4時頃、F氏じんましんのようなものを発症し、それで起こされる。車内がやや乾いて暑く寝苦しい。二人で通路に出て、灯りの下で様子を見る。確かに彼の腕や背中に発疹がいくつかできている。何だかむず痒いらしい。ただこの時は大したことではないようだったので、寝れば直るだろう程度の判断でまた床についてしまう。
7時過ぎに起床。F氏吐き気を催す。どうやら何か食べ物にあたった模様。S氏も若干気持ち悪いと言う。しかし不思議なことに他の人は誰も体調を崩していない。食あたりであるとすれば何だろう?。特に彼らが人と異なるものを食べたわけではない。昨晩、先生たちと食べた薫製を、F氏が割合沢山食べていたということで、薫製じゃないか?という話が出る。薫製であたるという話はあまり聞いたことがないが・・・。
かつおの刺身とかで生の場合、アニサキスという寄生虫がいて、体内に入ると胃を食い破られてしまうという話を聞いていたので、その話を冗談混じりにしたら、やたらに怯えてしまったので参った。生魚食べてないから関係ないんだけど・・・。
しかもアニサキスという名が、馴染みがなくて覚えにくかったため、その後いつのまにかアンルイスになってしまい、F氏の胃の中にアンルイスがいて暴れ回っているという、とんでも話になってしまった。しかし暴れそうだな、アンルイス・・・。
シベリア鉄道・原野の風景
そんなこんなで笑っている間も列車は淡々と進んでいき、外には林が続いているのでした。
08:20、最後の途中駅に2分停車。ウラジオストクに近くなるとトイレが使えなくなるので、8時少し前に用を済ませる。ということは、つまりその、そのまま落下・飛散タイプなのだ。だから街中では使えない。日本も昔はそうだったけど。
シベリア鉄道・海上の建物
列車は海沿いをひた走る。海岸から細い橋でつながったリゾートホテルのようなものが見える。田舎なんだけどどうも生活はゆったりして充実してるのかもしれない、とも思うし、でもあれは一部の特権階級の人だけのものなのかもなぁとも思う。
ウラジオストク市街遠望
弧を描いた海岸線の向こう、海越しにウラジオストクの街が朝もやの中、蜃気楼のように、夢のように現れる。最初、街は小高い丘の周りに立ち並ぶ高層アパート群と丘の上の鉄塔によって、一つの城塞のように見えていた。列車が近づいていくと山肌に多くのアパート群が並ぶ、新興のニュータウンのような風景にそれはなって行った。ハバロフスクの、割合に平面的で大陸的な街の姿と全く異なる、港町の姿はやはり非常に魅力的だ。
シベリア鉄道から、ウラジオストクの街並み
町に近付いて来ると中層のビルが見えて来る。建設中のビルを見ると、柱や梁が日本に比べてどうも細いように見える。地震があまりないから大丈夫と考えられているのだろうか。日本のごつい構造を見慣れた目からすると、どうも頼りなさげでなんかの拍子にクシャッと潰れてしまいそうな気がする。
1992年10月 ロシア日記・記事一覧
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