アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

テンポで変わること(ラヴェルソナチネ一楽章)

2020年03月13日 | ピアノ
さてさて一楽章のコメントもながーいんでざくざく行きたいと思います。

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そうそう、まぁ練習会とかいろいろなくなるなら代わりに録音をアップして、といっても、実は録音もしにくいんですよね。だって家族がやたらと家にいるんだもん!! 今回のラヴェルも、「起きてくる前に~」とか、隙間時間でささっと録音して、録音を確認したときに「げっ!! 遅っっ」と思ったけど録り直しする暇なし。

っていうか、速く弾いたら今度はミスが増えたかもね…

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一楽章

アンダンテさんの一楽章は、全体的にテンポキープができていてとても良いです。そしてミスタッチが少ないのも素晴らしいです。この曲はミスタッチをとてもしやすい曲で、しかもミスタッチが致命的になりやすい曲だからです。
アンダンテさんは、どんな曲でもミスタッチをできるだけなくそうとしている心構えがあるから、このように弾けるのだと思います。ベートーヴェンが「ミスタッチをしても怒らなかったが、強弱記号を無視すると烈火のごとく怒った」という話がありますが、だからといってミスタッチをして良いわけではなく、ミスタッチに甘くなると、いくら表現力があっても「ゴミのような演奏」になります。
私自身、昔はミスタッチを甘く見ていて、名曲をゴミのように弾いていたので、とても恥ずかしく思います。今でも私はミスタッチは多いですが、それは甘くみているわけではなく、私にピアノを弾く能力が欠如しているためにミスタッチしてしまうわけです。ピアノを弾くことにおいて「表現力が豊かであること」、「ミスタッチをしないこと」は、プロだろうがアマチュアだろうが関係なく、二つとも重要なことだと私は思います。人間は必ずどちらかに傾くものですが、それを許容して自分の立場だけを正当化するのは完全にナンセンスです。つまり「自分の理解の外にある、優れた作品や演奏」を理解する可能性を失うので、それ以上は上達しないということです。得意は不得意の裏返しですから、よく自分の性質を把握し、「自分のやっていることに目をつぶらずに、よく見ること」(ピアノだから「自分の演奏を批判的に検討すること」ですね)が、上達に繋がると思います。このように考えると「アマチュアだから、プロだから」という言い訳は、通用しないと思います。「自分の好きな音楽を演奏する」ということにおいては、立場は違ったとしても、プロもアマも同じ土俵に立っているからです。難しい曲をバリバリ弾けるけど、繊細な演奏表現に無関心だったり、表現ばかり追求して、ミスタッチを減らす練習を怠っているのは、プロ・アマ関係なく、どちらにも起こることだからです。そういう演奏をしていると聴き手が去ってゆくのは当たり前のことです。演奏家は、作曲家と違い、聴いてくれる人を必要とします。作曲家は演奏家と違い、誰も聴いてくれなくても作品を書き残せればいいようなところがあります。でも昔の演奏家に比べて今の演奏家は、録音や動画を残すことができ、しかもyoutubeで世界に向けて発信できるので、少し作曲家に近づいたように思います。しかしそのような聴取のあり方においては、作曲家と同じように「時間に耐えることのできる」演奏をしなければならないわけですから、やっぱり「表現」も「技術」もどちらもかなり高いレベルで必要になってくるわけですね…。

ああ…前置きが長くなってすみません…。(ここまで全部カットしていいです)
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全部カットしていいと言われましたが、せっかく褒めてくれたので記念にそのまま掲載します。

演奏をなにがしか褒められることもあるけど(衣装とか選曲だけではなく)、ミスタッチが少ないと言われたのは初めてのような気がします。新鮮です。

単にミスタッチがぜんぜんなくてつまらない演奏というのもあるだろうけど、
そんなものは目指すつもりもないし到達することもできないけれど、
そりゃミスタッチも多いより少ないほうがいいので、その方向で工夫していることは確かです。

あと…artomr先生がいうには「この曲はミスタッチをとてもしやすい曲で」とのことですが、私の感覚では、この曲はとても当たりやすいというか弾きやすいんです。手に沿うというか…ほかにいくらでも外しやすい曲はある。人によるのかな??

この、長々しいミスタッチ論、非常に興味深いところなので、また別の機会に考えてみたいと思います。

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1-12小節(第一主題部)

さて、全体的にあと少しだけテンポアップすると、これから私が書くことがより生きてくると思います。
なぜテンポアップが必要かというと、この曲の32分音符の連続は、何かがざわめいているような独特の質感を出すものだからで、もう少し速くすることでこの特徴がはっきりします。
逆に言えば、この32分音符が途切れるところも重要になってくるわけです。まず3小節の2拍目の三連符がありますが、ここは次が”pp subito”とありますから、もう少し柔らかく拍をとると良いと思います。そのようにすると32分音符の奔流が、フッと突然途切れる効果が生じて、美しいです。次に32分音符が途切れるのは目立たないのですが16分音符が最小単位になる10小節の1拍目裏にあり、それは次の11小節1拍目表の「八分音符による32分音符の停止」という到達点の目立たない前触れです。もう少しだけテンポアップすることで、この32分音符のざわめきが停まる瞬間が、はっきりと対比的に響くと思います。
そして、次の第2主題部に移行するために12小節の「rall—」が必要です。機能が変わるセクションに移行する際に(特にこの曲は、第一主題部の32分音符に対して、第二主題部は8分音符をベースとした対比がある)、テンポ変化はそれまでの質感を変えるために、便利ですし、ここでは作曲者が書いてあるので必須です。
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自分にとって無理なテンポでぐちゃぐちゃ弾いても始まりませんけど、テンポが違うと別物に聞こえるってのがよくある話で、
最低限おかしくないテンポってのがありますね。

ときどき、私がYouTubeとかでプロの演奏をかけていると、娘が「あっ!!これ、お母さんが弾いてた曲だ」とかいって私が「そう~よくわかったね」なんてことがありますが、テンポが違えば判じ物レベルです(笑)

フッと途切れる効果とか、質感とか、シーンチェンジとか、テンポに支えられて成り立っているので、もちろん正解にある程度の幅はあるでしょうし、成り立つかどうかは弾き方にもよると思いますが、とりあえず自分で納得いくテンポにするには、そして本番でそのテンポできっちり始められるようにするには、もっと練習が必要ですね(結局ソレ)



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