アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ピアノ一台が作る響き。(阪田知樹)

2020年08月30日 | ピアノ
昨日は阪田知樹ピアノ・リサイタルに行きました。当初、3月頭にあるはずだったのが延びて…8月末です。

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阪田知樹さんは、「四月は君の嘘」のCDを持っているのでよく演奏を聞いてます。なにせアニメの都合ですから本人の選曲ではないわけですが、昨日のコンサートと、クライスラー「愛の悲しみ」(の、ラフマニノフ編曲)は被っていますね。

昨日のプログラムはほんとにすごくて、まずピアノソロでは珍しい三部構成、そして真ん中の部がどーんとリストロ短調ソナタです。
この曲、楽章でバラにしてというわけにいかないこともあって、アマチュアの会では聞けない曲です。名曲、難曲、長大、どこから考えてもピアノ曲の最高峰(注: 個人の意見です)。

これを真ん中に据えて、第一部はモツソナK.283から始まりました。この曲、第一楽章は昭和のピアノ教室でもよく聞きましたが、近年はほとんど聞く機会なく、なんだかノーマークの曲でした。
こんなにおもしろい曲なんだ…!?
隅々いろんな仕掛けがあることがわかりました。

次のシューマン交響的練習曲は、突然どっしり重量級の曲。間違いなく最高難度の曲だけれど、それが高い解像度を持ちつつ音の極限まで小さいところから大きいところまで立体的に、とにかくこれは生で聞きに来てよかった(配信もあった)、広いホールに作られる響き。「幸せは音の消え際に宿る」派の私としてももう至福のときでした。

第一部終わった瞬間に「えっすご(o_o)」と顔を見合わせる私たち。

いやもちろん阪田くんすごいとは前から思っていて、だからこそ聞きに来てるんだけど、思ってたより断然すごかった。

そしてここからのロ短調ソナタですか…

ロ短調ソナタ、長い難解な曲だけど、抜群の説得力で構築されてて、なんかとても短く感じました。こんなふうに聞いたの初めて。

そして第三部の曲目を見て、今日のテーマは「ピアノの交響的な響き」なのか? とようやく気付きます。

リスト/ラ・カンパネッラ
チャイコフスキー=フェインベルク/交響曲第六番「悲愴」より第三楽章スケルツォ
クライスラー=ラフマニノフ/愛の悲しみ
ショパン=バラキレフ/協奏曲第一番より第二楽章ロマンス
ヴェルディ=リスト/リゴレット・パラフレーズ

「愛の悲しみ」は、阪田くん演奏で聞きなれた曲なんだけど、もっともっとおしゃれに、鮮やかに、ほんと素晴らしかった。クライスラーに聞かせてあげたかった(^^;;

それと、チャイコフスキーすごかった。フェインベルク頭おかしい(←褒めてる)。ピアノにこんなことさせるって、させられるって、思うのほんとおかしい。そして、やれちゃってる。。

この曲は、オケに対してもかなり「無茶ぶり」なところのある曲だと思うんだけど、それをピアノ一台で、というかもっとクリアに再現する編曲を考えて、しかもそれをほんとに弾けてしまうのってすごい奇跡。

この奇跡を、みなとみらい大ホール満員の観客で共有するんじゃなくて、ソーシャルディスタンスすかすかなところがもったいないけど、それでも、というか、それだから、というか、すごくお客さん全員が阪田くんの演奏に吸い込まれているような一体感がありました。ショパンからヴェルディへのつなぎは、拍手なしで行きたいと阪田くんは考えていたようだけど、お客さんも自然にそのように、一人のフライングもなくすんなり行きました。


私は、正直「編曲モノ」そんなに好きじゃなくて、特にオケもののピアノ編曲は「あまり…」という感じだったんだけど、突然考えを改めました。
反省してポチりました。→イリュージョンズ (ILLUSIONS / TOMOKI SAKATA)

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