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'07/09/15の朝刊記事から
新首相も後継候補 大統領「5人に当選可能性」
【モスクワ14日藤盛一朗】ロシアのプーチン大統領は14日、来年3月の大統領選に向けた後継人事について、首相に同日就任したビクトル・ズプコフ氏を有力候補の1人とみなすとの見解を表明した。
プーチン大統領は12月の下院選前後に後継指名を行う方針を示しているが、後継候補の具体名に言及したのは初めて。
クレムリン(大統領府)はこれまで事実上の有力候補としてイワノフ、メドベージェフ両第一副首相の政治活動を特別態勢を敷いて後押ししていたが、新たにズプコフ氏を加えたことで、大統領として後継の選択肢を広げた形だ。
南部ソチで開かれた日本、欧州など外国の政治学者らとの会合で質問に答えた。
プーチン大統領は「大統領選に現実的に出馬し、当選の可能性がある人物は、現段階では少なくとも5人いる」と説明。
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'07/09/15の朝刊記事から
ズプコフ氏が首相就任
【モスクワ14日藤盛一朗】ロシア下院は14日、プーチン大統領によるズプコフ金融監視局長の首相任命人事を賛成多数で承認し、ズプコフ氏は同日付で首相に就任した。
採決に先立つ演説では、汚職対策局の創設など重要政策を示した。
ズプコフ氏は、下院での事実上の就任演説で、国民に不満の強い行政や、治安職員の汚職撲滅に力を注ぐ姿勢を強調。
「私が率いた(不正資金を監視する)金融監視局のような組織をつくる必要がある」と述べた。
産業政策では、軍需産業の振興や新技術開発を重視する考えを表明した。
水産やエネルギー資源の輸出では、原料輸出型から付加価値を伴う加工品輸出型への転換を掲げた。
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'07/09/15の朝刊記事から
2島返還論 大統領言及 ロシア
【モスクワ14日藤盛一朗】ロシアのプーチン大統領は14日、南部ソチで日本や欧州の政治学者らと会見し、北方領土問題について、「1956年日ソ共同宣言に基づき、日ロ関係の正常化を図りたいと考えている」と述べ、改めて同宣言に沿って歯舞、色丹2島引き渡しによる平和条約締結方針を示した。
プーチン政権は2001年のイルクーツク声明で、歯舞、色丹両党の引き渡し方針を明記した同宣言を基礎に問題解決を図る方針を鮮明にした。
04年にも同宣言が有効との認識を再表明したが、日本側は国後、択捉両島の返還断念につながると警戒、交渉は不調に終わった。
ロシア政府内には「日本側が拒否した以上、この案は取り下げるべきだ」との強硬論が台頭し、日本側にも「2島返還案は死んだ」(政府筋)との見方が広がる中、プーチン大統領の今回の発言は、10月の日ロ外相会談を前に、交渉解決の基盤として改めて同宣言を重視する方針を強調した形だ。
出席した下斗米伸夫・法政大教授(札幌出身)によると、大統領は、国後、択捉島は「他の極東地方と同様、日本人が行き来できるようにしたい」と表明。
ロシアとしては「(ロシア側解決案に対する)日本側の回答待ち」との認識を示した。