’07/12/22の朝刊記事から
沖縄集団自決「軍強制」明記認めず
教科書検定審小委「要因は複合的」
沖縄戦の集団自決をめぐる高校日本史の教科書検定問題で、教科書会社からの訂正申請を審査している教科用図書検定調査審議会の日本史小委員会が、「日本軍の強制」を直接的に記述する訂正は承認すべきでないとする方針を固めたことが21日、関係者の話で分かった。
集団自決の背景には、軍の存在を含む「複合的な要因」があるとの見解でまとまった。
複数の教科書会社は小委の方針に沿って、訂正申請を出し直しており、表現で最終調整している社もあるという。
軍の強制を示す表現は難しい情勢となり、沖縄県側からは反発も予想される。
渡海紀三朗文部科学相は、来週中に示される検定審の結論を踏まえ承認の可否を決めるが、経緯を説明する談話を出し、理解を求めるとみられる。
関係者によると、小委はこれまでの会合で、10人近い沖縄戦の専門家から提出を受けた意見書を検討。
その結果、軍の強制性を示す記述を認めなかった当初の検定意見の撤回や変更は必要ないと判断した。
その上で、集団自決には、住民が戦闘に巻き込まれたり、軍から手榴弾を配布され捕虜にならないよう教え込まれたりした事実などの複合的な要因があり、沖縄戦を総体としてとらえる記述が望ましいとの見解で一致した。