朝日新聞に「風の谷のナウシカ」の特集が載っていた。
前に「アキラ」の特集があって、あらためて「アキラ」を取り出して、夢中に読んだ。娘に言ったら「私ももう一度読む」と言って持って行った。
新聞でも、アニメとマンガでの流れる思想の違いに触れていたが、私も読んで改めて映画とマンガの違いに驚いた。
アニメは何回も見ている。最近もテレビで放送があったので見て、「青き衣の・・・」の美しいシーンや腐海の底の底の美しいシーンに何回見てもいいなと思った。
だから、私の中で、ナウシカの物語はアニメでの世界観になっていた。
そういえば、ナウシカのマンガは、発売された時に1度しか読んでなかったかな。
手に取って見たら、第一巻は昭和62年の発行になっていて30年以上も前なのかと、そんなに昔だったのかと思った。
今はコロナでいつでもどこでもマスクが離せない。ナウシカの世界でも、マスクを必要とする場所の方が圧倒的に多い。
全7巻の最初から最後まで、ずっと戦争の中だったんだと、改めて思った。
人々は、人間にとって生きにくく辛い環境の中なのに、だがひたすら殺し合いの日々を送っている。
空中戦で攻撃された船からは、壊れた船の破片だけでなく人々がバラバラと落ちて来る。女性も子供も・・・。
地上には延々と人々のおびただしい死体が折り重なって続いている・・・。
アニメと違ってこんな物語だったんだ、と改めて思いながら、自分の時間で読んでいける白黒の世界に圧倒された。
「火の7日間」の戦争で文明が滅び、腐海という人間が生存できない森が広がって行った。
人間が生きていくには厳しい世界なのに、それぞれの国のトップに立つ権力者は、国民の平和を願い手を取りあうのではなく、覇権のために戦い、ますます腐海を広めて行く。
私達が生きている今のこの世界でも、あの世界を巻き込んだ2回の世界大戦を経験しても、いまだにどこかで争いを繰り返している。
私達のDNAには、争いの素が書き込まれているのだろうか。その争いの素が大きい人がトップになると、もっと大きな力が欲しくなるのだろうか。
このマンガの世界観を、ジブリのプロデューサーが「映画に感動した人への裏切りではないか」と宮崎駿さんに抗議したほどの驚愕だったそうだ。
でも、あの頃のマンガの世界観には、大なり小なりこんなマンガ多かったように思う。
特に、私は少女漫画しか読まなかったが、あの頃の萩尾望都や他の人達のSFの世界は、本当に面白くて夢中で読んだ。
昔のマンガをもう一度、読んでみようかな。