’07/12/21の朝刊記事から
万能細胞 京大に研究拠点
文科省 来年度予算 数倍に
文部科学省は20日のライフサイエンス委員会で、山中伸弥京都大教授らが開発したヒト人工多能性幹(iPS)細胞の再生医療応用研究を加速させるため、京大に研究センターを新設するとともに、関連研究者を集めた「コンソーシアム」を組織する方針を固めた。
25日に京都市内でシンポジウムを開き、研究者に参加を呼び掛けるほか、具体的な研究テーマも公募する。
iPS細胞研究の本年度の生命倫理の研究費総額は約2億7000万円だったが、来年度は数倍以上に増額する。
コンソーシアム内では、iPS細胞を原則として無償で提供し合えるようにするほか、特許を確保するため、科学技術振興機構が専門家を京大に派遣する。
長期的な研究推進方針は、ライフサイエンス委の下に「幹細胞・再生医学戦略委員会」を設けて策定し、iPS細胞を精子・卵子に分化させる研究の規制制度などは同省の専門委員会で引き続き検討する。
ライフサイエンス委には渡海紀三朗文科相も出席し、「オールジャパンの体制で、iPS細胞を人類のために役立てていただきたい」と要請。
委員らからは、山中教授が海外の研究機関にヘッドハンティングされる虞があり、給料を3倍にするなどの待遇向上も必要との意見があり文科省側は京大に検討を求めていることを明らかにした。