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’07/12/04の朝刊記事から
太田大阪府知事出馬断念
府民の批判 読み違え
三選確実とみられていた大阪府の太田房江知事(56)が3日、出馬断念に追い込まれた。
自らの政治資金問題で府民の反応を読み違えたためだ。
国政でも閣僚が次々と辞任に追い込まれた「政治とカネ」を甘く見ていたことは否めない。
11月初旬、東京の後援会事務所の事務所費や、中小企業経営者からの高額講演料をめぐる問題が発覚した当初、太田知事は後援会の領収書の公開を拒否し、記者会見では「法的に問題ない」と突っぱねた。
その後も不透明な政治資金の実態が次々と報じられたが、その度にコメント文の発表だけで済まそうとする姿勢は有権者に「おごり」と映ったのは想像に難くない。
これまで支援してきた連合大阪幹部や府議からは「太田知事では選挙ができない、という電話が鳴りっ放し」「地元に帰ると支持者から『太田知事を推すのか』と怒鳴られる」(公明府議)との悲鳴が聞こえた。
府民の反発は強かった。
太田知事は11月20日の記者会見で「府民は高い倫理観を求めている」とようやく謝罪したが、遅きに失した。
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’07/12/04の朝刊記事から
万能細胞研究に数億円
科学技術振興機構 京都大に緊急支援
文部科学省の研究費を配分する科学技術振興機構は3日、山中伸弥京都大再生医科学研究所教授らが世界で初めてヒト皮膚細胞から万能細胞を作製したことを受け、研究者の増員や研究スペースの拡大、特許取得などに数億円の緊急支援を行うことを決めた。
今年度の研究費は5500万円だったが、一気に数倍の規模となる。
論文発表から2週間足らずでの研究費追加は異例。
欧米との特許競争意識
山中教授らが作製した人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、身体の多様な細胞に変わる能力があり、再生医療応用が期待されている。
従来の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)が受精卵から作られるのに対し、生命倫理問題が少なく、患者自身の細胞から作ることができ、実用性が高い。
山中教授らは、マウス段階では先行していたが、ヒト段階では米大学チームに追い付かれており、現状の研究規模では安全性向上技術などの開発で欧米に抜かれ、先に特許を押さえられてしまう虞があると訴えていた。
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’07/12/04の朝刊記事から
豪、京都議定書を批准
新政権で転換 米の孤立鮮明
【シドニー3日共同】オーストラリアのラッド新首相は3日、地球温暖化防止のための京都議定書を批准する文書に同日署名したと発表した。
文書が国連に届いてから90日後に正式に議定書メンバー国となる。
新首相は、議定書批准を政権獲得後の重点公約としており、3日の内閣発足と同時に実行に移した。
米国とともに批准を拒否していたオーストラリアの方針転換で、議定書拒否を続けるブッシュ政権の国際的な孤立が鮮明になった。