昨日、コンサートにいったついでに、そこに並んでいた音大関連のパンフレットもひととおりもらってきて興味津々で眺めていた。
←自分の子どもが「音大行きたい」っていったらどう思う?
もちろん私の主な興味としては、
・定年後に音大に行くって目はあるか?
・会社員しながらでも楽しめるオープン講座はあるか?
・コスパのいいコンサートは?
といったところなんだけど、ふつーに高校から大学進学する人用の案内のところまでつらつら見ていたら、ある記事に目がとまった。
どこの大学案内でもそうだと思うけれど、卒業生の中でモデルになりそうな、要するに進路がうまくいった人たちのインタビューを載せているページがあって、その中に
プロオケ就職…王道だねこれは。ヨカッタネ
学校の先生になった…これもひとつの王道ですね。安定していてなかなかよろしい
ここまでは予想どおりだけど、次が
土日に音楽活動をするために堅くてホワイトな職場に就職
というもので、就職先自体は音楽となんの関係もない。これはちょっとびっくり。
昔(たとえば私が大学生になろうとするころ)の音大案内としてはこういう発想はなかったと思う。
音大のピアノ科だったら、何はともあれピアニストを目指しているのであって、妥協したとして先生(学校の先生なのか個人で教えるのかはともかく)。
でも考えてみれば、世の中そんなにじゃぶじゃぶと多数のピアニストはいらないのであって、たとえば、幼稚園の卒園式とかではクラスに5人くらいの率で「おおきくなったらサッカーせんしゅになりたいです」という子がいたりするけど、全国そんなにサッカー選手はいらんというのと同じである。
そういう現実を無視して、大学でもピアニストになるための教育しかしないとしたらそりゃ「不良債権ごたる」(のだめの兄のセリフだっけ?)としかいいようがないんだけど、それはもったいなさすぎるよね?
現実問題、一般大学の理系卒だとしても、就職した先では大学での研究テーマと似ても似つかぬ仕事をしてる人がザラなのであるし(私もそうだ)、それでいいことになっているのは、テーマが何を扱っていたにせよ、「何か」を題材に、調べ方とか、考え方とか、まとめ方とか、とどのつまり「研究するスキル」とか、あるいはその手前の、チームで協業するとか、何かに集中するとかいう力を期待されているということにほかならない。
であれば、音大だって、音楽を題材(とっかかり)に、一般教養やらコミュ力やら集中力やら思考力やら表現力やら、そういうことを教育しているんであれば、音楽に関係あったりなかったりどちらでも就職するのに不自由はないってことでもいいはず。
それに、音楽という産業自体が斜陽なのではなくて、クラシックピアノのコンサートにお金払っていく人に限れば市場は小さいかもしれないけど、クラシック以外の音楽コンテンツにお金を払う人、関連機器を買う人、ライブに行く人など、たくさんいるわけだからね。
音大が、専門学校ではなくて大学であるならば、広く音楽産業に、そうでなくても世の中にあまたあるさまざまなお仕事に、幅広い人材を提供できてよいはずで、なにも「音大なんて行っちゃったらどうやって食っていくんだか」なんて評判が立つ必然はなかったのではないだろうか。
クラシックのリサイタルで食っていけるピアニストを育てる
に特化したところから離れて、発想を変えれば。音大の案内をみると、いちおうそういう方向性が見て取れる。ジャズや、ミュージカルや、音楽療法のような昔はなかった学科もあるし、教育の中身も、単に演奏ができるという以外のことを身につけさせようとしていることが感じられる。方向転換として、まだ遅くはないといえるのだろうか。日本の、あまたある音大に明日はあるのか!? 成り行き注目です。
シニア向けカルチャーセンターとしての生き残りを図る音大があっても個人的にはうれしいけど、まぁ、まずは若い人の育成のところでぶいぶいいわせてもらいたいよね。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
←自分の子どもが「音大行きたい」っていったらどう思う?
もちろん私の主な興味としては、
・定年後に音大に行くって目はあるか?
・会社員しながらでも楽しめるオープン講座はあるか?
・コスパのいいコンサートは?
といったところなんだけど、ふつーに高校から大学進学する人用の案内のところまでつらつら見ていたら、ある記事に目がとまった。
どこの大学案内でもそうだと思うけれど、卒業生の中でモデルになりそうな、要するに進路がうまくいった人たちのインタビューを載せているページがあって、その中に
プロオケ就職…王道だねこれは。ヨカッタネ
学校の先生になった…これもひとつの王道ですね。安定していてなかなかよろしい
ここまでは予想どおりだけど、次が
土日に音楽活動をするために堅くてホワイトな職場に就職
というもので、就職先自体は音楽となんの関係もない。これはちょっとびっくり。
昔(たとえば私が大学生になろうとするころ)の音大案内としてはこういう発想はなかったと思う。
音大のピアノ科だったら、何はともあれピアニストを目指しているのであって、妥協したとして先生(学校の先生なのか個人で教えるのかはともかく)。
でも考えてみれば、世の中そんなにじゃぶじゃぶと多数のピアニストはいらないのであって、たとえば、幼稚園の卒園式とかではクラスに5人くらいの率で「おおきくなったらサッカーせんしゅになりたいです」という子がいたりするけど、全国そんなにサッカー選手はいらんというのと同じである。
そういう現実を無視して、大学でもピアニストになるための教育しかしないとしたらそりゃ「不良債権ごたる」(のだめの兄のセリフだっけ?)としかいいようがないんだけど、それはもったいなさすぎるよね?
現実問題、一般大学の理系卒だとしても、就職した先では大学での研究テーマと似ても似つかぬ仕事をしてる人がザラなのであるし(私もそうだ)、それでいいことになっているのは、テーマが何を扱っていたにせよ、「何か」を題材に、調べ方とか、考え方とか、まとめ方とか、とどのつまり「研究するスキル」とか、あるいはその手前の、チームで協業するとか、何かに集中するとかいう力を期待されているということにほかならない。
であれば、音大だって、音楽を題材(とっかかり)に、一般教養やらコミュ力やら集中力やら思考力やら表現力やら、そういうことを教育しているんであれば、音楽に関係あったりなかったりどちらでも就職するのに不自由はないってことでもいいはず。
それに、音楽という産業自体が斜陽なのではなくて、クラシックピアノのコンサートにお金払っていく人に限れば市場は小さいかもしれないけど、クラシック以外の音楽コンテンツにお金を払う人、関連機器を買う人、ライブに行く人など、たくさんいるわけだからね。
音大が、専門学校ではなくて大学であるならば、広く音楽産業に、そうでなくても世の中にあまたあるさまざまなお仕事に、幅広い人材を提供できてよいはずで、なにも「音大なんて行っちゃったらどうやって食っていくんだか」なんて評判が立つ必然はなかったのではないだろうか。
クラシックのリサイタルで食っていけるピアニストを育てる
に特化したところから離れて、発想を変えれば。音大の案内をみると、いちおうそういう方向性が見て取れる。ジャズや、ミュージカルや、音楽療法のような昔はなかった学科もあるし、教育の中身も、単に演奏ができるという以外のことを身につけさせようとしていることが感じられる。方向転換として、まだ遅くはないといえるのだろうか。日本の、あまたある音大に明日はあるのか!? 成り行き注目です。
シニア向けカルチャーセンターとしての生き残りを図る音大があっても個人的にはうれしいけど、まぁ、まずは若い人の育成のところでぶいぶいいわせてもらいたいよね。
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