さて世代がひとつ変わりまして、私の子どもたちがピアノを習う段になりますと…
←専門家になることが成功ってわけでもない
いろいろと状況が違います。
まずは、私と子ども(特にまたろう)のキャラが違いすぎるってことで、ピアノのレッスンを成立させるのに必要な、「指示行動を取る」ってことがえらく難しかったりね。
具体的にいうと、「時間どおりに音楽教室に行く」とか「椅子に座ってじっとしている」とかそういったことができない。「毎日練習をさせる」とか夢のまた夢、距離が遠すぎる(o_o)
しかも、私が月から金までずっと家にいないため、監視によってそのような困難事を可能にする、とかいう余力がまったくないわけ。正直いうと、そういう「気持ち」もすでにない。親子でバトルするくらいなら、ピアノとかの習い事よりもっと優先順位が高い事柄が、いくらでもあるので。
だから私のリクエストとしては、
・家に来てレッスンしてほしい(またろうを音楽教室に差し向けることができないから)
・親がきちんと声掛け/監視して練習をさせることは期待しないでほしい
・現在、音楽を楽しむ体験をしてほしい
・将来、音楽が楽しめる素地を作ってほしい
…さぁどうだ。私の母(のような人)がこの課題をクリアすることができないのは明らかだ(^^;;
自分で練習してこない子のレッスンとか、そんなレパートリーは持っていないし。
この不可能事にあたってくれたのは、母の元弟子であり某音大の教育音楽科を出た先生。私が赤ん坊~幼児のころは高校生~大学生くらいで、ときどきお小遣いをもらってはベビーシッターに来てたらしい。つまり、私のオムツを替えたことがある人。子どもたちの誕生日にはケーキやご馳走を作ってくれる人(他人というより、祖母的なポジション!?)。
この先生の優れているところは、エレクトーンのほうのキャリアも長いので、コードとか、編曲・作曲にも詳しく、機械の扱いにも抵抗がないところ。それと、ややこしい子どもの扱いに慣れているところ(←ココ大事)
およそリズム感というものが存在せず、両手の動作協応も困難で、五線譜もまったく読めない(日本語の文字の読み書きもろくにできなかったんだから当たり前だ)またろうに合わせたレッスンをちゃんと考えてくれた。
またろうは、自分が弾きたいアニソンのメロディーを片手で弾きながら、データの伴奏と合わせるようなことを楽しくやりながら、亀というよりカタツムリかお地蔵さんのような、カリキュラムとか進捗というものが見えないレッスンを何年も続けて、そして中学生のある時点で回路がつながって、両手でピアノが弾けるようになった。
またろうの例は極端だ。「ふつう」とはいえないケースだから。
けれど、発表会全体を見ると、このピアノ教室の特徴が見えてきて、それは案外、またろうのケースとつながっている。
小学校のころから「きちんと」古典曲が弾ける子もいるが、わりと少ない。またろうみたいに、一本指打法的な子もけっこういる。そういう子は、アンサンブルで出演する。
男子率が高い。わりと半々に近い。
中学校になっても高校になっても習い続ける子がほとんど。
そのくらいの年齢になってくると、なぜか突然クラシック曲をいい感じに弾ける子が多くなる。
高校生・大学生・大人になっても、音楽を続けてることが多い。ただし、専門家になる子はほとんどいないし、他の楽器に移る子はけっこういる。
本人がちゃんと練習をしてこない長い時代には、レッスン時間をリズム遊び・コード・ソルフェージュなどに充てたり、本人が担当しているパートが簡単でも演奏の喜びが味わえるようにデータとのアンサンブルや人とのアンサンブルを積極的に取り入れている。
そして、中学生くらいになって何かのきっかけで(たとえば、合唱コンの伴奏がしたいとか)火が付くと、突然ピアノが両手で弾けるようになって、そうなってみると案外、聞く人の心をつかむ演奏ができたりするのだ。
「突然」というのは、発表会くらいしか見ない人から見るとそう見えるということだけど、要するに本人ががぜんやる気になるその時まで、畑を耕し種をまいて水をやっておく、ということなんですよね??
このピアノ教室は、「ある種の」新しいニーズ、たとえば発達障害児であるとか、そうではなくても本人に練習する気がなく、親もあえてさせないような状況であるとかであってもそれなりに音楽を趣味として獲得していくようになってほしい、というリクエストを満たしている。
けれど、音大を出たからといってこういうニーズにこたえられるようになるわけじゃなし(音大に行く人は当然もっとまともに練習したはずなのに、自分が辿ってきたコースとはかけ離れた子どもを扱わなきゃいけないので)、このジャンルの教室はかなりレアだと思う。
親のほうも、子どもの習い事に短期的かつ具体的な成果を求める人だったら、こんなまったり進行には耐えられないので、向かないってことになる。
というわけで、この手のレッスンはかなり稀にしか成立していないはず。「新しいニーズ」のもっと主流の部分は、コンクール志向などに向かっていったのだろうか?
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
←専門家になることが成功ってわけでもない
いろいろと状況が違います。
まずは、私と子ども(特にまたろう)のキャラが違いすぎるってことで、ピアノのレッスンを成立させるのに必要な、「指示行動を取る」ってことがえらく難しかったりね。
具体的にいうと、「時間どおりに音楽教室に行く」とか「椅子に座ってじっとしている」とかそういったことができない。「毎日練習をさせる」とか夢のまた夢、距離が遠すぎる(o_o)
しかも、私が月から金までずっと家にいないため、監視によってそのような困難事を可能にする、とかいう余力がまったくないわけ。正直いうと、そういう「気持ち」もすでにない。親子でバトルするくらいなら、ピアノとかの習い事よりもっと優先順位が高い事柄が、いくらでもあるので。
だから私のリクエストとしては、
・家に来てレッスンしてほしい(またろうを音楽教室に差し向けることができないから)
・親がきちんと声掛け/監視して練習をさせることは期待しないでほしい
・現在、音楽を楽しむ体験をしてほしい
・将来、音楽が楽しめる素地を作ってほしい
…さぁどうだ。私の母(のような人)がこの課題をクリアすることができないのは明らかだ(^^;;
自分で練習してこない子のレッスンとか、そんなレパートリーは持っていないし。
この不可能事にあたってくれたのは、母の元弟子であり某音大の教育音楽科を出た先生。私が赤ん坊~幼児のころは高校生~大学生くらいで、ときどきお小遣いをもらってはベビーシッターに来てたらしい。つまり、私のオムツを替えたことがある人。子どもたちの誕生日にはケーキやご馳走を作ってくれる人(他人というより、祖母的なポジション!?)。
この先生の優れているところは、エレクトーンのほうのキャリアも長いので、コードとか、編曲・作曲にも詳しく、機械の扱いにも抵抗がないところ。それと、ややこしい子どもの扱いに慣れているところ(←ココ大事)
およそリズム感というものが存在せず、両手の動作協応も困難で、五線譜もまったく読めない(日本語の文字の読み書きもろくにできなかったんだから当たり前だ)またろうに合わせたレッスンをちゃんと考えてくれた。
またろうは、自分が弾きたいアニソンのメロディーを片手で弾きながら、データの伴奏と合わせるようなことを楽しくやりながら、亀というよりカタツムリかお地蔵さんのような、カリキュラムとか進捗というものが見えないレッスンを何年も続けて、そして中学生のある時点で回路がつながって、両手でピアノが弾けるようになった。
またろうの例は極端だ。「ふつう」とはいえないケースだから。
けれど、発表会全体を見ると、このピアノ教室の特徴が見えてきて、それは案外、またろうのケースとつながっている。
小学校のころから「きちんと」古典曲が弾ける子もいるが、わりと少ない。またろうみたいに、一本指打法的な子もけっこういる。そういう子は、アンサンブルで出演する。
男子率が高い。わりと半々に近い。
中学校になっても高校になっても習い続ける子がほとんど。
そのくらいの年齢になってくると、なぜか突然クラシック曲をいい感じに弾ける子が多くなる。
高校生・大学生・大人になっても、音楽を続けてることが多い。ただし、専門家になる子はほとんどいないし、他の楽器に移る子はけっこういる。
本人がちゃんと練習をしてこない長い時代には、レッスン時間をリズム遊び・コード・ソルフェージュなどに充てたり、本人が担当しているパートが簡単でも演奏の喜びが味わえるようにデータとのアンサンブルや人とのアンサンブルを積極的に取り入れている。
そして、中学生くらいになって何かのきっかけで(たとえば、合唱コンの伴奏がしたいとか)火が付くと、突然ピアノが両手で弾けるようになって、そうなってみると案外、聞く人の心をつかむ演奏ができたりするのだ。
「突然」というのは、発表会くらいしか見ない人から見るとそう見えるということだけど、要するに本人ががぜんやる気になるその時まで、畑を耕し種をまいて水をやっておく、ということなんですよね??
このピアノ教室は、「ある種の」新しいニーズ、たとえば発達障害児であるとか、そうではなくても本人に練習する気がなく、親もあえてさせないような状況であるとかであってもそれなりに音楽を趣味として獲得していくようになってほしい、というリクエストを満たしている。
けれど、音大を出たからといってこういうニーズにこたえられるようになるわけじゃなし(音大に行く人は当然もっとまともに練習したはずなのに、自分が辿ってきたコースとはかけ離れた子どもを扱わなきゃいけないので)、このジャンルの教室はかなりレアだと思う。
親のほうも、子どもの習い事に短期的かつ具体的な成果を求める人だったら、こんなまったり進行には耐えられないので、向かないってことになる。
というわけで、この手のレッスンはかなり稀にしか成立していないはず。「新しいニーズ」のもっと主流の部分は、コンクール志向などに向かっていったのだろうか?
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「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)