たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

「東北の縄文文化から学ぶこと」

2014年03月05日 16時16分09秒 | 東日本大震災
2012年10月6日 慶応義塾大学 日吉キャンパス公開講座

「東北の縄文文化から学ぶこと」安藤広道


レジメと私自身のメモ書きから、わかりづらいですが書いてみたいと思います。


1.東北の縄文文化の特徴

a.慶応義塾大学の考古学研究と東北の縄文遺跡。

b.東北の縄文文化の変遷。

・前期〰中期:遺跡数の増加。大規模な集落遺跡の発達。長方形大型住居跡をもつ集落遺跡。

  縄文文化は東北の特徴。
  早期:定住生活の確立。人口の増加。気候が温暖化。食料資源が豊かになる。
  前期〰中期:大規模集落。
        長方形大型住居(東北の特徴)、
         仲間意識の反映、
         集会所の役割をしていたと考えられる。


  寒冷化、
  青森三内丸山遺跡、
  公共施設の充実、土偶、美しい装飾の土器
  共同意識の発達、厳しい中で生活を維持するため祭りが大きな意味をもつようになった。

  中期の終わり:村が小さくなる、寒冷化で大きな村は維持できなくなる。


・後期:遺跡数の減少。環状列石をもつ集落遺跡。土偶などの祭祀的遺物の発達。

  少しあたたかくなるが寒冷化が続いている。

  環状列石、石のモニュメント:お墓でもあり、祭祀の場所でもあった。
  
  環状土離、土を盛り上げてつくったモニュメント、
  
  共同作業によって仲間意識を高める。
  土偶がさらに発達、お祭りの道具。
  

・晩期:遺跡数のさらなる減少
  
  さらに寒冷化が加速、
  遺跡の減少&大きな遺跡がなくなる。
  小さな村が分散
  土偶、同じ様式が広い地域で定着していた。
  高度な技術の祭祀物、
  個々の村で同じような祭りを行うことでつながりを維持しようとした。
  
  漆の技術の発達、
    重ね塗りの技術(現代と同じレベル)
    塗料として使うために手間がかかる
    複雑な技術、高度、現代まで続いている。

  
2.東北の縄文文化から学ぶこと

a.気候の変動と生活の変化の関係。

b.縄文文化は本当に「豊かな狩猟採集民文化」なのか。

c.苦難から生み出される創造力?

 寒冷化が進んだ時に豊かな創造力が発達したと考えられる。
 厳しい条件の中で生き抜いていくために高い技術をもって、仲間意識を高めていった。

 支え合う社会の仕組みの確立、
 ↓
 現代の我々が学ぶべきこと
 災害時、社会の機能が停止した時に世界中で起こり得る。
 危機を乗り切っていくために、人間が本来もっている力。


 東北の縄文文化はそうした歴史の証人。

 生活条件の悪化の中で造りだされた造形物(モニュメント・土偶)は、現代の我々に感動を与 えてくれる。
 人類の宝として残そうとしている人々がいる。
 支え合う社会を維持するために造り出された技術(漆)は現代にも生きている。
 苦難は時には創造力を豊かにする。
 子孫にとって財産になっていく力を持ち得る。
 ↓
 我々が学ぶべきこと

3.被災地にとって縄文文化の遺跡とは?

a.なぜ「文化財レスキュー」が必要なのか。
b.住宅地の高所移転と遺跡の発掘調査。
c.被災地にとって文化財はどのような意味を持つのか。

 
 被災地の高所移転、まずは遺跡の発掘調査をこれから行う。

 遺跡は歴史の証人、将来に引きついでいく意味はある。
 新しくつくられていく街にとって、その場所を深く知ることは愛着をもつことにつながる。 人々が遺跡を語り合うことでコミュニティが形成されていく。
 深く知ることで語りたくなり、土地に対する帰属意識が高まる。

 遺跡をめぐって議論することそのものに意味がある。
 遺跡は未来の財産になる。決して足かせではない。
 苦難に立ち向かう時の人々の力、創造力を私たちにおしえてくれる。