都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

第1コスガビル

2006-10-09 | 中央区  

 最近トラックバックを頂戴した、「「帝都」の残映-東京・近代建築撮り歩き-」というBlogを訪ねてみたら、日本橋横山町にある第一コスガビルの解体が、9月から始まるという記事を発見。→「第1コスガビル

第1コスガビル
所在地:中央区日本橋横山町 9-9
建設年:1930(昭和5)
構造・階数:RC5
Photo 1996.10.10

 あーあ、またか。多くの人が知っているような建物ではなくて、街角に建つ、街並みを構成している、平均的だが良質な近代建築が取り壊されることが、最近多いような気がする。ちゃんと数えたわけではないので正確ではないのだが、バブル期よりも最近の方が近代建築の解体数が多いのではないかとさえ思う。

 バブル期の後、更に15年程度が経過し、建物の老朽化は以前より進んだし、IT化によって、建物にはより高度な性能が求められるようになった。関東大震災の後、昭和初期に建てられた都心の近代建築は、皆、築80年程度。コンクリートの劣化、タイルの剥離、電気、水道設備の老朽化、雨漏り・・・。傷みはあちこちに出ているだろうし、関東大震災級の地震に対する心配も当然ある。

 でもなんだか駆け込むように建て替えが進められているような気がしてならない。景気が比較的良い今を逃したら、建て替えのチャンスはなくなるとばかりに、次々と建て替え計画が発表される。

Photo 2005.3.27

 第1コスガビルは、繊維問屋街の北の方にある、鋭角になった交差点に面して三角形の敷地に建っていた。鋭角三角形の建物なので、角から見ると細くスマートで、遠近感も強調され、聳えるような姿はとても印象的だった。丸くなったコーナー部分(階段室+塔屋)も優美で格好良く、絵になる角地建築だった。外観上、特に痛んでおらず、まだまだ現役みたいだなと思っていただけに残念だ。

 日本橋横山町界隈を訪れる際には、いつもこのビルを見に行った。急速に開発が進む街というわけではなく、街の雰囲気も10年前とさほど変わらないようだったので、とりあえず安心していたのだが、界隈のランドマークとも言うべきこの建物が無くなるとは・・・。拠り所になるようなランドマーク的建物が無くなると、まちあるきの楽しみはまた一つ減ってしまう。

Tokyo Lost Architecture  
#失われた建物 中央区  #近代建築  #オフィス 
コメント (4)
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