着メロから

今日の朝の通勤電車は空いていた。もう、休みに入った会社も多いのか。途中から座れた。私の隣にはごっつい男性が腕組みして眠っていた。

黒い革ジャンを着て、瞳が分からない程の黒いメガネ。野球帽を目深に被り、うつむいた胸の前に流れ落ちるドレッドヘア。そして鼻の下にはヒゲ。

空いているので、足を投げ出している。ちょっとジャマ。でも、私もよく観察してるな。

本を読んでいたら、何やら澄んださわやかな小鳥のさえずりがかすかに聞こえる。あれ？ＢＧＭ？

と、隣のその男性がポケットに手を入れ、携帯を取り出しフリップを開けてメール？を読んだ。

ちょっとビックリ。あまりにもミスマッチな着メロ。可笑しくなった。それは違反でしょと。本当は外見とは違って、性格が可愛かったりして・・・・。

そういえば、私の知っているサッカー仲間にも外見が怪しい人達がいる。絶対、普通では知り合いにはならないだろうと、言う程の人もいる。でも、親しくなると「普通だなー」と思う。

人間なんて、つい外見で中身も判断してしまう。でも、今の世の中、凶悪な事件の犯人が近所では、とってもいい人と言われる人が多々いる。普通の人の方が、切れたら怖い事もある。

駅のホームで普通のサラリーマンのオジサンが、何が頭に来たのかちょっと知恵遅れの男性を蹴っているのを見た事がある。すぐに、駅員さんが飛んで来たが。

普通ってなんだろう。普通のおじさん、普通のおばさん、普通のサラリーマン、普通の学生。よく、普通の人と言うけど、普通って、本当はどんな人なんだろう。