松光寺の参道を通り、墓地への階段を下る。しばらく来ないうちにこの階段も様変わりしていた。
松光寺、墓地への階段
所在地:港区高輪1-27
Photo 2006.3.5
Photo 1996.3.31
Photo 1995.2.23
撮影ポイントや画角は少しずれているが、3枚の写真は同じ階段。
以前は、蹴上部分と踏み面の中央部分だけがコンクリートで、踏み面の両側は土が露出しているものだった。上の方の階段は、斜めに積まれた石垣とブロック塀に両側を挟まれ、また下の方では、墓地がコンクリート塀やブロック塀で目隠しされていた。
新しい階段は、全面が舗装され、スロープやアルミの手摺が付いている。舗装を変えただけでなく、階段の構造全体に手を入れたようで、以前とはステップの段数や大きさが全く異なり、以前の面影はほとんどない。
Photo 2006.3.5
Photo 1995.2.23
墓地の中の階段を下りきって振り返り、下から全景を見る。昔は階段下に木造の古い住宅があり、この家と階段のセットが絵になる風景だった。住宅はなくなり生け垣に、階段の途中の踊り場には緑色の洋風のパラソルが。
確かに昔は、ここはちょっと怪しい場所だった。階段の両側の石垣には無縁化した墓の墓石が転用されていて、戒名が書かれていたり、蓮の花の彫刻が欠けていたりして、いかにも「出そう」な雰囲気があり、夕暮れ時はひっそりして陰気でもあった。私などは、都心なのにこの静けさはすごいなーと、妙に感心したりしてもいたが、普通の人はあまり近寄りたくない雰囲気だったかもしれない。
しかし鮮やかな緑のパラソルと休憩用の腰掛けである。見事に雰囲気を変えたというか、怪しさを消し去ったというか・・・。都心の歴史のあるお寺へようこそ。墓地区画新規販売中です!、という感じで、ここでも確実に時代は変わっているのだなと、痛感したのだった。
緩やかなカーブを描いて下りていく階段が好きだったのだが、妙に清潔できっちりした階段になってしまったので、この時は写真を撮る気が途中で失せてしまった。
せっかくなので、昔の写真を今回は掲載。
緩やかにカーブしながら墓地の間を上っていく階段
Photo.1995.2.23
墓石を積み上げた石垣
Photo.1996.3.31
やっぱり昔の方が味わいがある景色だと思う。白黒写真ということを割り引いて考えても・・・。
#階段・坂 港区 #寺院