二本榎通りから泉岳寺門前への抜け道をたどる。Photo 2006.3.5

堀江歯科
所在地:港区高輪2-2
二本榎通りに面した堀江歯科は大正末期に建てられたかわいらしい洋館。青い瓦屋根は軒先だけちょっと傾斜が変わるおもしろい形。となりの保安寺の参道階段側には小さな出窓がある。この階段とセットになって小さな洋館はこの場所を印象的なものにしている。さて、その保安寺への階段を下りる。

保安寺参道の階段
保安寺の参道は下り階段だ。神社仏閣はどちらかというと、丘の上か、高台を背にして建つことが多く、参道も上り坂が多いのだが、高輪の二本榎通りに面した寺院のいくつかは参道が下り坂になっている。参道の両側になぜか棕櫚の木が立ち、大谷石の石垣と木造住宅がそびえる。
階段を下りきったところを左に曲がり、小さな階段を上ると、泉岳寺への抜け道に出る。この抜け道は、高輪の街歩きには欠かせないルート。知る人ぞ知る道なのだが、意外にこれ有名で、学生やOLさんまで実に様々な人が使っている。

正源寺わきの小道
坂を下り、正源寺の門前を今度は右へ。お寺の塀沿いの小道はくねくねと曲がりながら下っていく。

正源寺西側を高輪学園へ向かう

つづら折りに続く抜け道
角を曲がると、小さな住宅地。たぶんお寺が境内を貸地にしたために生じた住宅群だろう。木造住宅が建ち並ぶ中を小道は続く。数年前までは敷石が敷き詰められておらず、飛び石状態だったが、改良?されて、雨でも歩きやすくなった。部分的に側溝もできて、それなりにちゃんとした道になってきている。

途中にある木造住宅もなかなか丁寧なつくり。引き戸の玄関上部には、模様の入った磨りガラスが嵌っている。昔はこのようなものはそれほど高くなかったのかもしれない。最近は模様入りのガラスを使うことはほとんど無いが、昔の住宅にはいろんな柄のガラスがあって、これを見るのも楽しい。

高輪学園裏、通路をくぐる
高輪学園のグラウンドを囲む塀沿いに回り込み、学校の通用路の下をくぐる。学校のフェンスは以前はコンクリートの万年塀だったが、数年前にアルミ製の黒い柵に替えられた。右側のコンクリート擁壁も昔は石垣だった。きれいに改築されて、それなりに安全な道にはなったのだが、一昔前までの怪しさは丁寧に除外され、ちょっとつまらなくなってしまったのは残念。

大谷石でできた泉岳寺の塀
だが最後の泉岳寺の塀は昔風で、汚れて風化しつつある大谷石には、エイジング=経年変化を見ることができる。
つづら折りに続く長い抜け道は、都心とは思えない静けさ。歩いて楽しい街は、こんなところにもある。
#古い建物 港区 #路地