クライマックスというと、単純なイメージとしては、ボリュームでかく、スピードはどちらかというと「巻き」で、なんですけど、ラヴェルさんそんな「ずんちゃか」いって終わりにしてません。
←あと一楽章と三楽章。何回かかるんだろ
二楽章のクライマックスは、静かで、ゆっくりなんですね。39小節から、ほんとに大事なところで、おゆき先生ももちろん、音量バランスとかについていろいろいってくれたんだけど、ここムズいんですよなかなかうまくいかないんですよ。
一部省略
左手のところに、時間がびろーんと伸びてしまった感じの拡大されたテーマが出てくるので、それがしっかり聞こえるように弾きたいんですけど。高音のほうがキラッと目立っちゃいますね。
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39-52小節
ここが本当のクライマックスです。ここのテンポはそれまでのところに比べて遅く弾くようにラヴェルが指示しています。まるで「時間の進みが遅い世界」のように弾くといいのではないでしょうか。最高音の「上四点ホ音」が出ます。しかしクライマックスですが、ppで演奏されるのが面白いです。前回のレクチャーコンサートでお話したように、ここは同じメロディーが時間をずらして演奏されるというムソルグスキーのような技法が用いられていますが、高い音の方が「pp」、低い音の方が「p」と表記されています。
弾いてみると分かるのですが、この音響バランスで弾くことによって、「同じメロディーが別の速度で進行していること」が初めてはっきりと聞こえてきます。この箇所では低いメロディーの方が、ゆっくりと弾かれます。ピアノは音が減衰する楽器ですから、長い音価を持つメロディーの方がやや大きな音で弾くべきです。また高い音は良く聞こえるのと、この箇所では八分音符と十六分音符でサクサク弾かれるので、ppで弾いても聞こえますし、さらにppで弾いた方がペダルの効果と合わせて繊細に聞こえてきます。そうすると神秘的な箇所になります。
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「時間の進みが遅い世界」まさにそのとおりで、うさぎ穴に落ちてしまった感じがします。ここがキレイに神秘的に行くといいですね。
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53-64小節
この箇所は再現部ですが、61-64小節に4小節間に渡るこれまでで最も長い「rall.----」があります。この減速はとても不思議に感じます。なぜなら減速を引き起こすような構造的な変化がないように思えるからです。しかし実はあるのですが、それはこの再現部のこの部分は、提示部ではヘ短調で終止していますが、この部分はこの曲の主調である変ニ長調で終止しています。なので、この変ニ長調に終止するように作り替えられていく部分を減速させて、緩やかに主調に終止していくようにしているのではないかと私は解釈します。なので、この「rall.-----」は表現的な意味を持つので、たっぷりかけてみてください。
65-78小節
“un peu plus lent qu'au début”(最初より少しおそく)とされているのですが、ここはもう終わりが見えている箇所だと解釈するのが良いと思います。提示部にあったアルペジオが消え、そして”ralentissez”(減速する)、“beaucoup”(たくさん)と書かれている箇所を経過し、78小節のフェルマータの休符の小節に至ります。この減速はこの曲全体で最大のものですから、53-64小節の「rall.----」よりも遅くなります。
79-82小節
ここはコーダ(終結部)になりますが、最後の二小節は私は和声が変わる度にペダルを踏み換えるべきだと思います。ベースに鳴っている「レ♭ーラ♭」は確かにペダルを踏み換えると消えてしまうのですが、濁りすぎるよりは想像の中で鳴っている方が綺麗に聞こえる気がします。
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61-64小節のrall.は、なんとなく腑に落ちてなかった部分で、artomr先生が言語化してくれたように「なぜなら減速を引き起こすような構造的な変化がないように思えるからです。」
そこに続く調性についての解説は、わかったようなわからないような(←わからないんかい)ですが、味わって弾きたいと思います(^^;;
最後のペダルについては、おゆき先生「踏みかえなし」artomr先生「踏みかえ」で割れているところがありますが、両方のいうことがもっともなので、折衷案で浅く踏みかえてみようと思います。
とにかく、時間を操ることによって響きや感覚を組み立てている作品なので、ベースはきちんとテンポどおりが守れていないとわけわかんなくなるのも当然です。ってことで、あとは練習要ですね(汗)
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二楽章のクライマックスは、静かで、ゆっくりなんですね。39小節から、ほんとに大事なところで、おゆき先生ももちろん、音量バランスとかについていろいろいってくれたんだけど、ここムズいんですよなかなかうまくいかないんですよ。
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左手のところに、時間がびろーんと伸びてしまった感じの拡大されたテーマが出てくるので、それがしっかり聞こえるように弾きたいんですけど。高音のほうがキラッと目立っちゃいますね。
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39-52小節
ここが本当のクライマックスです。ここのテンポはそれまでのところに比べて遅く弾くようにラヴェルが指示しています。まるで「時間の進みが遅い世界」のように弾くといいのではないでしょうか。最高音の「上四点ホ音」が出ます。しかしクライマックスですが、ppで演奏されるのが面白いです。前回のレクチャーコンサートでお話したように、ここは同じメロディーが時間をずらして演奏されるというムソルグスキーのような技法が用いられていますが、高い音の方が「pp」、低い音の方が「p」と表記されています。
弾いてみると分かるのですが、この音響バランスで弾くことによって、「同じメロディーが別の速度で進行していること」が初めてはっきりと聞こえてきます。この箇所では低いメロディーの方が、ゆっくりと弾かれます。ピアノは音が減衰する楽器ですから、長い音価を持つメロディーの方がやや大きな音で弾くべきです。また高い音は良く聞こえるのと、この箇所では八分音符と十六分音符でサクサク弾かれるので、ppで弾いても聞こえますし、さらにppで弾いた方がペダルの効果と合わせて繊細に聞こえてきます。そうすると神秘的な箇所になります。
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「時間の進みが遅い世界」まさにそのとおりで、うさぎ穴に落ちてしまった感じがします。ここがキレイに神秘的に行くといいですね。
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53-64小節
この箇所は再現部ですが、61-64小節に4小節間に渡るこれまでで最も長い「rall.----」があります。この減速はとても不思議に感じます。なぜなら減速を引き起こすような構造的な変化がないように思えるからです。しかし実はあるのですが、それはこの再現部のこの部分は、提示部ではヘ短調で終止していますが、この部分はこの曲の主調である変ニ長調で終止しています。なので、この変ニ長調に終止するように作り替えられていく部分を減速させて、緩やかに主調に終止していくようにしているのではないかと私は解釈します。なので、この「rall.-----」は表現的な意味を持つので、たっぷりかけてみてください。
65-78小節
“un peu plus lent qu'au début”(最初より少しおそく)とされているのですが、ここはもう終わりが見えている箇所だと解釈するのが良いと思います。提示部にあったアルペジオが消え、そして”ralentissez”(減速する)、“beaucoup”(たくさん)と書かれている箇所を経過し、78小節のフェルマータの休符の小節に至ります。この減速はこの曲全体で最大のものですから、53-64小節の「rall.----」よりも遅くなります。
79-82小節
ここはコーダ(終結部)になりますが、最後の二小節は私は和声が変わる度にペダルを踏み換えるべきだと思います。ベースに鳴っている「レ♭ーラ♭」は確かにペダルを踏み換えると消えてしまうのですが、濁りすぎるよりは想像の中で鳴っている方が綺麗に聞こえる気がします。
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61-64小節のrall.は、なんとなく腑に落ちてなかった部分で、artomr先生が言語化してくれたように「なぜなら減速を引き起こすような構造的な変化がないように思えるからです。」
そこに続く調性についての解説は、わかったようなわからないような(←わからないんかい)ですが、味わって弾きたいと思います(^^;;
最後のペダルについては、おゆき先生「踏みかえなし」artomr先生「踏みかえ」で割れているところがありますが、両方のいうことがもっともなので、折衷案で浅く踏みかえてみようと思います。
とにかく、時間を操ることによって響きや感覚を組み立てている作品なので、ベースはきちんとテンポどおりが守れていないとわけわかんなくなるのも当然です。ってことで、あとは練習要ですね(汗)
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