たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

2008年9月12日パリ・オランジェリー美術館

2015年12月16日 18時23分53秒 | パリから世界遺産を訪ねて
2008年9月12日パリ・オランジェリー美術館


有名なモネの『睡蓮』に出会える美術館。『睡蓮』の作品は、高さ約2メートル、8点から構成さっる連作で、ふたつの楕円形から成る大広間の壁全面に展示されている。時間帯によって違った様子を見せる池の様相を見せる池の様子を、それぞれ異なる色調で表現。6年間に及んだ改造工事によって、天窓から柔らかな自然光が降り注ぐ部屋となり、あたかも睡蓮の浮かぶ池にいるような気分で、作品を味わことが可能になった。(『地球の歩き方「フランス」より引用しています)。

=クロード・モネの「睡蓮」=

 画家の希望にしたがって、楕円形をした二つの部屋に展示されているクロード・モネ(1840-1926)の「睡蓮」は、画家自身によりフランス国に寄贈され、1927年、チュイルリー公園のオランジェリー美術館に収められました。
 まさに芸術的遺作であるこの「大きな装飾画」は、モネの障害の成果をなしています。1914年から死の直前まで続けられたこの作品は、ジヴェルニーのモネの自宅にある、木々に囲まれ、水生植物に飾られた「水の庭」に想を得ています。30年間にわたり、モネはその変わりゆくリズムを表現しようとしました。8枚のパネルは、東の朝から西の夕日まで、時の移ろいを想起しているのです。
 始まりも終わりもない円形の空間に革新的な方法で展示されたこれらの絵が、見学者を取り囲みます。それらはまた抽象へと向かう画家達の歩みの重要なステップとなっています。この点において、モネの「睡蓮」は第二次大戦以降のフランスやアメリカの多くの芸術家に影響を与えるのです。
(オランジェリー美術館のパンフレットより引用しています)。

 椅子に坐ってあきることなく絵を眺め続けました。「睡蓮」の絵に包まれているような感覚で、幸せ感に満ちあふれた時間でした。
 

パリから世界遺産を訪ねて_旅の終わりの日_パリにて

2015年07月13日 20時40分47秒 | パリから世界遺産を訪ねて
古いモノを捨てていこうと整理していると自分でもすっかり忘れていたモノに出会います。
2008年9月に「パリから世界遺産を訪ねて」という大手旅行会社のツアー旅行に一人で参加しました。2007年10月に国家試験に合格した自分へのご褒美としてドイツ・スイスアルプス・パリをめぐる旅に出かけたばかりでしたが、気持ちが苦しくて出かけないではいられませんでした。
旅の最終日に、高校生の頃サルトルやボーボワールの本をかじった私は、彼らが出入りしていたというカフェを、地球の歩き方片手に一人で地下鉄に乗って訪ねました。
そこでしたためたものです。
前職の苦しい日々を思い出します。この旅を指折り数えて中間決算を乗り切っていた日々でした。いつ終わりがくるのか、忙しすぎて、大変すぎてわけわからなくなっていた二人分労働の日々でした。
気持ちの精算にはもう少し時間が必要なのかな。
こうして綴っていくことで精算できていくのかな。

「2008年9月12日(土)くもり時々晴

やっとの思いで辿り着いた旅の終わり。
カフェ・ド・フローラルでコーヒーを飲んでいる。
パリは、私にほほえんでくれているのだろうか。
わからないが、東京とは何かが違う。
何でも受け容れる懐の深さをもった街だ。
五感をくすぐられる。
5泊7日、大人数の若い人達との団体行動。
正直いって疲れる。ホテルも安いホテルのようで性に合わなくて、あまり眠れなかった。
言葉も習慣も違う国に、長時間飛行機に乗ってやってくるというのは、ツアーとはいえ疲れる。でも高いお金を払って、かなりor少し無理をしてきただけのものは得られると思う。
お金と時間をかけて、そこでしかみることのできないものをみて、そこでしか感じられないものを味わう。身体で感じる。とても大切なことだ。
成田で飛行機に乗るまで緊張し続けていた。
休むためのプレッシャーで押しつぶされそうになりながら頑張って働いた。ようやく得られた休暇の時間。帰ってしまえばたちまち現実。夢の如しであろうが、とても疲れているのも事実だが、こんな時間をまたもつために働く。帰ればまた色々と課題はある。
私はこれからも一人で頑張り続けることになるのだろう。
いつまで続くのか。果てしない時のようにも思える。
先のことは誰にもわからない。不安と背中合わせで生き続けなければならない。
みんな最後は一人なんだし、いいじゃないか。

旅の終わり。無事に時間までにホテルに戻れればまづは良し。きっとフライトは大丈夫だ。
ずっと晴れて、日中は暑いほどだったのに今日はくもっていて寒い。人々の足早に歩く姿、カフェのギャルソンたちのキビキビとした動き。
これがパリなんだなあ。
観光地巡りもいいけど、こういう時間がもてるのは一人だからこそだ。カフェでお茶を飲みながらぼうっとする。やっと念願かなったぜ。

日本のファーストフードカフェにうんざりしているだけに心地いい。コーヒーはもうとっくにさめているし、寒いがまあいい。日本に帰れば私は白髪のまじりはじめたシングルの女性。会社をとれば何もない。友達もそんなにいない。そう落雷で電車が止まった時に気づかされた。これからまだ自分の居場所をみつけていける。可能性はある。大丈夫だ。
会社でかなりのエネルギーを吸い取られてしまっているのが現実だが、私は負けない。
パリからエネルギーをもらったではないか。自分を信じて歩き続けるのみ。

昨日のオランジェリー美術館で、壁いっぱいの睡れんに包まれてすごした時間、幸せだったなあ。ルーヴル美術館も堪能した。ガイドさんが素敵だったし、二度目なのでよく吸収できた。モナリザもさることながら、今回は2100年生き続けているミロのヴィーナスにすごいエネルギーを感じた。彫刻の面白さがなんだかちょっとわかった気がした。
本当のものは、こちらのみているものの状態。心のありよう、また光の加減、角度、色々な要素によって見え方が違ってくる。肌で感じる、本物の力ってこういうことなんだな。そんなことをあらためて知った旅だった。
ナポレオンやマリー・アントワネットが生きたフランス。
その歴史がもつ重さを感じることもできたし。
きてよかった・・・。

11時15分、パリ時間。」


この日は夕方の便で成田空港に帰国しなければならない日でした。
ホテルの集合時間に間に合ってほっとした私に、トイレに閉じ込められる事件が起こってしまいました。お手洗いに行きたくなったので、フロント近くのトイレに駆け込んだのですが、なんとそこは障害者用のトイレで暗証番号がないと出ることができませんでした。一人で行動していた私がこのトイレに入ったことを誰も知らないので焦りました。
中からドアを叩いたら気づいてくれた人がいて事なきを得ましたが、海外はツアーであっても何が起こるかわかりません。気を抜いてはいけないということですね。


写真は携帯で撮ったので解像度低いですが、モン・サン・ミッシェルの夕暮れです。
この旅の写真をアップしていくのはまだまだ先のことになりそうです。

人生の旅はむずかしく、でもいつか終わりは訪れるので思うように生きたいですね。
そんなわけにはなかなかいかないので、どこらへんでどう折り合っていくのか、なおさらむずかしいのですが・・・。