art de vivre

ワインラヴァーであります。
日々を豊かにしてくれるワインと
お菓子作り、ちくちく手仕事、週末別荘のお話。

暮らし方

2012-03-19 16:15:37 | vin ~わいん~
最近、心惹かれた本は…。

やっぱりいつまでも憧れの高峰秀子さん。
これまで秀子さんの著作をいろいろと読んできたけれど、
最近発行された『暮しの流儀』。
高峰秀子 松山善三 斎藤明美 著


表紙は、結婚されて間もないころだと思うけれど、
ご主人の善三氏と食卓を囲んでいるモノクロームの写真。
女優然としていないプライベートな写真が表紙に使われるのは、
秀子さんのご本では始めてかも…。
説明は要りません。
おふたりの笑顔がすべてを物語る。
ささやかな日常を切り取ったようなこの表紙の写真は、
自ずと本の中身を物語ってくれる。

表紙をめくると、
30歳過ぎの和服姿の秀子さんのこれもまたモノクロームの写真。
かの木村伊兵衛氏撮影。
秀子さんの凛としてさりげない表情と、
全体に漂うやわらかな空気感が絶妙。
そこに言葉はないけれども、
言葉以上に秀子さんの人となり、生き方を物語る写真だと思う。

中を見てみると、タイトル通り秀子さんが暮しの中で愛したさまざまなもの。
身につけるものや家の中の家具、道具、食器、旅の日記 など。
そして日常のご夫婦の写真がたくさん掲載されていて、
本当に幸せそうなおふたりの表情に心が暖かくなる。
女優ではなく、普通の家庭人の姿がそこにある。

秀子さんの貫いた、自分の意思をはっきりと持ち、強く潔く誠実な人生は理想。
わたしにはとても真似できない生き方だけど、
学ぶものはたくさんあるような気がする。


『あしたも、こはるびより。』
『キラリと、おしゃれ ~キッチンガーデンのある暮らし~』
つばた英子 つばたしゅういち 著


本屋でふと目にとまった『あしたも、こはるびより。』。
なんと86歳、83歳のご夫婦。
主に奥様が畑仕事。
70種類の野菜と50種類の果樹を育て、
野菜、果樹に関しては自給自足というから驚きだ。
お料理もお菓子作りもこなし、お客様をもてなし、
機織りをしたり刺繍をしたりの生活。
理系で建築家の旦那様は、家の内外の管理やメンテナンス。
そして、道具類でも資料でも整理整頓が得意。
そう、理系の人の頭の中はこんなふうにきちんと整理されているのでしょう。
対して、わたしの頭の中は混とんとしていてカオス状態。
まず身の回りから整理整頓に励むと、
頭の中も自ずと片付くかしら?

たくさんの写真が掲載されていて、
楽しくを信条に前向きに暮らす様子がとても微笑ましい。

暮しの様々なことを外に頼らず、
ひたすら自分たちの感性を大切にして、自分たちの手で生活を創り出し、
丁寧に暮らす姿には感動する。
そしておふたりの生きて行く力になっているのが、
誰かをおもてなしすること。
やはり人は「誰かのためになる、誰かが喜んでくれる」と思うことがパワーになるのだ。

何でも右肩上がりの時代は過ぎ、
経済や環境や、身の回りのことを考え直し始めたこの時に、
ゆっくりでも一段一段階段を上がるように、
不便を楽しみに変えながら、
丁寧に暮しを紡いで行くのもいいんじゃないかと思う。
お金では買えない、本物の豊かさがそこにはあるような気がする。

これを読んで、また憧れがひとつ増えた。
しかも、少しはわたしでも実践できそう。

勝浦で野菜作り?
週末にしか行かないからムリ…

なんて言っていたけれど、
今年は、もう少し野菜の苗やハーブの種類を増やし、
果樹ももっと植えて、楽しみを増やそうと思う。
ついつい目先のことに捉われる傾向が強いわたしだけど、
もっと先を見る力、考える力もつくだろう。

ネット検索して購入した『キラリと、おしゃれ』は、
おふたりのこれまでの人生も詳しく書かれていて、
なんと強く賢く柔軟に生きてきた方たちかと感嘆してしまう。
まだまだお元気で活躍されて、
良き人生の舵取りの見本となっていただきたいと心から思う。


『魔法のびん詰め』
こてらみや 著


こちらも本屋でふと目にとまった本。
パラパラめくると、すぐに作りたくなるものが満載。
わたしの作ってきた赤シソシロップなども載っている。
よ~く見れば、わたしの作り方よりも随分簡単だ。
あ、こんなんでいいんじゃん!
ピクルスとかレバーペーストとかきのこのオイル漬けとか…
どれも本当においしそう。
とにかく即実践できそうなので購入。

『あしたも、こはるびより。』でも、
畑で作ったものを、乾燥させたり、煮たりして保存食ももちろん作られている。
なので、この2冊はわたしの中でぴったりリンク。
勝浦で作り、収穫したものをこんなふうに保存して、
そしてまた誰かに食べてもらおう。

と、この3冊はだんだんわたしの心に近づいてきて、
これからの人生を考えるとワクワクと楽しくなるのです。