路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・02.05】:2件の死刑判決「終身刑」を真剣に議論する時ではないのか

2024-03-12 07:50:00 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・02.05】:2件の死刑判決「終身刑」を真剣に議論する時ではないのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・02.05】:2件の死刑判決「終身刑」を真剣に議論する時ではないのか

 2件の死刑判決が重く心にのしかかる。36人が死亡した京アニ事件で、また甲府市で交際を断られた女子高生の両親を殺害、家に放火した当時19歳の少年に、いずれも死刑が言い渡され、甲府事件は刑が確定した。

 京アニ事件の判決では青葉真司被告(45)に妄想があったとしたものの、刑事責任能力はあるとし、被害者、遺族の悲しみは「たとえようもなく重い」とした。

 また甲府事件の遠藤裕喜被告(21)は、少年法の改正で18、19歳は特定少年とされて重罰化、実名公表となった。判決では「反省も謝罪の態度もない。19歳を考慮するにも限度がある」と死刑を言い渡した。

 2件の極刑裁判で、京アニの青葉被告について判決は不幸な生い立ちや社会に受け入れられなかったことにふれ、「何で自分ばかりが、と自暴自棄になった」としている。また甲府の遠藤被告の裁判で弁護側は「不適切な養育が原因で、被告は反省しないのではない。反省できないのだ」と主張した。

 私はかなり強固な死刑制度支持者だ。だが両被告の命を絶ってしまったら社会は、どうやって置いてけぼりの人をひとりでも少なくしていくのか。少年は何年かかろうと、反省できる人間にはなれないのか。問い続けることはできなくなってしまう。私たちは事件から何も学ばなくていいのか。

 死刑、無期拘束刑を残しつつ、終身刑の導入を真剣に議論する時ではないのか。

 アメリカでわが子を殺害されながら、死刑廃止に立ち上がった女性の言葉が胸に突き刺さる。

 -人を殺してはいけないと教えるために、あなたがたは、なぜ、もうひとつ命を奪おうとするのですか。

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2024年02月05日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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