
東京郵政局・関東郵政局
所在地:千代田区大手町2-3
建設年:1962(昭和37)
構造 :RC
階数 :8F・12F
設計 :郵政大臣官房建築部・小坂秀雄
備考 :2005年5月~2008年12月の間に解体。現在は更地。
日本郵政公社東京支社は2005年5月6日に港区麻布台へ移転
Photo 1996.10.10
官庁系のモダニズムオフィスビル。柱や梁は鉄筋コンクリート打ち放し。3Fから上は庇が張り出していて軒が深く、ちょっと日本建築を思わせる。
この頃の公共建築にはこのように水平に庇が張り出したものが多い。鉄筋コンクリートのモダニズム建築を日本的に解釈した結果、このようなデザインになったともよく聞く。
機能面から考えても、軒が深いので窓が濡れないし、夏場の強い日差しが直接内部に入らず、外側に日陰が出来るので、冷房の面でも少し効果があったのかもしれない。雨が多く、夏は日差しが強くとても暑くなる日本の気候を考慮したのかもしれないなとも思う。
旧郵政省には官庁営繕として設計部署があり、そこに小坂秀雄氏という設計者がいたそうだ。この建物や外務省(1960)は、同氏が郵政省の大臣官房建築部長だった頃の建物。同氏は退官後(株)丸ノ内建築事務所を設立して、逓信ビル(1964)など、多くの公共系建築物を設計したという。ホテルオークラ(1962)もこの事務所の設計だそうだが、言われてみれば、外務省やホテルオークラ、逓信ビルは確かに雰囲気が似ている。
事務所のHPには、完成当初の写真が掲載されている。これによると、当初の建物は前方の8F建ての部分のみだったようで、後年、12F建ての建物が増築されたようだ。
(株)丸ノ内建築事務所 > 小坂秀雄HP・小坂秀雄の建築 > 東京郵政局
2011年時点で、この建物の跡地は更地のままになっている。また、写真では見えないが、この後方には似たようなデザインの東京国際郵便局の建物がまだ建っている。しかしこちらも現在は使用されておらず、廃墟状態。将来的には一体的に建て替えが行われるのではないかと思うが、現時点では詳細不明。
Tokyo Lost Architecture
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