アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ラヴェルの攻撃的な側面(ソナチネ三楽章)

2020年03月21日 | ピアノ
さてラヴェルのソナチネの話の続きですが、三楽章は突然の激しさ、そして速さですね。ややこしさという意味では一、二楽章のほうがむしろ上かもしれないですけど、現実問題、よく練習しておかないと弾けない楽章ではあります。

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そのへんにからんで(?)artomr先生コメントは、三楽章の「前置き」だけでものすごい長さになっていて、しかも前提として読んでほしい本まで指定されているもので(笑) そこ後回しにします。なにせ本はぽちったけどまだ読んでないので。


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1-39小節 (第一主題部〜第二主題部導入)

まず1-11小節においては10小節が頂点ですが、この無窮動的な作品においては9小節でのタメのルバートは不要だと思います。無窮動的な運動性は、あまり強調されることがないかもしれませんが、ラヴェル特有の「荒々しさ」や「辛辣さ」に繋がると思います。ラヴェルは例えばドビュッシーに比べて、現代音楽のクラスターのような唐突な不協和音や(現代音楽というよりも、バロックのアチャカトゥーラから影響を受けたのかもしれませんが)、いきなりの転調(ピアノ協奏曲の2楽章の嬰ト短調の和音がでるとこ)などの衝撃的な効果を好んで用います。

レクチャーの時にもお話しましたが、ラヴェルは学校の成績も良くなく、実は劣等生だったそうです。当時所属していた芸術家グループは「アパッシュ協会(La Société des Apaches)」で、かなり前衛的な芸術家グループだったようです。サティを祭り上げ、当時のアカデミズムであったパリ音楽院に反旗を翻すような、ラヴェルの攻撃的な側面は、「構築的で美しい古典主義者ラヴェル」という一般的なラヴェルのイメージからはなかなか想像しにくいですが、確実にこのソナチネの三楽章にもあります。鮮烈で激しい音楽ということですね。

本当は新しいテーマが現れる37小節から新しい構造が始まるので、この1-39小節という私の分け方自体が奇妙なのです。しかし、ラヴェル自身が36小節に”sans ralentir(ラレンタンドなしに)”、そして37小節に”même mouvt(同じテンポで)”という指示を書いています。構造が変わるのにも関わらずです。そして39小節に”rit.---“、40小節に"plus lent(遅く)”という表示がようやく出てきます。

これは構造に対応していない独創的なテンポ変化の指示です。だからこそ、この1-39の区間では、それ以外のテンポ変化を控えた方が私はいいと考えます。
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いや~「9小節でのタメのルバートは不要だと思います。」って、私も不要だと思うよ!! ルバートなんてしてたっけと思って録音(Web練習会の)を聞いてみると…あのね、これはルバートじゃなくて、もつれてるだけですよ先生。



確かにこの楽章、39小節でrit.来るまでは緩みなく突っ走る曲なんですね。37~39小節と、40~42小節は似ているんだけど、この間にそういう境目(テンポの塗り分け)が来るのがおもしろい。

この最初の二ページを、鮮やかに弾き切れるとカッコイイネ

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40-42小節 (第二主題部)
この3小節間は、「ようやく新しいセクションにいることに気づいたかのように」はっきり減速して弾きます。そして42小節が”rall.---“の表記があり、最も遅くなるので、これを十分にかけてください。
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テンポを操ることによってラヴェルさんは区域の標識を立てているようですね。



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43-63小節 (第二主題部〜コデッタ)

テンポが元に戻ります。この”a tempo”の指示は最初の”Animé”なのか、40小節の”plus lent”なのか、楽譜を見てもわからないのですが、私は最初の”Animé”になんとなく近いテンポにするのが良いと思います。このセクションは幾つかの方法で拍子が不規則になる興味深いコデッタ(小結尾部)です。まず5/4拍子と4/4拍子の交替が2回あります。おそらく最初の5/4拍子は2+3/4拍子です。そして次の4/4拍子も2+2/4拍子だと思います。この細分化した拍の頭に軽いアクセントをつけるとその不規則なリズムが現れると思います。47-50小節は、右手が2/4拍子、左手が3/4拍子です。51小節から53小節の2拍目までは、3/4拍子で書かれていますが、実質2/4拍子です。そして53小節は三拍目の「上四点ホ音」が四分音符で鳴らされ、すぐに54小節目からの新しいパッセージに移行するので、そこの部分は乱暴に2/4拍子が一拍目で中断され、無理矢理新しいパッセージが突っ込んできたように弾くと良いと思います。2/4拍子を完成させてしまうような間を取るべきではないと思います。

54-55小節は、レクチャーでもお話しましたが、リストの《ダンテを読んで》のコーダと同じように、根音が2度下がる和声進行が連続して用いられており、伝統的な調性体系が完全に破壊されています。「イ長調→ト長調→ヘ長調→変ホ長調→変ニ長調」の主和音が次々連続して用いられるので、一つの調に留まることがないからです。
56小節からは、展開が停止し、繰り返しが続きます。繰り返しが生じることは、成長の停止、終わりを意味します。60小節は最低音の「下二点い音」が鳴らされ、単純な「ラソミ」という音形の繰り返しに整理され、前半部が終結し、展開部にそのまま移行してゆきます。
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いや~「2/4拍子を完成させてしまうような間を取るべきではないと思います。」って、私もそう思います!! 間なんて取っていたっけ、と思って録音を(中略)

…あのね、これは間を取っているんじゃなくて音を探しているだけですよ先生。

54-55小節の、根音が2度下がる和声進行のところ、つっかえないで弾けるとスカッとします。確か昔はこれものすごく苦労したんですけど、今はそんなに悩まない。

最低音の「下二点い音」、これなかなか弾けなくて(五十肩)譜めくりさんにお願いしたこともありましたが、弾けるようになりました。よかった。


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百聞は一見に如かず(鍵ハモゼミ)

2020年03月20日 | ピアノ
ピアノ+フルートの経験があれば、鍵盤ハーモニカは何も習わなくてもとりあえずそれなりに吹けるけれども、実は楽器の扱いについては何も知らない。

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フルートの場合、吹いたあとは管の内側についた水分を棒につけたガーゼとかで拭き取るけれども、鍵盤ハーモニカはいったいどうするものなのか?
サビたりカビたりしない??
…したら音程だって狂うんじゃ??

基本的な疑問があれこれ。

もちろん、奏法だって知らないでリコーダーやフルートからの発想でできる範囲で済ませているわけで
ほんとはなんかもっといろいろあるんだろう(^^;;

ってなことで、まずはマサさんの本(絶対! うまくなる 鍵盤ハーモニカ 100のコツ)ポチして、それで確かにわかった部分もいろいろあって、
そうかやっぱり、吹いたあとはケースにしまわないで乾かしておいたほうがええんやなとか
そりゃそうだ、リードは一生モノじゃないんよねとか
そういうことはわかりました。

ただ、リードは自分で取り替えられますよと言われても…ムリ!!
本でそう読んだだけで裏面のネジ全部外して「カパッ」と開けるほどの勇気ないわ。

と思って、行ってきました鍵盤ハーモニカゼミ

鍵盤ハーモニカの仕組み、メンテナンス、奏法とかひととおりを一回こっきりのセミナーにぎゅっと詰め込んだやつで、
説明+実地、まとまりよく組まれていました。

調律、調整の仕方も教えてくれて、確かになるほどとは思った(実際やる勇気があるかは別w)。

リードの調整で「大きな音が得意な楽器」にしたり「小さな音が得意な楽器」にしたりできるんですよオモシロイネ。
(それに挑戦するのは楽器を複数持って使い分けするようになった場合だけだろうけど)

そしてやっぱりいちばんよかったのは「奏法」部分。今日のは別に個人レッスンじゃないから具体的な曲の演奏がどうというんじゃないけれど、どういうチョイス(表現の幅)があるのかということ。

鍵盤ハーモニカは演奏姿勢というのが決まったものはなくて、バリエーションがあるけど、それをどう考えて決めるか、使い分けるかということと、それに合わせた保持や演奏のための工夫(百均グッズと廃物利用の手作りアイディアいろいろ)。

吹き方も、フラッターとかベンド(音程がひゅーぅと下がるやつ)とか、本を読むだけではうまくできなかったけど、実際に教えてもらったらすぐできた(^^) 今日は受講者が六人いたので、そのそれぞれが試して失敗して修正してもらってあぁできた!! みたいのを聞くのも、納得につながりました。

もっとも、クラシックではあんまりベンド使わないと思うけどね。循環呼吸とかも(^^;;

ちゃんと深堀りできる楽器だ!! というか、その掘り方(の入り口)がわかって、行ってよかった。もうそろそろ肩も治ってバイオリンが持てるようになるかもだけど、なにせ私にはこっちのほうがお得感あるので、鍵盤ハーモニカも続けよう。


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緊張すると弾けなくなるトコ

2020年03月19日 | ピアノ
勇気を出して(笑)昨日の録音を聞いてみましたところ、思ったほどひどくないというか…少なくとも一楽章と三楽章は。

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確かに三楽章の最後のキメのじゃらららんをまったく違う音弾いてるんだけど、それは全体の曲の流れを乱していなかったので(←無理やり)むしろ小事故といえるかと。

一楽章はいろいろあるけどまぁ小事故、
…ただ、二楽章はかなりの大事故かなと(^^;;

のっけから予定にない間違え方して焦ってだだだっと連鎖していきます。



最初の一小節、ここにある指使いどおりに弾くと、かなり両手の指がひっからまる感じになりますが、実はあんまりふだん意識しないで弾いていて、
なんとなく弾けてたんですが、あれ? どうやって弾いてたんだろう…

って、本番で弾こうとしたとき突然思っちゃった

左手が上? 下? あれうまくいかない、って感じになっててんぱって。

ここに書いてある指使いで弾くことを考えると、
一つ目の音: 右手のファだけ白鍵なので、左手を上にすると弾ける
二つ目の音: 両手とも全部黒鍵。左右の親指は交差。どっちが上?
三つ目の音: 左手は白鍵、右手は黒鍵

となっていて、どちらかの手を上に固定して考えてもうまくないようだ。

で、家に帰ってから、うまくやってるときはどうやって弾いてるんだろうと試してみたところ、
一つ目の音: 右手のファだけ白鍵なので、右手親指を左手の人差し指と親指の間に差し込んだ形で弾き始める
二つ目の音: 両手とも全部黒鍵。さっきの手の形をほぼそのまま、左は5と2の指で弾く(書いてある指使いと違う)
三つ目の音: 左手は白鍵、右手は黒鍵。両手の親指は交差、右手が上

とやっていた。どう弾くのがやりやすいかは人によって違うと思うけど。

要するに、ふだんは無意識に「よしなに」やっているんだけど、それって
頭も指も柔軟でリラックスした状態にある
からできることなんでしょうね。

頭が「ハッ!! ちゃんと弾かなくちゃ!!」ってなって、
「どうやって弾くのがいいか考えましょう(←いきなりかよ)左右どっちの手が上なの?」ってくるから
あっそれ知らなかった、ってパニクって

しかも指が緊張でこわばっているとからまる。

まぁ大小さまざま、そういう類のことがいっぱいあるのかなと。
つまり、元々冷静で、無意識でもうまくできるときに、
自分がどうやっているのか意識しておくことは保険になる。

ふだんは、人前で弾く練習会をするときに徐々にそういう箇所が明らかになるので、
何度か冷や汗かいて弾いておくと、そういう潜在的危険個所をいくらか潰しておくことができるんですね(だからって安全とはいわないけどね)


ま、そんなことをつらつら考えました。

昨日の本番録音、観賞用には非推奨、記録用


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ラヴェルソナチネ本番、そしてその先へ

2020年03月18日 | ピアノ
artomr先生コメントの掲載がまだまだ(笑)途中ではございますが、ラヴェルソナチネ全楽章を響きのいいホールでドレス着て弾ける本番がありました。

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いやー

ふつう、練習会(人前)で何度か弾いてからそゆとこ行くでしょ??

なんか練習会みたいな状態でドレスになっちゃいました…コロナのばか…

思い返せば、かなり前もってラヴェルソナチネの練習には手をつけたものの、
五十肩がかなりひどくなって音の激しく飛ぶ曲はあまりまともに練習できず(ラヴェルとかスクリャービンとか)、
ようやく最近になって多少肩の動きがよくなってラヴェルの機運が高まってまいりまして(←今ココ)

なので、

予定では、ここでラヴェルに一区切りつけて、ベトソナに取り掛かるという段取りでしたが、とてもそんな感じにはなりませんでした。

おうちではけっこう弾ける(先日のWeb練習会録音時よりちょいましになっております)ような気がしていたのですが、
緊張するのと、ふだんのピアノと違うので
ずいぶんいろいろと…

中事故、小事故取り交ぜて

大事故がなかったのがなによりでございます(心は途中で折れなかった)

言い訳というか、言い訳してもしょうがないんですが、
なんか今日は、高音域はいいんですけど低音域が、自分がココと思うところと違うところに鍵盤がある感じで(自分でも何いってるかわからない)
もしかしたら座る位置がふだんとズレていたのかも…
左手が飛ぶとどこ弾いていいかわからなくなりました。

三楽章の最後は「チャララララ…チャン!!」と派手に終わるのですが、
最初の「チャ」のところからぜんぜん違う音を弾き(!)
でも立ち止まれなかったのでその勢いのまま違う音で弾き切って終わりました。

「弾き直しをしない」が目標であることを考えれば悪いことではない(←と前向きに)

良いところもあった
(キレイなところはキレイだった)
と自分でも思いますしそう言ってくれる人は何人かいましたが

まぁね…

また引き続き弾きましょうね

ベトソナはどうするんですかね(本番五月)

終わって早速、artomr先生にLINEしまして(再度録音送って、といわれてたので)
「最後おもくそ違う音弾いてる本番録音と、
家でもうちょっとキズの少ないの取り直すのとどちらがいいですか」
と聞いたら
「両方」(o_o)
だって。

今日はラヴェル・ドビュッシー成分多めで聞いてても楽しかった。
亡き王女、古風なメヌエットは自分でも弾きたいですね。クープランの墓は永遠の憧れって感じ(今生のうちはたぶん弾けない)


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アッパー系な発想標語(ラヴェルソナチネ一楽章)

2020年03月16日 | ピアノ
さてここから一楽章の山場

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43-58小節(展開部②)

この箇所は一つの大きなフレーズとして捉えるとうまくいくと思います。しかし小さなフレーズ構造は「(3/2)/(2/2)/(1/1/1)/(1/1)/(2)」になっていると私は解釈します。ここには今までに出てこなかった”crescendo”、”accelerando”、”animé”、”passioné”など、かなりアッパー系な発想標語がオンパレードなので、かなり盛り上げるべきです。それこそボレロの最後のような感じで。私は昔、この部分があまり好きではなかったのですが、それはこの複雑なフレーズ構造とテンポ変化のダブルアタックによる興奮を見逃していたからです。それがないとこの箇所は、断片的で単調かつプリミティブなフレーズが「幼稚に繰り返されている」ように聞こえます。
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artomr先生は昔、ココがあまり好きではなかったんですね。
実際は上記のように、ラヴェルさんはフレーズ構造で複雑な仕掛けをしながら、アッパー系標語でテンポ変化させて、という凝ったことやって「興奮」につなげているとのことですが、まぁ考えてみれば断片的で単調なフレーズを幼稚に繰り返すのってそれだけで「興奮」につながるんじゃないかと思ったり。いずれにしても弾いていて気持ちいいところです(ハズさなければw)

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59-70小節(第一主題部の再現部)

69-70小節が提示部よりも、起伏のない状態に変化しています。これは再現部の第二主題部が、調的に主調方向に向かうことを反映していると思います。だから69-70小節は、提示部の対比的な11小節と12小節のように対比的ではなく、69小節と70小節の同一構造の反復を継続的に演奏し、穏やかに収束するように”rall.”すべきだと思います。

71-81小節(第二主題部の再現部)

ここは提示部の第二主題部と調性が異なるだけで、同じ表現ですが、強いて言えば、少しだけ静かに弾くといいかもしれません。主調である(本当はfis
mollですが)Fis durの領域だからです。

82-87小節 (コーダ)

長いrallentandoとLentは、シューマンの《子供の情景》の〈トロイメライ〉や〈詩人のお話〉の長いリタルダンドを思い出してください。かなり長い期間にわたって減速して、非常に幅の大きな一拍を持ち堪えられるかどうかが勝負です。普通のピアノ曲にあまり出てこない減速なので練習してみてください。
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そして盛り上がりのあとはだんだん落ち着いてくるのは、聞いてる感じだけでも明らかですが、「調的に主調方向に向かう」というのは考えていませんでした。調が違うだけで前と同じところを「少しだけ静かに弾く」というアイディアも。

(これはここだけの話ですがいつも調のことを何も考えずに譜読みして弾いてるんですがそろそろあんまりなので「今はナニ調」くらい考えるようにしたほうがいいかもしれません)

ところで「普通のピアノ曲にあまり出てこない減速なので練習してみてください。」っておもしろいですね。ふつう、速くなるところが自信なくて熱心に練習することが多いけども。考えてみれば、説得力ある減速って難しいかも。


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