左から、喫茶RON・ナカジマパッケージ・みどりや靴店
所在地:中央区 日本橋人形町1-19-5
構造・階数:木・2
建設年:関東大震災〜戦前期
解体年:2020〜21(令和2〜3)
備考 :Photo 1996.10.6
人形町交差点に面して建っていたモルタル看板建築。3軒ほどの店が入っていたが、構造的にはひとまとまりの建物だったようだ。下記「ぼくの近代建築コレクション」内の記事によれば、矢島洋品店として建てられたものだったそうだ。建設時期は関東大震災以降、昭和戦前期だろうか。
同記事の写真には1983年撮影のものがあるが、この頃には歩道上にアーケードがあったことが分かる。Wikipediaによれば、アーケードはこの翌年の1984年に撤去されたそうで、同記事中の1991年の写真には確かにアーケードはない。
写真の1996年時点では左から喫茶RON、ナカジマパッケージ、みどりや靴店。日曜だったのでこの日は店がみんな閉まっていた。
中央上部にメダイヨンがあり、軒先のデザインも共通なので、当初はRONもナカジマパッケージも右側のみどりや靴店のようなファサードで、窓も縦長のものだったのではないだろうか。
Photo 2014.5.4
みどりや靴店は2000年代までは営業していたようだが、この2枚目写真の頃には既に廃業(もしくは移転?)していたらしく、2階壁面には日本和装と不動産の広告が掲出されていた。
Photo 2014.5.4
また、ナカジマパッケージは靴とバッグの修理などをする店になっていて、これが建物全体の消失直前まで続いていた。
Photo 2014.5.6
最初の矢島洋品店は、そもそもは馬具商として1780(天明元)年に創業し、その後、両替商、唐物屋を経て、大正期の地図には矢島洋傘帽子店と記されているお店。そして喫茶RONはその矢島洋品店が1965(昭和40)年に商売替えしたものだったそうだ。
喫茶RONは2018(平成30)年秋に閉店。その後も建物全体はしばらく残っていたが、2020年頃に解体され、10階建てのビルが2023年に完成している。
ロン、みどりや靴店/人形町1丁目 - ぼくの近代建築コレクション
Tokyo Lost Architecture
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