カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

作品その58・出入り業者の爆誕

2018-10-17 18:52:02 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『チョーク』と『呪文を織り込んだレース編み』を材料に『悪魔の犬餅』を錬成しました。用途は極秘事項です。


 いきなり現れた師匠に、オードリーに変なものを食わすな、もし枯れたらどうすると叱られた僕は、師匠に言われるまま菓子作りに戻った。だからその後、師匠と根切り屋の間にどのような話し合いが持たれたのかは知らないのだが、結局、根切り屋は植物採集販売業者として正式に師匠と取引をすることになったそうだ。
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骨董品に関する物語・カードの挟まった祈祷書

2018-10-17 18:30:28 | 突発お題

 親友だった神父様が僕に遺した七枚のカードには、僕たちだけに意味が通じる地図が記されていた。例えばフレンチバゲットが美味しい村のパン屋、翼を広げた天使を思わせる教会の大木、活字のように整然と花たちが並ぶ小学校の花壇。そんな道筋を辿った先で見つけたのは、いつの間にか僕の部屋に置かれていた神父様の祈祷書。でも、神父様が神父様であることを自ら辞めてしまった理由は今でもずっと謎のままだ。
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骨董品に関する物語・ベツレヘムの星

2018-10-17 18:27:05 | 突発お題

 昔、年老いた真珠採りが長年自分の生活を支えてくれた貝たちの恩に報いたいが、どうすれば良いだろうと司祭に尋ねると、真珠を生み出す貝がどれほど美しいかを知らしめればいいと答えが返ってきた。
 そんなお話はどうだい?と洋行帰りの父が私に差し出してきたのは、真珠貝に緻密な星辰を刻んだ丸いお守りだった。
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