09/03 鈴木食品工業
09/06 愛隣保育園・東京愛隣教会
09/09 玉川電機商会
09/12 旧カフェー「東洋」
09/15 隅田湯
09/18 東京割工業株式会社
09/21 旧カフェー「太陽」
09/24 旧カフェー「サンエス(SSS)」
09/27 旧カフェー「松竹」
09/30 高橋靴店
高橋靴店(高橋邸)
所在地:千代田区神田神保町2-11
構造・階数:木・2
解体年:1997(平成9)
Photo 1995.7.22
1995年に研究室で東京の都市調査をした際に撮影した銅板張り看板建築。神保町のすずらん通りか、その西側のさくら通りで撮った記憶があったのだが、詳細な場所を忘れてしまっていた。
撮影地と建物特定の手掛かりになったのは、右端の新しいビルと、後方のビルだった。特に後者は、窓の中央に外壁のプレキャストパネルの境目が来るタイプで、こういう外壁のビルはそれほど多くない。結局これは靖国通り沿いに建つ北沢書店の南側壁面が、さくら通りから見えていたことが分かった。
「靴橋」と書かれていたので、当初はそういう店なのかと思っていたが、実は「高橋靴店」だった。戦前の建物で右から店名が書かれており、最初の「高」と最後の「店」の文字が脱落していたのだった。
看板建築としては、それほど手の込んだ建物ではなかった。1階は大きなガラス張りの2枚引き戸の出入口でちょっとモダン、2階軒先には店名の金文字が付くが、2階の戸袋には特にデザインはなく、普通の看板建築商店。間口も狭く、小規模な建物だった。
現在は写真左手の表具店と更にその左側も含めて、マンションに建て替えられている。
二十年ほど前まではこの程度の銅板張り看板建築は、東京では結構たくさんあって、比較的ありふれたものだった。だが、やはりこのような建物は確実に減っている。神田と神保町界隈には戦災を受けずに焼け残った建物が多く、昔の建物を見て歩く楽しみがあったが、最近はタイル張りのマンションやオフィスが大半になって、街並みとしては次第に退屈になってきた。普通の看板建築だったとしても、残されていれば街の中でワンポイントになって、街並みに彩りを与えるのではないかと思うのだが、住み手じたいが高齢化して、いなくなっていく状況では、このような建物の存続は難しいと言わざるを得ない。
Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 千代田区 #看板建築 #銅板張り看板建築
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