都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

いちやま旅館

2022-03-18 | 長野県  
いちやま旅館
所在地:松本市 中央2-1
構造・階数:木・3
建設年:1935(昭和10)
解体年:1996(平成8)
備考 :建て替え後のいちやま旅館は2007(平成19)閉館
Photo 1992.11.22

 松本市の中心部、公園通りに面していた旅館。木造3階モルタル塗り、切妻屋根の瓦葺き。下記「工芸の五月 -2012」によれば、本館は1907(明治40)年築。東館は大正時代、西館は昭和戦前期のものだったという。ただ、写真の3階建てが、本館、東館、西館のいずれなのかは把握できなかった。

 松本市の中心部は城下町であまり道幅が広くなく、古くからの空間構造が残っていた。しかし中央西土地区画整理事業(1985〜2002年度に実施)によって、一部の建物は曳家されたりしたが、大半は取り壊されて近代的な空間構造の街となった。いちやま旅館も同事業に伴い1996年に解体されたという。

 たしかに以前は自動車の渋滞もかなりあった。1970〜80年代、夏場に家族で自動車で訪れたりしたが、当時はまだコインパーキングなどというものがなかったこともあり、デパートの駐車場や市営駐車場への入庫のために1時間以上待つなんてこともあった。たぶん今はもうそんな事はないだろう。道も広がり自動車などにとっては快適な空間になったに違いない。
 ただ、Googleストリートビューなどで見ると、現在の街並みはどうも殺風景に見える。いちやま旅館が面していた公園通りは、かつてはあまり広くない一方通行の道だった。現在も一方通行だが、両側にはゆったりした歩道が造られた。道が広がり明るくなり、安全になったのは良いことだが、どうも間延びした印象に見える。ごちゃごちゃ感がなくなって、賑わいがなくなり却って静かな町になってしまったように見える。城下町の街並み風景や往時の空間構造が消えていくのはやはり残念だ。

中央西土地区画整理事業 松本市ホームページ
1995年から1999年の写真  松本市ホームページ
工芸の五月 -2012
いちやま旅館 : 旅と建築と日常

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コメント
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