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'07/09/11の朝刊記事から
非常事態宣言 現実味も
【イスラマバード10日共同】パキスタンのムシャラフ大統領が10日、約7年ぶりに帰国したシャリフ元首相を再び国外追放したことで、反政府デモが頻発する虞が高まった。
同国では年内にも大統領選と総選挙が実施される予定で、収拾がつかなくなれば、ムシャラフ氏がいったんは断念した非常事態の宣言も現実味を帯びる。
最高裁は8月にシャリフ氏の帰国について「自国に帰ることは憲法上、国民に認められた権利」と明確に指摘。
ムシャラフ氏は司法の決定を無視した形で、強権的手法に国際社会からも批判が高まることも予想される。
ムシャラフ氏は1999年のクーデターでシャリフ氏を失脚させ、実験を掌握。
前年の核実験による国際社会からの制裁で経済的な窮地にあった同国では、国民の多くがクーデターを歓迎した。
しかし、今年3月に政権に批判的だった最高裁長官の解任を図り、烈しい反発を呼んだ。
イスラム過激派によるモスク(イスラム教礼拝所)立てこもり事件が発生するなど治安も悪化、国民の支持を失ってきた。
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'07/09/11の朝刊記事から
パキスタン シャリフ元首相を再追放
野党反発、スト呼び掛け
【イスラマバード10日共同】パキスタン治安当局は10日、1999年のクーデターで失脚、国外追放され、滞在先のロンドンから同日帰国したシャリフ元首相をイスラマバード空港で逮捕、サウジアラビアに再び国外追放した。
パキスタン最高裁は8月、シャリフ氏の帰国を認める決定を出していた。
同氏率いる野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派は10日、追放を違法として最高裁に提訴。
同党とイスラム政党などは支持者らに、11日に全国的なストを実施するよう呼び掛けた。
10月中旬までに実施予定の大統領選で再選を目指すムシャラフ大統領は一層苦しい立場に立たされる虞がある。
核保有国であるパキスタンの政情が不安定化すれば、国際社会の懸念も強まりそう。
欧州連合欧州委員会の報道官は10日、パキスタン政府の対応を批判した。
サウジは、シャリフ氏が2000年に追放された際の受入国。
シャリフ氏は、クーデターを首謀し陸軍参謀長職を兼務するムシャラフ氏との対決姿勢を鮮明にし、年内に行われる予定の総選挙への参加を表明。
解任を図った最高裁長官が7月に復職を果たすなど、ムシャラフ氏の求心力が著しく低下する中、国民の人気が高まっていた。
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'07/09/11の朝刊記事から
「宙に浮いた」年金5000万件
524万件 名前なし 社保庁
社会保険庁は10日、基礎年金番号に統合できず誰のものか分からない年金記録5千万件のうち、名前が収録されていない記録が、1割に当たる524万件あることを明らかにした。
同庁はこうした記録千件を抽出調査した結果、社保庁に残る別の資料ですべて補正することができたとしている。
ただ、こうした記録不備が未統合の一因と見られ、あらためて同庁の記録管理の態勢が問われそうだ。
同日の年金業務・社会保険庁監視等委員会で説明した。
同庁は年内に補正作業を終えた上で、5千万件の記録と全加入者・受給者のデータとの照合を、政府が示した本年度中に完了させる考え。
524万件は、国民年金の1200件余りを除き大半が厚生年金。
名前のみ収録されていない記録が494万件。
名前と生年月日の欠落が29万件。
性別も含めた3項目の記載がないもの3800件あった。
これらは1980年代半ば以前の記録と見られる。
5千万件には、すべて年金手帳番号が記録されている。
抽出調査では、この番号を頼りに、同庁が別に紙で管理する「払い出し簿」などと目視で照合。
その結果、すべての記録で名前などの情報を補正することができたという。