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'07/09/13の朝刊記事から
中国で食品価格高騰
干ばつや家畜伝染病で
【北京12日高山昌行】中国で物価上昇が加速している。
中国国家統計局によると、8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で6.5%上がり、上昇率は1996年12月(7.0%)以来、約11年ぶりの高水準。
とりわけ、異常気象や家畜の伝染病で食品は同18.2%の急上昇で、所得に占める食品支出の割合が高い低所得層を直撃している。
食品では、肉類が前年同月比49.0%、卵が同23.6%、生鮮野菜が同22.5%など軒並み2割以上の値上がりとなった。
一方、食品以外の上昇率は同0.9%にとどまった。
都市・農村別では、都市部の6.2%に対し、貧困層の多い農村部で7.2%と値上がり幅が大きくなっている。
中国は今年、南部を中心に大洪水、北東部では深刻な干ばつに見舞われ、農作物などが大きな被害を受け、食品価格を大きく押し上げた。
また豚の伝染病が大流行し、豚肉価格は今春以降、前年同月比70%前後の急騰が続いている。
北京市内の40代の会社員は「以前ほど肉を食べられなくなった。生活水準が落ちた」と表情を曇らせる。
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'07/09/13の朝刊記事から
ロシア 新首相にズブコフ氏
大統領が指名 内閣は総辞職
【モスクワ12日藤盛一朗】ロシアのフラトコフ首相は12日、プーチン大統領に辞任を申し出、了承された。
内閣は同日付で総辞職し、プーチン大統領は後任首相にビクトル・ズブコフ金融監視局長(65)を指名した。
首相交代は12月の下院選、来年3月の大統領選を前にプーチン大統領が主導した電撃人事との見方が強まる一方、ズブコフ氏はロシア国内でも一般には無名の存在。
大統領後継に有力視されるイワノフ、メドベージェフ両第一副首相は温存された形となった。
下院は14日にズブコフ氏の任命提案を承認し、新内閣が発足する見通し。
新内閣発足まで全閣僚が代行職として任務を続ける。
ズブコフ氏は、財務省次官を経て2004年3月から金融監視局長。
プーチン大統領が1990年代にサンクトペテルブルグ市の対外関係委員長を務めた当時、次長だった。
「プーチン院政」への布石か
【モスクワ12日藤盛一朗】ロシアの12日の電撃的な首相交代・内閣総辞職は、プーチン大統領が12月の下院選、来年3月の大統領選を前に、「唯一の権力者」(野党政治家ヤブリンスキー氏)であることを示し、求心力を一層強めることを狙った動きだ。
「イワノフ第一副首相が首相に昇格する」。
ロシアの有力紙ベドモスチは12日、大統領府筋の情報として首相交代の可能性を伝えた。
フラトコフ氏辞任表明をインタファクス通信が報じたのは、同日午後2時40分。
その後、大統領後継に最有力視されるイワノフ氏昇格の公算が大きいとの見方が盛んに報じられた。
だが、大統領はこうした観測を裏切る人事に出た。
一般にはまったく無名のズブコフ金融監視局長の起用だ。
ズブコフ新首相が大統領後継に浮上する可能性は低いとの見方が強い。
プーチン氏は、イワノフ氏や他の有力後継候補メドベージェフ第一副首相に忠誠を誓わせ、さらに競わせるために後継指名のタイミングを温存したと見られる。
ロシアの政治評論家ニコノフ氏は今回の人事について、プーチン氏が来年5月の任期満了後にいったん大統領職を退いた後、将来の復帰を前提に「院政システムづくりに着手した」動きと見ている。<解説>