2年前に解体されてしまった刑部人邸。
刑部人邸
所在地:新宿区中井 2-19-3
建設年:1933(昭和8頃)
構造・階数:木2
林芙美子邸東側、2006.4 解体
Photo 2006.2.19
写真は二棟の内、東側のもの。こちらが刑部人氏の自宅アトリエだった建物らしい。中井駅北側を東西に通っている谷道に面して入口がある。数段の階段の奥、木々の中に可愛らしい建物がたっていた。
壁はコテの跡が残るスタイルの仕上げ、スペイン瓦が載る、南欧風・スパニッシュスタイルの明るい雰囲気の洋館。
谷道沿いの風景を見ると、大谷石の擁壁が連なり、大きな木々が並び、そこだけ昔からの風景を残していたことがわかる。長い間の土圧で擁壁は外側に倒れ込んでしまっていた。
この写真には写っていないが、これを撮ったとき、近くに、スーツ姿で住宅地図を見ながら一所懸命に刑部邸の現状を記録して、写真に撮っている若者がいた。近代建築ファンともちょっと違う雰囲気だったので、声を掛けたりしなかったのだが、今にして思えば、あれは不動産関係者だったのだろう。そしてこの写真のわずか2ヶ月後に建物は無くなってしまったのだ。
建物外観は、左右対称に近い。菱形の網目になった窓、中央上部の大小3つの窓が特徴的だ。
Chinchiko-Papalog内の記事には背後(北側)からの写真が載っている。絵を描く際に間接光を取り入れるため、北側の屋根面に天窓があるのがわかる。
刑部人邸/アトリエを拝見する。
下落合を描いた画家たち・刑部人。
刑部人邸/アトリエを拝見する。
あと、いのうえさんの「漂泊のブロガー2」にも建物内外の記事がある。
刑部邸の見納め 芙美子邸と刑部邸
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刑部人の風景画 刑部邸 1
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