’08/01/17の朝刊記事から
再生紙はがき 製紙5社配合率偽る
40%規定の半分以下
日本郵政は16日、グループ傘下の郵便事業会社が扱うすべての再生紙はがきで、用紙を納入する日本製紙、王子製紙など計5社が古紙配合率を偽り、郵政側が契約で規定した40%を大きく下回っていたことを明らかにした。再生紙が使用されているのは、年賀はがき、普通に使用する通常はがきや往復はがきなど。”偽装”が長期間行われていた可能性もある。
再生紙はがきの用紙を郵政側に納入しているのは、大王製紙、三菱製紙、北越製紙を加えた計5社で、日本製紙が生産した2008年用の年賀はがきに使う再生紙で問題が発覚したのが発端。
08年用年賀はがきについては、日本製紙が50%強のシェアを占め、北越、三菱と続く。いずれも印刷会社を通じて古紙配合率40%の用紙を使う契約を結んでいるが、日本郵政が5社に確認したところ、最高で20%、最低が日本製紙の1%にとどまっていた。
年賀はがき以外のはがきでの再生紙利用は、1992年9月発行の広告付きはがきから。その後、96年用年賀はがき、2003年度からの通常はがきや往復はがきなどに広がった。日本郵政の納入各社などからの聞き取り調査で年賀はがき以外でも配合率を偽っていたことが判明した。
日本製紙社長 辞任へ
日本製紙は16日、再生紙として製造した全製品の古紙パルプ配合率を調査した結果、既に判明している年賀はがきのほか、コピー用紙なども基準とする配合率を下回っていたと発表した。はがきについては1992年の暑中見舞い用から不正を続けていた。同日記者会見した中村雅知社長は偽装を黙認していたことを認め「国民の信頼を裏切った事実を深刻に受け止め、深くおわびする」と謝罪。引責辞任する考えを明らかにした。
不正を続けた理由について、中村社長は「古紙配合率を高めると、自社技術では品質を犠牲にしなければならず、品質を優先した」と釈明した。また、「要求される品質が高く、配合率を上げるのは容易ではなかった」と述べた。