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たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『アンナ・カレーニナ(中)』-第五篇-21より

2024年11月08日 20時07分53秒 | 本あれこれ

『アンナ・カレーニナ(中)』-第五篇-20死より

 

「カレーニンは孤児として成長した人であった。ふたり兄弟のひとりであった。ふたりとも父親の顔を知らず、母親は彼が10歳のときに死んだ。財産もたいしてなかった。政府の高官で、先帝の寵臣だった伯父のカレーニンが、ふたりを養育したのである。

レーニンは中学と大学を優等で卒業すると、伯父のひきで、ただちに、華々しい官吏生活にはいり、それ以来、もっぱら栄達の道にはげんだ。彼は中学でも、大学でも、またその後、勤務についてからでも、だれとも親しい関係を結ばなかった。ひとりの兄だけは、もっとも近しい心の友であったが、外務省に勤めて、いつも外国に暮していたが、彼が結婚してまもなく、勤務先の外国で死んでしまった。

 彼が県知事のときに、その地方の富裕な貴婦人であったアンナの伯母が、もう年こそ若くはなかったが、知事としては若手のほうであった彼に、自分の姪をひきあわせて、彼が結婚の意思を表明するか、その町を立ち去るかしなければならぬ羽目に追いこんでしまった。カレーニンは長いこときめかねていた。当時、その決断を下すにあたっては、それを是とする理由と、非とする理由とが、同程度であったし、疑わしい場合にはさしひかえるという、彼の原則にそむくほどの、確固たる根拠も見いだせなかった。ところが、アンナの伯母は知人を通じて、彼はもう若い娘の名誉を傷つけたも同然だから、名誉を重んずる義務として、彼は結婚の申し込みをしなければならないと思いこませた。彼は結婚を申し込み、許嫁として、また妻としてのアンナに、できるかぎりの愛情をささげたのであった。

 彼がアンナに対して覚えた親愛の情は、他人と心の底から親密な関係を結ぼうという最後の望みを、彼の心から追いだしてしまった。今でも彼の知人の中には、ひとりとして親しい人間はいなかった。いわゆる縁故と称する連中はたくさんいたが、親友と呼べる者はひとちとしていなかった。カレーニンは自宅へ食事に招いたり、自分が関心をもっている仕事に協力を求めたり、請願者に対する保護を依頼したり、他人の行為や政府の施策について、ざっくばらんに論じあったりするような人は、かなりたくさんいたけれども、こうした人びとに対する関係は、習慣や風習によって、はっきりきめられた一定の枠に限られていて、そこから一歩も踏みだすことはなかった。ひとり、大学時代の友だちで、卒業してから親しくなり、個人的な不幸についても、語りあえる間がらの男がいたが、今は遠い地方で学区主任を勤めていた。ペテルブルグにいる人びとの中で、もっとも親しくしていて、打ち明け話のできそうなのは、専務主任と医師とであった。

 専務主任のスリュージンは、気さくで、聡明で、善良で、道義心の強い男だったし、カレーニンは、相手が自分に対して個人的な好意をよせているのを感じていた。ところが、5年間の役人生活はふたりのあいだに、心を打ち明けて話のできない壁をきずいてしまった。

 カレーニンは書類の署名を終えると、スリュージンをながめながら、長いことおし黙っていた。である。幾度も口をきこうとしたが、どうしてもいいだせなかった。彼はもう心の中で、『きみも私の不幸について聞いただろうね?』という文句まで用意していた。しかし、結局のところ、いつものように「じゃ、それをやっといてくれたまえ」といって、そのまま、帰してしまった。

 もうひとりは医者で、これまた彼に好感をもっていた。ところが、ふたりのあいだには、とうの昔から、お互いに忙しい身だから、ぐずぐずしちゃいられない、といった気持が暗黙のうちに承認されていた。

 女友だちについては、なかでもいちばん親しいリジャ伯爵夫人については、カレーニンもまるっきり考えてみなかった。すべての女は、単に女であるという理由だけで、彼にとっては恐ろしく、忌まわしい存在であったからである。」

 

(トルストイ『アンナ・カレーニナ(中)』昭和47年2月20日発行、昭和55年5月25日第16刷、新潮文庫、496-498頁より)

 

 

 


【独自】厚生年金、年収問わずパート加入 「106万円の壁」撤廃へ、負担増も

2024年11月08日 15時51分43秒 | 気になるニュースあれこれ

2024年11月8日共同通信、

【独自】厚生年金、年収問わずパート加入 「106万円の壁」撤廃へ、負担増も | 共同通信

「厚生労働省は、会社員に扶養されるパートら短時間労働者が厚生年金に加入する年収要件(106万円以上)を撤廃する方向で最終調整に入った。勤務先の従業員数を51人以上とする企業規模の要件もなくす。週の労働時間が20時間以上あれば、年収を問わず加入することになる。老後の給付を手厚くする狙いだが、保険料負担が生じる。厚生年金の年収要件は「106万円の壁」と呼ばれ、保険料負担を避けるため働く時間を抑制する要因ともされてきた。関係者が7日明らかにした。

 一方、政府、与党は国民民主党の主張を踏まえ、年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」を見直し、非課税枠の引き上げを検討中。これに対し厚生年金の年収要件をなくせば、手取り収入が減ることになり、曲折も予想される。

 最低賃金の引き上げに伴い、週20時間以上の労働時間があれば年収106万円を上回る地域が増えており、厚労省は実態に合わせて撤廃すべきだと判断した。来年の通常国会に関連法案提出を目指す。要件の見直し全体で新たに200万人が加入する見通し。」

 

社保の半額は事業主負担、このような法改正は中小零細企業をさらに苦しめることになりませんか。働く人は週20時間未満以内でという選択をしていかざるを得なくなるだろうし、これでは手取りが減るばかり。将来の給付額を増やすためというときこえはいいですが、今年ついに出生数が70万人をわると発表されました。賦課方式の制度自体、維持していくことは不可能となってくるのでは・・・?

厚労省は増税の前に、過剰な終末期にかかる医療費を見直すべきです。

 

Xユーザーのダラ医ママさん: 「社会保険料からお給料頂いてる身ではありますが、高齢者の医療にはメスを入れるべきと思います。早く死ねと言ってるのではありません。85過ぎたら寿命を受け入れても良いのではないでしょうか。集中治療室、現場視察して頂きたい。患者平均年齢高すぎます。」 / X

「社会保険料からお給料頂いてる身ではありますが、高齢者の医療にはメスを入れるべきと思います。早く死ねと言ってるのではありません。85過ぎたら寿命を受け入れても良いのではないでしょうか。集中治療室、現場視察して頂きたい。患者平均年齢高すぎます。」

以前端くれの内科医さんがツィッタースペースで話してました、認知症がすすんでベッドにつながれた高齢者が並ぶ病室は誤解をおぞれずにいえば地獄絵図だと。

 

維新の音喜多さん、支持できませんがこのご意見には同意。

Xユーザーのおときた駿(音喜多駿)さん: 「103万円の税収の壁は(多分)引き上げる(減税)一方で、厚生年金の106万円の壁は撤廃(実質増税・現役世代の負担増)。現行の制度を微修正で使い続けることには限界を感じざるをえない…。」 / X

「103万円の税収の壁は(多分)引き上げる(減税)一方で、厚生年金の106万円の壁は撤廃(実質増税・現役世代の負担増)。現行の制度を微修正で使い続けることには限界を感じざるをえない…。」


さようなら思い出   

2024年11月08日 12時48分11秒 | 日記

ようやくまたひとつ断捨離、1988年2月発売、ALFEE『U.K.Breakfast』のカセットテープ、YouTubeで聴くことができるのを確認してお別れしました。

どこにも辿りつけなかった、なにもできなかった、間違いだらけのアホな人生、どうせ死ぬ、何年か先には死んでいかなければならないのでまだまだ未練がましくて棄てきれません。ひとつひとつ振り返りつつ・・・。

日航機墜落事故が1985年8月、振り返ればこのあとから日本の斜陽は始まりました。日米半導体協議とかなんかおかしくない?と思った答えを30年後の現在知りました。1988年はまだ失われた30年間の入口、まだまだバブル期の感覚をひきずっていました。音楽にも余裕があったと感じます。郵政民営化解散が行われたのは2005年8月、小泉純一郎氏とメディアに騙されていたことを知らず多くの日本人が賛成した結果、小泉氏によって日本は破壊されました。10年前労働紛争を通して日本はすごくおかしいな国だと気づきましたが、ここまでおかしいことになっているとは思いませんでした。コロナ騒動を通してみえてきた日本の姿。戦後79年、アメリカの傘下から抜け出すことができないまま、GHQによる教育の成果ですっかり腑抜けの平和ボケ。先般の衆議院議員選挙によって少しずつ軌道修正していくことができるでしょうか。混乱しますが少数政党が力をもつことで政権が揺れぎ続けて自民党のやりたい放題終了し民主主義国家になっていくことができるでしょうか。かすかに残っている希望を信じて、残りの人生、溜め込んで来た荷物を整理しながら日本と世界の行く末をまだもうしばらく見届けていきます。

 

買い込むのは簡単ですが捨てるのは本当に難しい。モノに込められた自分の想いを感じてしまうと捨てられませんがどうせ死ぬのだから捨てていかねばなりません。

 


トランプ大統領当選で日本はどうなる!

2024年11月08日 01時11分09秒 | 気になるニュースあれこれ

2024年11月7日安藤裕さん、

(553) 【緊急配信❗️】トランプ大統領当選で日本はどうなる! - YouTube

トランプさんが在日米軍を引き上げると言ったとき、日本人はうけいれることができるか? 属国から独立国になることができるか?