくるために議論を深めたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年12月15日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:ヘイト禁止条例 共生の土台を築くには

2019-12-14 06:10:40 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【社説①】:ヘイト禁止条例 共生の土台を築くには

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:ヘイト禁止条例 共生の土台を築くには 

 公共の場所でのヘイトスピーチ(憎悪表現)を罰則付きで禁止する全国初の条例が川崎市議会で成立した。人の尊厳を守る実効性とともに、運用には過度な制約とならぬ歯止めも必要だ。

 川崎市では、激しいヘイトスピーチやデモが繰り返され、二〇一六年に国のヘイトスピーチ対策法が成立する契機となった。

 条例では、市内の道路や公園などの公共の場所で、特定の国や地域の出身であることを理由としての、不当な差別的な言動を禁じている。具体的には住んでいる場所から出ていくことや、生命などに危害を加えることをあおったり、人以外のものに例えるなどして著しく侮辱したりすることを指す。

 市は違反者に勧告や命令を行い、命令から六カ月以内に三回目の違反をした場合は学識者で構成する審査会に意見を聞いた上で氏名を公表、捜査機関に告発する。裁判で有罪が確定すれば五十万円以下の罰金が科される。

 インターネット上での書き込みは刑事罰の対象外だが、拡散防止に必要な措置を講ずることを市に求めている。

 今も続く差別的な街頭宣伝に恐怖や苦痛を感じている住民がいる。ネット上でのヘイト被害も深刻となっている。その現実のもとに今回の条例は成立に至った。一方で、憲法の表現の自由との兼ね合いで、懸念の声もある。

 権力による言論や表現の規制は容易に拡大しかねず、戦前は権力者側の弾圧の道具として使われたという歴史がある。ヘイトスピーチ対策法が、罰則を設けない理念法となっているのも、その反省を踏まえてのものだ。

 昨年、新宿区がヘイト対策を理由にデモで使える公園を四カ所から一カ所に減らし、表現の自由を侵害するとして議論も起きた。

 川崎市は審査会の人選や、審査基準を明確化するためのガイドラインの作成など、来年の施行に向けて、丁寧で開かれた議論を続けてほしい。施行後は、刑事罰が被害救済につながっているのかの検証も必要だろう。

 本来は差別の意識そのものをなくしていくことが一番の対策だ。外国人労働者の受け入れ拡大も始まっている。差別の扇動が横行すれば、共生社会の土台は築けない。教育など根元の部分に加えて、違いを認め合うことのできる社会の実現に向けた努力を粘り強く続けることが、私たち一人一人に求められている。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2019年12月13日 06:10:00 これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。 

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【卓上四季】:ヘイトスピーチ

2019-12-14 05:05:45 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【卓上四季】:ヘイトスピーチ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:ヘイトスピーチ

 戦時中、留学先の日本で治安維持法違反の疑いで逮捕され、1945年に27歳の若さで獄死した詩人尹東柱(ユンドンジュ)は、韓国で国民的詩人として愛されている▼例えば、「死ぬ日まで天を仰ぎ/一点の恥じ入ることもないことを」(金時鐘訳)で始まる序詩などの作品群を、詩人の茨木のり子さんは「二十代でなければ絶対に書けないその清冽(せいれつ)な詩風」と評した。その詩は、人を慰め励ます繊細な言葉であると同時に、理不尽と闘う道理の言葉とも言えよう▼一方、特定の人種や民族を侮辱し、差別や排除をあおるヘイトスピーチは言葉の凶器だろう。3年前に施行された対策法は、ヘイトスピーチは表現の自由で正当化されないことを明確にしたものの、罰則規定がなく、その限界も指摘されていた▼根絶に向け、多くの在日コリアンが住む川崎市が全国で初めて、公共の場所でヘイトスピーチを繰り返した者に刑事罰を科す条例を制定した。市が勧告、命令や告発をする際に、第三者機関の審査会の判断を仰ぎ、表現の自由に配慮する工夫も盛り込まれている▼川崎の真剣な模索に敬意を表したい。道内でも、アイヌ民族に対して、その先住性を否定するといった差別的言動が横行する▼偏見に対しては、闘う言葉で根気よく反論しなければならない。ヘイトスピーチの狙いの一つは、過激で不快な言葉で周囲をひるませ、うんざりさせることなのだから。2019・12・14

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2019年12月14日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:ヘイト有罪判決 名誉毀損の重み直視を

2019-12-05 05:05:50 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【社説②】:ヘイト有罪判決 名誉毀損の重み直視を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ヘイト有罪判決 名誉毀損の重み直視を 

 ヘイトスピーチ(憎悪表現)で朝鮮学校の社会的評価を低下させたとして、名誉毀損(きそん)罪で起訴された被告に、京都地裁が有罪判決を言い渡した。

 ヘイトスピーチを巡り、正式に起訴されて名誉毀損罪に問われた裁判は極めて珍しく、有罪判決も全国で初めてとみられる。

 民事訴訟では、損害賠償の請求を認める不法行為としての名誉毀損が認められた例はあるが、刑事事件では、より量刑の軽い侮辱罪の適用が大半だった。

 特定の人種や民族を侮辱し、憎悪をあおる差別的言動を根絶しようと、国や自治体に取り組みを求めるヘイトスピーチ対策法が施行されてから3年が過ぎた。

 各地で条例制定の動きが広がる一方、ヘイトデモや外国人排斥を掲げる団体の活動は広がり、ネット上には差別的投稿があふれる。

 ヘイトスピーチは被害者が身の危険すら覚える悪質な行為である。断じて許してはならない。京都地裁の判決の意味を、社会全体で真剣に受け止めるべきだ。

 名誉毀損罪は、発言内容の真実性が争点となる可能性があるため、立証のハードルが高い。

 「無能」「ひきょう者」などといった人の価値判断が処罰の対象となる侮辱罪の適用にとどまってきたのは、そのためだ。

 京都地裁は、元校長が日本人を拉致し国際指名手配されたという発言内容について、真実性がないなどとして名誉毀損を認めた。

 今年1月には、沖縄県で、全国初とみられる名誉毀損罪の略式命令が出ていた。司法の厳しい姿勢が定着しつつあると言っていい。

 一方、北朝鮮による拉致問題の事実関係を明らかにする目的があったとして、発言に公益性を認めた京都地裁判決は議論を呼んだ。

 ヘイトスピーチは、人種差別撤廃条約でも禁止される深刻な人権侵害だ。違法性を免責する公益性を認めた判断には疑問も残る。

 表現の自由を保障することと名誉の保護の調整を図ることは、容易なことではない。対策法が、禁止規定や罰則のない理念法にとどまるのもそのためだ。

 東京都などは、ヘイトの恐れがある集会に対し施設の貸し出しを制限する条例を制定。川崎市は、公共の場でのヘイトスピーチに罰金刑を科す条例案を提出した。

 ヘイトスピーチは、目的を隠したデモやネット利用など巧妙化している。規制が表現活動の萎縮を招く恐れがあることに留意しつつ、根絶に向けた議論を深めたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年12月05日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:TVのヘイト発言をお茶の間は楽しむのか

2019-09-13 08:25:10 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【政界地獄耳】:TVのヘイト発言をお茶の間は楽しむのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:TVのヘイト発言をお茶の間は楽しむのか 

 ★先週はワイドショーが生放送で謝罪した。CBCテレビ制作の情報番組「ゴゴスマ~GOGO!Smile!~」(TBS系)は先月27日の放送でソウルで日本人女性が韓国人男に暴行された事件で中部大学の武田邦彦教授は「路上で女性観光客を訪れた国の男が襲うなんて世界で韓国しかありませんよ」「日本男子も韓国女性が入ってきたら暴行しなきゃ、いけない。(でも)日本男性は(暴行を)我慢すると思うよ」と発言。

 ★番組は30日になって「ゴゴスマとしてはヘイトスピーチはしてはいけないこと。ましてや犯罪を助長する発言は人として許せないことと考えています」「ゴゴスマとしては、ヘイトや犯罪の助長を容認することはできません。番組をご覧になって不快な思いをされた方々におわびいたします」と謝罪した。ただ、番組では29日にタレントの東国原英夫がコメンテーターの東海大学教授・金慶珠に対して「黙ってろお前は! 黙っとけ。この野郎、しゃべりすぎだよ、お前は」「僕、あの人が来たらね、今日欠席してる。事前に言ってよ、今度ね」とヘイトスピーチを放った。

 ★局が対立する両陣営を出して討論させる手法はよくある。ただ専門家が声の大きいタレントに放送中に罵倒されることをお茶の間は楽しむのだろうか。武田はヘイトだが東国原は問題ないのだろうか。また発言した者たちに議論は集中するが、攻撃された金ら専門家は今後もこの扱いをされていくのだろうか。今週は「週刊ポスト」が「韓国なんて要らない」「『嫌韓』ではなく『断韓』だ」「厄介な隣人にサヨウナラ」と、差別的な特集をした。出版する小学館にゆかりのある執筆者たちは同社での執筆を辞めると宣言し始めている。政府が仕掛けた日韓問題は日本の文化に影響を及ぼしている。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2019年09月04日  09:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:公人のヘイト

2019-03-30 06:01:40 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【金口木舌】:公人のヘイト

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:公人のヘイト 

 日本年金機構世田谷年金事務所の葛西幸久所長が匿名でツイッターに人種差別的な投稿を繰り返し、更迭された。韓国人について「属国根性の卑怯(ひきょう)な民族」「在日一掃、新規入国拒否」などとつぶやいていた

 ▼韓国の金浦空港では、厚生労働省の武田康祐賃金課長が職員への暴行容疑で現地警察に現行犯逮捕された。「韓国人は嫌いだ」などと暴言を吐いている。こちらも更迭された
 ▼昨年の国連人種差別撤廃委員会対日審査で、各国の委員からこれらの事態を予見するような意見が出ていた。日本政府はヘイトスピーチ対策法の制定を「成果」と強調したが、委員らは罰則規定がないことを問題視する。「ヘイトスピーチを行った公人は罰せられ、可能であれば免職されるべきだ」などと述べていた
 ▼1923年の関東大震災で、流言飛語に踊らされた「自警団」などが多数の朝鮮人、中国人を虐殺した。しかし現在、日本の書店には嫌韓、嫌中本が並び、ネットでヘイトスピーチが飛び交う
 ▼公人によるヘイト発言は沖縄に対しても繰り返されてきた。沖縄2紙を「つぶさなあかん」と発言した人気作家、「土人」発言の機動隊員、その機動隊員を擁護した大阪府知事らだ
 ▼排外主義や人権軽視が放置されればヘイトスピーチがヘイトクライムに発展する。現在の日本社会が差別の温床となっていないか、検証が必要だ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年03月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【法務省】:「選挙利用ヘイト」許すな、統一選控え初通知

2019-03-21 06:15:50 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【法務省】:「選挙利用ヘイト」許すな、統一選控え初通知

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【法務省】:「選挙利用ヘイト」許すな、統一選控え初通知 

 選挙の立候補者が街頭演説でヘイトスピーチをするなど、選挙運動や政治活動に名を借りた差別発言に対して、適切に対応するよう求める通知を法務省が全国の法務局に出したことが二十日、分かった。選挙運動の自由があるからといって、人権侵害を安易に許してはならないとの内容。選挙に特化したヘイト対策は初めて。問題は以前から指摘されており、四月の統一地方選を前に送付した。

 法務省人権擁護局は「選挙は差別の免罪符にはならない。事前にヘイトを予測して予防するのは難しいが、選挙後に取り締まる。演説がインターネットに載る可能性もあり、ネット対策もする」と説明した。

 通知は調査救済課補佐官の名で十二日に送付。「選挙運動の自由の保障は民主主義の根幹をなすが、直ちに言動の違法性が否定されるものではない」と指摘した。被害申告があれば「総合的かつ適切に判断し、対応を」と求めている。

 二〇一六年の東京都知事選では、在日コリアンなどへのヘイトスピーチを繰り返した団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠元会長=現「日本第一党」党首=が出馬。街頭演説で韓国人や中国人を中傷する発言をした。同党は統一地方選で候補者を立てる見通し。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・法務省、統一地方選・選挙の立候補者が街頭演説でヘイトスピーチをするなど、選挙運動や政治活動に名を借りた差別発言】  2019年03月21日  06:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【法務省】:統一選控えヘイト初通知 人権侵害否定せず「適切対応を」

2019-03-21 06:14:50 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【法務省】:統一選控えヘイト初通知 人権侵害否定せず「適切対応を」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【法務省】:統一選控えヘイト初通知 人権侵害否定せず「適切対応を」 

 選挙の立候補者が街頭演説でヘイトスピーチをするなど、選挙運動や政治活動に名を借りた差別発言に対して、人権侵害であることを安易に否定せず「適切に対応する」よう求める通知を、法務省が全国の法務局に出したことが20日、分かった。選挙に特化したヘイト対策は初めて。問題は以前から指摘されており、4月の統一地方選を前に送付した。

 法務省人権擁護局は「選挙は差別の免罪符にはならない。事前にヘイトを予測して予防するのは難しいが、選挙後に取り締まる。演説がインターネットに載る可能性もあり、ネット対策もする」と説明した。

 通知は調査救済課補佐官の名で12日に送付した。(共同)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 政治 【政策・法務省・選挙運動や政治活動に名を借りた差別発言】  2019年03月20日  20:56:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【神奈川県】:ヘイト事前規制で初の指導 川崎市、団体に警告

2018-12-02 18:40:30 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【神奈川県】:ヘイト事前規制で初の指導 川崎市、団体に警告

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【神奈川県】:ヘイト事前規制で初の指導 川崎市、団体に警告 

 川崎市は2日、公的施設でのヘイトスピーチを事前規制する市のガイドラインに基づき、市教育文化会館の利用を申請した団体に差別的言動をしないよう警告した上で許可した。この団体は6月、同じ施設で講演会を開催予定だったが、ヘイトに反対する数百人の抗議を受けて中止していた。市によると、3月施行のガイドラインを適用した行政指導は初めて。

 川崎市の施設を利用するヘイト集会に反対し、抗議活動する市民団体のメンバー=2日午後、JR川崎駅前

 川崎市の施設を利用するヘイト集会に反対し、抗議活動する市民団体のメンバー=2日午後、JR川崎駅前

 市は「不当な差別的言動を行わないことなど関係法規を確実に順守するよう警告する」との文書を団体側に渡し、利用を許可。2日午後、ヘイト問題をテーマにした弁護士の講演会が約3時間開催された。(共同)

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【話題・ヘイトスピーチを事前規制】  2018年12月02日  18:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER】:思想や「表現の自由」と企業のリスクヘッジ 

2018-11-03 00:03:30 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【HUNTER】:思想や「表現の自由」と企業のリスクヘッジ ■ヘイトスピーカー社員に、企業はどう対応すべきか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:思想や「表現の自由」と企業のリスクヘッジ  ■ヘイトスピーカー社員に、企業はどう対応すべきか

 9月の沖縄県知事選では、当選した玉城デニー氏に関するデマや沖縄差別的言辞がSNS上で氾濫したことが話題になった。公明党の遠山清彦衆院議員ら、言葉に責任を持つべき公職にある者もデマ投稿を紹介して拡散を手助けするかたちになり、「紹介しただけだ」と釈明に追い込まれている。
 暴走する憎悪と偏見は、徐々に「普通の生活」をも浸食し始めている。たとえば会社の同僚が聞くに堪えない言葉を叫んでいる動画が拡散した場合、何事もなかったように席を並べることができるだろうか。さらに企業はそういった社員とどう向き合うべきなのか。

 ■ヘイトスピーチvsカウンター運動
 エスカレートするヘイトスピーチに歯止めをかけようと、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」が施行されたのは2016年6月3日。「ヘイトスピーチ対策法」として知られるこの法律は、ある団体が路上でまき散らし続けた憎悪と、それに対抗するカウンター運動の高まりのなかで誕生した、特異な経緯を持つ法律だ。

 ある団体とは、「在日特権を許さない会」(以下、在特会)。会長の桜井誠氏(※)らを筆頭に、特に在日朝鮮人に対する悪質なヘイトスピーチ(憎悪・差別扇動表現)を行う「ヘイトスピーカー」を数多く抱えることで知られた団体で、「朝鮮人を殺せ」「ゴキブリ朝鮮人」「朝鮮人は出ていけ」などの危険で挑発的な発言は多くの当事者たちを傷つけ、日常生活に支障を生じさせるほどの恐怖を感じさせた。
(※ルポライターの安田浩一氏は、桜井氏の正体を追ったルポのなかで、桜井氏が北九州市出身の「髙田誠」であることを突き止めている)

 在特会が悪質なヘイトスピーチをまき散らし始めると、それに対抗する運動として「対レイシスト抵抗運動」ともいうべきカウンター活動を行う団体も複数立ち上がる。路上で両者が正面から激突する事態も複数回発生し、在日朝鮮人が多く住む新宿区新大久保などのコリアンタウンは混乱を極めることもあった。カウンター運動には参議院議員の有田芳生氏らも参加しており、有田参院議員はその経験をもとにヘイトスピーチ対策法成立に奔走したという。

 ヘイトスピーチ対策法の成立や複数の民事訴訟で敗訴したこと、さらに在特会デモへの参加者減少に危機感を募らせた桜井氏は、2017年2月に政治団体「日本第一党」を設立。同団体は「日本の国益を守り、日本人に寄り添った政策を実行する」として、移民受け入れの即時中止や原発再稼働などの5つの公約を掲げて地方議会での議席獲得を目指している。公式HPによると30都道府県に「地方本部」を置いているとしており、本部長名などを公表している。

 ■FC契約のオーナーが政治活動、FC本部は「対応が難しい」
 その男性の画像がTwitterで話題になったのは今年10月中旬、日本第一党の街頭宣伝に対するカウンター運動を報告するツイートがきっかけで、精神科医の香山リカ氏も「勤務先をみんなに知られてる。今日も『職場に知られていいのかよ!?』と声が飛ぶと、言い返すこともなく、目をそらしたりした向いたりしてた」などとリツイートしていた。

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 中央の眼鏡の男性が伊藤雄介氏(Twitterより)

 男性は日本第一党埼玉県本部の本部長である伊藤雄介氏。同党の公式HPに実名で記載されており、ネット上には制服を着た「伊藤氏」とされる写真とともに、勤務先(正確には間違い。後述)とされるO社の名前が記載された書き込みなどもあった。

 写真の男性は本当に伊藤氏なのか、記者の電話取材に対して伊藤氏は「そういうことは党を通して聞いてください」と回答を拒否。「街頭宣伝活動などで実名と顔を公にしていることで、営業活動などに影響がないか」を尋ねると、「ノーコメントでお願いします」と、不機嫌な様子で電話を切った。

 関係者によると伊藤氏は、O社とフランチャイズ契約(FC契約)を結んだ加盟店のオーナーだという。O社の公式HPでは伊藤氏を紹介した特集もあり、伊藤氏について「慎重な性格だけど熱い心を持っている。多くを語らないけど、情熱が背中ににじみ出ている」「伊藤さんの性格を一言で言うなら『仕事熱心』ですね」などと人柄を絶賛していた。

 O社には、香山氏がリツイートした前後から伊藤氏の街頭宣伝活動に関する抗議電話などが相次ぎ、10月19日までには伊藤氏が日本第一党の幹部であるという情報をつかんでいた。担当者はすでに伊藤氏に面談して事実確認を終えており、本人から「自分は日本第一党埼玉県本部の本部長である」旨の申告を得て、11月中には伊藤氏とのFC契約についてなんらかの判断が決定される予定だ。社内では「デリケートな案件なので対応が難しい」などの声もあがっているという。

 ■弁護士に聞く、ヘイトスピーカーの処遇問題
 欧米などは、日本と比較すると会社側事情で解雇しやすいという環境にあるため、たとえば「人種差別的なツイートが判明して解雇された」などの報告も複数ある。仮に日本で、悪質なヘイトスピーカーが自社の従業員であることがわかった場合、企業はどのような対応をとりうるのか。

 労働問題に詳しい弁護士によると、「事案の類型としては、私生活上の行為を理由に解雇できるか、または、契約を解除できるかということになる」としたうえで、ヘイトスピーカーの立場を「労働者」と「FC契約の場合」に分けて、次のように解説する。

【労働者の場合】
 多くの企業で懲戒処分となる事項として『不名誉な行為をして会社の体面を汚したとき』という条項が就業規則にある。労働者がヘイトスピーチを行う団体に所属し、その幹部であるという場合、形式的にはこの条項に該当する。しかし、労働者を懲戒解雇する場合、労働契約法15条により厳格な規制があるため、単に所属しているという事実だけでなく、①実際にその者が執拗にヘイトスピーチを行っており、かつ、②会社の労働者であることを自ら明らかにした場合、に限定される可能性が高い。

【フランチャイズの場合】
 フランチャイズ契約(FC契約)の解除は、当該契約の解除条項に該当する出来事が必要で、さらに、その程度がFC契約を継続するような信頼関係を破壊するものであることが必要。ただし、FC契約には労働契約法15条のような厳格な規制がない。したがって、ヘイトスピーチを行う団体に所属し、その幹部であること自体がフランチャイズ運営に重大な影響を与えて業務ができない場合、十分に解除ができると考えられる。

 社員がどのような思想や政治的背景を持っていたとしても、そのことをもって処分を受けたり解雇されたりすることは当然許されない。これはもちろん大原則だ。ただし、SNSなどで簡単に個人情報が特定される現在、「朝鮮人を殺せ!」などと叫んでいる人物が社員であることが拡散すれば、企業イメージは大きく傷つくとともに、苦情の電話やメールなどが殺到(炎上)して業務に影響を与える可能性も十分考えられる。そもそも、「ゴキブリ朝鮮人は日本から出ていけ!」などと叫ぶ人間と一緒に働きたいと思う社員はほとんどいないだろうし、当事者である在日朝鮮人や外国人が在籍している場合はなおさら、企業が対応を迫られることは目に見えている。

 社内に確信犯的レイシストがいることを許してもいいのか――「大拡散時代」における企業の対応として、なにか問題が起こった時に備えるのではなく、積極的に反差別をアピールすることで企業防衛を図るという手段も有効だ。社内研修などで人権問題や歴史を深く学ぶための機会を提供する、あるいは企業として「あらゆる差別やヘイトスピーチを許さない」などの明確なメッセージを積極的にアピールしてレイシストに居心地の悪い環境を作り出すなど。日本では「人権問題にはできるだけ関わりたくない」と及び腰の企業が多いが、普段からこういったメッセージを発信することは、いざ問題が起きた時のダメージを軽減することにもつながる。純粋にビジネスとして考えてもローリスク(ローコスト)、ハイリターン、悪い選択ではない。

 じつは、こうした積極戦略は国境を越えてビジネスを展開する際にも有効で、「人権問題や環境問題に積極的な企業」というイメージで得られるメリットは計り知れないという。興味深いのは、サッカー界の取り組みだ。主にFIFA(国際サッカー連盟)が主催する国際試合などでは、「Say No to Racism(人種差別にNOと言おう!)」と書かれた横断幕が掲げられるのが恒例になっている。2006年のドイツワールドカップから始まったこの取り組みのねらいは、サッカー界においても横行する人種差別の解消を目指したものだが、背景には「サッカーはすべての人類のものだが、特に子どもたちのものだ」という確固とした哲学がある。今年開かれたロシアワールドカップでは取り組みをさらに進化させ、客席の人種差別的・排外的横断幕を監視するシステムまで導入していたという。

 資金を投入してまで、サッカー界はあらゆる差別を許さないと宣言することに、どんな効果があるのか。まず、親たちが安心して子どもたちにサッカーをさせることができるようになるだろう。その結果、人生をサッカーに賭けると決意する子どもたちも増える。さらにその結果として競技人口のすそ野が広がれば、次世代のメッシやロナウドが誕生する確率を高め、商業的には観客動員(=利益増)となる。結局、良いこと尽くめなのだ。

 こうした取り組みを、「人はしょせん差別する生き物。きれいごとだ」と冷笑する者がいるかもしれない。記者は決してきれいごとだとは思わないが、差別のない世界がもし実現不可能なきれいごとやタテマエだとすれば、それらをすべて取り去った世界がどれだけ殺伐としているかは、ちょっと想像力を働かせてみるだけでわかる。初対面の人にあいさつがわりにこう聞かれたら、どんな気持ちがするだろうか。
「ところであんた、まさか朝鮮人じゃないよね?」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2018年11月02日  07:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER】:ヘイトスピーチ規制 ― 不足する議論

2018-11-03 00:03:20 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【HUNTER】:ヘイトスピーチ規制 ― 不足する議論

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:ヘイトスピーチ規制 ― 不足する議論

 今月17日、国会内で「ヘイトスピーチ研究会」が発足した。呼びかけ人は有田芳生参院議員。民主党の議員を中心に、14名が参加した。
 近年、東京の新大久保や大阪の鶴橋など、在日韓国・朝鮮人が多く住む地域で「ヘイトデモ」が行われている。デモ参加者が発するのは「韓国人は殺せ」など、いわゆるヘイトスピーチ(憎悪表現)といわれる常軌を逸した発言ばかり。7日には、大音量で京都の朝鮮学校に街宣活動を行った「在日特権を許さない市民の会」(在特会)側に、京都地裁が賠償金の支払いと街宣活動の禁止を命じている。
 同研究会はこうした差別行為を規制する法律の制定を目指しているという。その議論を聞いてみたが、正直、何かが足りないと感じた。

 研究会では最初に「ヘイトデモ」のビデオを上映、福岡や名古屋などで、過激な言動を繰り返すシーンが流された。鶴橋では在日韓国朝鮮人に向かって、「南京大虐殺ならぬ、鶴橋大虐殺を起こすぞ」と脅迫する女子学生の様子も映された。

 その後は講演。講師は在日朝鮮人人権セミナー事務局長も務める前田朗東京造形大教授だ。前田教授は人種差別撤廃法の制定を進めている。講演自体は、民族差別の撤廃を目指す内容だが、聞けば聞くほど、これは「在日韓国・朝鮮人優遇法」の立法ではないかと思ってしまった。何かが抜けている。

 ひとつは議論が在日韓国人・朝鮮人に対するヘイトスピーチのみに特化している点だ。しかも有田氏は、「第二次安倍政権発足以降、『殺せ』や『毒を飲め』など酷いのが増えた」と、あたかもヘイトデモが安倍晋三首相の責任であるかのような発言。だがそれは一面しか見ていない。右傾化の影響は認めるが、それだけではあるまい。

 確かにヘイトデモは醜い。日本の恥だ。が、ヘイトスピーチ研究会の議論では、日本で嫌韓感情が広がっている原因について、深い考察がなされていない。昨年8月に李明博大統領(当時)が竹島に上陸し、世界各国の地図から「日本海」の呼称を消そうと国家あげて取り組んでいることには目をつぶっている。今年発足した朴政権は、反日に徹しており、いまだ首脳会談すら実現していない。

 またアメリカでは慰安婦の碑や像の建設計画が進んでいる。このため、在米の日本人子女が危険な目にあうケースもあり、カリフォル二アでは我が子を守るために邦人女性たちが団結したという。こうした実情について、有田氏ら国会議員の多くは、何らかの対策を講じてきたのだろうか。

 研究会の中での質問に対し、有田氏は「韓国人の知り合いがいっぱいいる。その人たちが苛められるのが許せないというのが原点だ」と、動機があくまで個人的なものであることを吐露している。気持ちは分からぬでもないが、国政の場で議論するのなら、大所高所から物事を見るべきだろう。残念ながら、日韓の間に横たわる溝は深い。先の大戦で、日本が朝鮮半島を軍靴で踏みにじったのは事実だ。これは認めなければならない。その上で、韓国側の過剰な反応にもきちんと自制を求めなければならない。

 国会は立法府だ。そして国会議員は憲法により全国民の代表であると規定されている。果たして日本人を守ることを後回しにして、ヘイトスピーチだけを規制する方向性が正しいのかどうか・・・・・。よくよく議論すべきだろう。 

<天城慶>

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2013年10月28日  09:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:②ヘイト対策条例 都は透明かつ慎重な運用を

2018-10-13 06:05:20 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【社説】:②ヘイト対策条例 都は透明かつ慎重な運用を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:②ヘイト対策条例 都は透明かつ慎重な運用を

 表現の自由を不当に制約することなく、人権侵害の言動を抑止する。それが肝要である。

 ヘイトスピーチ(憎悪表現)対策などを含む東京都の人権条例が成立した。都道府県では初の制定だ。来年4月に施行される。

 2年前に施行されたヘイトスピーチ対策法は、地方自治体にも、地域の実情に応じた施策を講じる努力を求めている。

 2020年東京五輪・パラリンピックを控え、都は、あらゆる差別を許さない五輪憲章の理念を実現するために条例を制定した。ヘイトスピーチ以外に、性的指向による差別も禁じている。

 在日韓国・朝鮮人の排斥を訴えるデモ活動は、都内でも続いている。外国人住民の多い新宿区では一時期収まっていたが、昨年急増した。人の尊厳を傷つける差別行為は許されない。抑止のために、何らかの対処は必要だ。

 都条例では、都の施設利用を制限する基準を設ける。差別的な表現活動と認定した場合には拡散防止の措置を講じ、事案の概要を公表できるようにする。

 対象の施設には、都が申請を受けて利用を認めるホールや公園のステージなどが想定される。

 現実にあった行為を捉えて拡散防止や公表に踏み切ることは理解できる。大阪市は2年前に同趣旨の条例を定めている。

 都条例で疑念を拭えないのは、差別的な言動の恐れがあるかどうか、事前に判定する点だ。

 差別表現の有無の判定に際して、都は識者で構成する審査会の意見を聞く。条例には審査のルールが細かく書き込まれたが、肝心の基準がまだ定まっていない。

 条例制定を前に、都が専門家から行った意見聴取でも、「裁量の逸脱にならないよう、特に不許可とする基準は明確に示しておくことが大切だ」という意見があった。もっともな指摘である。

 「不許可」や「取り消し」を決めた審査の過程を透明化することも欠かせない。都条例は、いかなる政治的立場の知事にも都合よく使われる余地がある。知事による審査会の人選次第で、結論の誘導が可能にならないか。

 京都府と川崎市は、既に施設利用制限の指針を設けている。川崎市の基本方針には「主観的なおそれや抽象的な可能性だけで利用制限をすることがあってはならない」と明記されている。

 都内の区などにも追随する動きが予想される。都には、模範となる慎重な運用が求められる。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年10月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:ドイツのヘイト 戒めるわけ思い出せ

2018-10-07 06:10:05 | 【ヘイトスピーチ(「憎悪にもとづく発言」、主に、人種・国籍・思想・性別・障...

【社説②】:ドイツのヘイト 戒めるわけ思い出せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ドイツのヘイト 戒めるわけ思い出せ

 ドイツのメルケル首相が寛容政策を表明して三年。増える難民移民に対し、これまで、厳しく戒めてきたはずのヘイトスピーチがやまない。社会のたがが緩んでしまったのだろうか。心配だ。

 東部の工業都市ケムニッツ。八月末以来、極右らによる反難民移民デモが続き、「ドイツ人のためのドイツ」「外国人は出て行け」などの叫び声が上がる。法律で禁じられている、右手を挙げるナチス式敬礼をする者までいた。

 きっかけは難民申請者らにドイツ人男性が刺殺された事件。「被害者は女性を暴行から守ろうとしていた」との根拠のないうわさとともに、ネットでデモが呼び掛けられ、数千人規模に拡大した。

 ケムニッツは東独時代、共産主義の祖の名を取り、カールマルクスシュタットと命名されていた。

 当時、外国人といえば、ベトナムなど社会主義の友好国から招かれてきた人たちだった。市民との交流は乏しく、ねたみなど反感を生みやすい土壌もあった。

 しかし、ヘイトは旧東独地域に限らない。

 サッカーW杯ロシア大会一次リーグ敗退翌月の七月、主力のMFメスト・エジル選手(29)がドイツ代表引退を表明した。トルコ移民三世で、人種差別を理由に挙げた。大会前に、トルコのエルドアン大統領と写真に納まった。強権的なエルドアン氏へのドイツ国内の批判はエジル選手にも飛び火し、W杯敗退後に激化した。

 エジル選手は「(W杯の試合後)ドイツのファンから“消えろ、トルコのブタ”」とやじられ、「勝てばドイツ人、負ければ移民」扱いされたと訴えた。

 極右的政党「ドイツのための選択肢」が躍進し、票を奪われる既成政党のあせりも募る。

 ケムニッツの極右デモでは、取り締まる立場の憲法擁護庁長官が移民らが暴行されるネット動画を「でっち上げ」扱いした。メルケル政権は解任を決めたが、長官を擁護する連立与党への配慮から、内務次官へと昇格させ、世論の反発で「特別顧問」に改めるなど迷走している。

 ドイツは教育や法規制など社会を挙げヘイト根絶に取り組んできた。ナチ時代、ヘイトの果てに起きた暴虐を繰り返さないためだった。その決意を思い起こしたい。

 トランプ大統領の登場で、自国第一主義やポピュリズムが広がる中、寛容と協調を掲げるドイツの役割への期待は大きいのだから。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2018年10月04日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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