アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ラヴェルソナチネ三楽章と「暗黙知の次元」

2020年04月08日 | ピアノ
あまり間が空いて忘れてる人も多いと思うけど(ってかそもそも私が…)
ラヴェルソナチネの録音を取ってartomr先生に送り、コメントをもらったシリーズ、ずいぶん長々連載したけどまだ終わってなかった

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3楽章、の、前書き部分です(え)

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この楽章は、わたしは一番「手にはまる曲」だと思っています。しかし全てが急速に行われるので、「適切に手を移動させるための瞬時の判断」を習得するために、練習に時間がかかるはずです。
アンダンテさんに一番練習してほしいのはこの楽章です。
なぜなら、この曲をかなり練習することで、前から克服したいと仰っていた「弾き直しの癖」を改善するヒントが得られるような気がするからです。
その理由は、私が一昨日から読み始めている(←おい)マイケル・ポランニーの『暗黙知の次元』という本の概念を使って、ご説明すると次のようになります。お手数ですが、この本の第一章(約50ページ)を参照した上でお読みください。2時間で読めます(←おい)。私はこの第一章しか読んでいませんが(←おい)、第一章で一つの思索として完結しています。思想書ですが、めちゃ読みやすいですし、読んで損はないと思います。お値段以上です。

結論を先に言ってしまえば、アンダンテさんが今後ピアノを上達させるためには、次のような 「暗黙知(tacit knowledge)」の「存在論的(ontological)」な側面から音楽を捉えることが必要だと思います。
音楽作品というものをポランニーの言う「包括的存在(comprehensive entity)」として捉えた場合、「包括的存在」である音楽作品を実現する行為——つまり演奏——における「フレーズ構造の把握、強弱、テンポ変化、指使い、ペダル」などの「個々の諸要素(particulars)」の関係を明示的に述べ、「明示的統合(explicit integration)」を目指すのが「ピアノの練習」だからです。しかし包括的存在である音楽は、言語化しなくても知識として存在する「暗黙知〈そのもの〉」なので、「明示的統合(つまり練習)が暗黙的統合(tacit integration)に取って代わることはできない」、というポランニーの指摘を、音楽をやる人は常に覚えておくべきだ、ということです。練習は「破壊的分析」になってはいけません。「木を見て森を見ず」になってはいけない、ということです。つまり「練習はあくまで練習でしかない」ということですが、作曲家の作品が演奏家の演奏によって現れるという、西洋芸術音楽のような特殊な「包括的存在」(演奏は、既に作成された包括的存在である音楽作品を、楽譜に基づいて再び(?)顕現させる、という意味において特殊な包括的存在と言える)においては、練習によって「個々の諸要素」を明示的にすることで、「暗黙的統合」が起きやすくなるのではないか、というのが私の仮説です。
ピアノの練習において、「主観客観」という二項対立で音楽を捉えるのではなく、「音楽という存在を表現するための方向性」というものを導入すべきだと思います。
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まー…ちょっと何をいいたいのか結局わからんというか、何をいいたいにしてももっと簡単にいえばいいことなのに何を考えているんだこの先生は、と思ったのですがそれはそれとして、

ぶっちゃけこの三楽章というのは、音楽的なややこしさということでいえばむしろ一楽章のほうが上としても、物理的な困難というか、とにかく速いし止まれないというところがあるので、練習しなきゃしょうがないよねという、

テツガクとか持ち出すまでもない結論があります。

そして音楽の目指すところというのは、言葉にできない包括的存在ではあるので、練習すりゃいいでしょってもんでもない。
練習をすることができるアイテムばらばらの集合体が音楽なわけではないのですね。それもそうだ。

それにしても、「木を見て森を見ず」になる危険と、そもそも「木をちゃんと見てない(笑 - 練習不十分)」の危険を比べると、
私の場合圧倒的に後者なんで(あんまりバランスや統合を欠いて突っ走るタイプじゃない)
平たくいって練習すればいいっていうか、練習が無意識とかいわゆる身体に沁み込むくらいになれば、この曲がいい感じになるだけじゃなくて、
弾き直し癖の克服にもたぶん効くんじゃないかと。


…で、それくらいのこというのに哲学はいらんですけどね。何がいいたかったんだ結局、っていうか何で課題図書まで必要だったんだ。

ともかく。

ラヴェルは録音取り直してちょっとマシになったものを再度送りました(^^;;
一楽章
二楽章
三楽章


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コメント (2)
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