カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・吉祥模様の入ったボヘミアングラス

2018-10-27 19:41:11 | 突発お題

 並んだ赤い八つの円に花や豊穣のシンボルが描かれたボヘミアングラスには、何故か七つしか絵柄が入っていなかった。祖父が言うには、そこにはグラスを手にした持ち主に最も相応しい吉祥の絵柄が浮かび上がるらしいが、グラスに認められた持ち主以外の人間には見えないのだという。
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骨董品に関する物語・判じ絵の描かれたフランス製の絵皿

2018-10-27 14:39:54 | 突発お題

 さんざん苦労してようやく手に入れた判じ絵が描かれたフランス製の古い皿を友人に見せたら、一人は、昔だけど判じ絵が並んだ英国の絵本があってさ、英国の歴史や伝承を象徴的に描いたものだったんだけど、実際の場所が絡む回答だったから誤答した連中が関係ない場所を荒らして結構な騒ぎになったらしいよと呟き、もう一人は盲暦だったらうちにもあるな、昔は文盲が多かったからとぬかしやがった。
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作品その65・崩れ去る命

2018-10-27 11:49:58 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『水銀』と『恋人の爪』を材料に『災禍の小鬼』を錬成しました。用途は不明です。

 ごくたまにだが、師匠は擬似生命体を錬成することがある。大概は三日も姿を保てずに崩れ去ってしまうし師匠もそれは良く解っているはずなのだが、それでも錬成する。ある日、残骸を片付ける師匠にどうしてそんなことをするのか尋ねたところ、悲しそうな表情で安心したいんだという答えが返ってきた。
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