★ 前回のエントリで書いたが、今、西尾幹二氏の話題の本「保守の真贋」を読んでいる。
特に前半はわかりやすく、思っていてもなかなか言えない、書けないことがズバッと書かれている。
せめて「目次」を転載しようとアマゾンその他を見たが「目次」はなかった。
西尾氏の新しいサイト(以前のサイトから引っ越しをされたようです)を見たらキチッとありました。
https://ssl.nishiokanji.jp/blog/
★ 昨年末にも西尾氏はこのように話しています。・・・「危機を国民に知らせないといけない」
【特番】平成二十八年 年末特別対談 - 西尾幹二氏と語る[桜H28/12/30]
西尾幹二著『保守の真贋』(徳間書店)
目次
第一部
・ 日本を窒息させている自由民主党と保守言論知識人
一 「安倍さん大好き人間」はどのようにして生まれ、日本政治をどう歪めたか
──二〇一七年の状況を踏まえて
二 第一次安倍政権誕生の頃に私はすでに彼の正体を見抜いていた
・ 日本列島が軍事的に脅迫されている情勢下で
ついに出された憲法改正への安倍新提案(二〇一七年五月三日)
一 思考停止の「改憲姿勢」を危ぶむ
二 相手の剣幕にひるむ日本外交
三 岸田文雄外相の器を問う
──今ほど政治家や官僚たちの見識、勇気、人格が問われているときはない
四 アメリカへの依存は動かぬ現実、依存心理が日本の問題
五 安倍首相、なぜ危機を隠すのか
──中国軍機の挑発に対して
・ 首相に妄信追従するエセ保守を弾劾する
加藤康男・西尾幹二緊急対談
・ 保守とは何か──私の主要発言再録
一 生き方としての保守
二 日本に「保守」は存在しない
三 「日本会議」について
四 天皇は消えない
五 宣戦布告を誰がするのかを考えていない
憲法改正なんてあり得るのか
第二部
・ 現代世界史放談
一 広角レンズを通せば歴史は万華鏡
二 オバマ広島訪問と「人類」の概念
三 世界の「韓国化」とトランプの逆襲
四 イスラムと中国、「近代」を蹂躙する二大魔圏
・ 歴史の病原体とその治療
一 現在に響くGHQの思想的犯罪
二 ジャパン・ファースト・の出発点は歴史教科書運動だった
あとがき
民族の生存懸けた政治議論を 保守の立場から保守政権を批判する勇気と見識が必要だ
平成28年8月18日産經新聞「正論欄」より 評論家・西尾幹二氏
今でも保守系の集会などでは当然ながら、安倍晋三政権を評価する人が少なくなく、私が疑問や批判を口にするとキッとなってにらまれる。「お前は左翼なのか」という顔をされる。今でも自民党は社会体制を支える最大級の保守勢力で、自民党の右側になぜか自民党を批判する政治勢力が結集しない。欧州各国では保守の右側に必ず保守批判の力が働き、米国でもトランプ一派は共和党の主流派ではなかった。先進国では日本だけが例外である。
≪≪≪仲良しクラブでは窒息死する≫≫≫
日本政治では今でも左と右の相克だけが対立のすべてであるかのように思われている。民主党も民進党と名を変え、リベラル化したつもりらしいが、共産党に接近し、「何でも反対」の旧日本社会党にどんどん似てきている。ここでも左か右かの対立思考しか働いていない。自民党も民進党もこの硬直によって自らを衰退させていることに気がついていない。
それでも国内の混乱が激化しないのは、日本は「和」の国だからだという説明がある。まだ経済に余裕があるからだとも。米国のある学者は、世界では一般に多党制が多く、二大政党制を敷く国は英国をモデルにしたアングロサクソン系の国々で、ほかに一党優位制を敷く国として、日本やインドを例に挙げている。自民党を喜ばせるような研究内容である。
しかし選挙の度に浮動票が帰趨(きすう)を決めている今の日本では、一党優位制が国民に強く支持されているとは必ずしも言えない。仕方ないから自民党に投票する人が大半ではないか。党内にフレッシュな思想論争も起こらない今の自民党は日本国民を窒息させている。
「受け皿」があればそちらへいっぺんに票が流れるのは、欧米のように保守の右からの保守批判がないからだ。左右のイデオロギー対立ではない議論、保守の立場から保守政権を正々堂々と批判する、民族の生存を懸けた議論が行われていないからである。
保守政党が単なる仲良しクラブのままでは国民は窒息死する。一党優位制がプラスになる時代もあったが、今は違う。言論知識人の責任もこの点が問われる。
≪≪≪保身や臆病風に吹かれた首相≫≫≫
私は安倍首相の5月3日の憲法改正案における第9条第2項の維持と第3項の追加とは、矛盾していると、6月1日付の本欄で述べた。そのまま改正されれば、両者の不整合は末永く不毛な国内論争を引き起こすだろう、と。
今は極東の軍事情勢が逼迫(ひっぱく)し、改正が追い風を受けている好機でもある。なぜ戦力不保持の第2項の削除に即刻手をつけないのか。空襲の訓練までさせられている日本国民は、一刻も早い有効で本格的な国土防衛を期待している。
これに対し、首相提案を支持する人々は、万が一改憲案が国民投票で否決されたら永久に改憲の機会が失われることを恐れ、国民各層に受け入れられやすい案を作る必要があり、首相提言はその点、見事であると褒めそやす。
さて、ここは考え所である。右記のような賛成論は国民心理の読み方が浅い。憲法改正をやるやると言っては出したり引っ込めたりしてきた首相に国民はすでに手抜きと保身、臆病風、闘争心の欠如を見ている。外国人も見ている。それなのに憲法改正は結局、やれそうもないという最近の党内の新たな空気の変化と首相の及び腰は、国民に対する裏切りともいうべき一大問題になり始めている。
≪≪≪保守の立場から堂々と批判を≫≫≫
北朝鮮の核の脅威と中国の軍事的圧力がまさに歴然と立ち現れるさなかで敵に背中を向けた逃亡姿勢でもある。憲法改正をやるやるとかねて言い、旗を掲げていた安倍氏がこの突然の逃げ腰-5月3日の新提言そのものが臭いものに蓋をした逃げ腰の表れなのだが-のあげく、万が一手を引いたら、もうこのあとでどの内閣も手を出せないだろう。
国民投票で敗れ、改正が永久に葬られるあの幕引き効果と同じ結果になる。やると言って何もやらなかった拉致問題と同じである。いつも支持率ばかり気にし最適の選択肢を逃げる首相の甘さは、憲法問題に至って国民に顔向けできるか否かの正念場を迎えている。
そもそも自民党は戦争直後に旧敵国宣撫(せんぶ)工作の一環として生まれた米占領軍公認の政党で、首相のためらいにも米国の影がちらつく。憲法9条は日米安保条約と一体化して有効であり、米国にとっても死守すべき一線だった。それが日米両国で疑問視されだしたのは最近のことだ。今まで自民党は委託された権力だった。自分の思想など持つ必要はないとされ、仲良しクラブでまとまり、左からの攻撃は受けても、右からの生存闘争はしないで済むように米国が守ってくれた。
しかし、今こそ日本の自由と独立のために自民党は嵐とならなければいけない。保守の立場から保守政権を堂々と批判する勇気と見識が今ほど必要なときはない。(評論家・西尾幹二 にしおかんじ)
★ そして産経新聞にはもうひとつ西尾氏の記事が載った。
http://news.livedoor.com/article/detail/13532126/
・・・リンクをクリックで読むことができます。
★ 西尾氏は今言い始めたのではない。ずっと前から警告を出し続けていた。
また西部邁氏、三宅博氏、三橋貴明氏、佐藤健司氏・・・それぞれ保守といっても立場を別にすると思える方々も「憂国」の気持ちから安倍政権批判をしていた。それは本当に誠心誠意のものだった。
西尾氏は「拉致問題」のことも「討論」の最中で隣の席にいる三宅博氏にご自身の知らなかったことも謙虚に質問されており、「私は知らなかった」と仰ったこともかえって敬意をもった。
★★ インドに円借款1900億円 首相、首脳会談で表明へ
2017/9/14付日本経済新聞 朝刊・・・また・・・日本の防衛におカネをつかってください!!
ところで前回の「プライムニュース」の西部邁氏のお話を聴いた方がメッセージをくださいました。
・・・西部さんの発言で、昔最初に「JAP」を聞いた時はビックリしましたが、
今は「JAP」の使い方は非常に効果的・真実的な使用法だと思います。
その他の発言も実に正論です。
今回の中谷氏の発言は、WGIPの残滓が効いているのが大きいのと、一般国民の多くが
「JAP」ですから、議員を続ける(当選する)にはあのような発言に成るのだと思います。
もし有権者が「JAP」で無ければ、あの故三宅議員が落選することは、無かったでしょう。
高山氏の本には、帝国主義時代如何に白人(他に支那朝鮮人も)は過去に残虐だった
かを幾度と無くコラムに述べていますが、過去英仏の核に特に意識して危惧不安を覚え
無かったのは、自分だけでは無いと思います。何が言いたいかと言うと、
支那朝鮮人が持つと不安に成るのは、やはり消えない残虐な民族性が大きいからだと思っています。
戦後日本の常識に成ってしまいましたが、メアさんが「日本は唯一の被爆国ですから」
と日本人と同じような事を言っているのには落胆しました。
それを言うなら「日本は“戦争での”唯一の被爆国ですから」と何故言えないのか!?
(以上、ご紹介まで)
★★ 自民党ではないが「保守」と称しながら全くひどいのもいる。なんでもありで手段を選ばない下品さに辟易している。
それは「保守」どころか・・・あるまじき怠慢・嫉妬・傲慢・手段を選ばぬバカな言動。
その人物の講演では大言壮語・卑猥な物言いなど毎回、下品だ。
ずうずうしくも「軍人」という言葉を好んで多用しているが、まさか自分の本当の姿がわからなくなっているのでは? チャーチルなど過去の有名人の名前も好きなようだ。
話す時は態度がでかい!!
私は単なる「好き嫌い」で書いているのではない。自分で書きながら怒りに震える!!
こういう人に惑わされてはならない。保守でもなんでもない。
その元議員は自分自身にcomplexがありその反動だろうか?
ブログのティールーム
20世紀前半に活躍したイタリアのソプラノ歌手、パンパニーニが歌う「つばめは巣に」
"Rondine al nido." Pampanini sings a famous Italian song. 1930's
1930年の録音、イタリアを代表する名ソプラノだった。
(このころドイツではマックス・ローレンツやソプラノのミュラー、フラグスタートがヴァーグナーを歌い、活躍していた)
この曲は1990年にローマでパヴァロッティが歌っている。
Pavarotti- Rondine Al Nido- Roma 7/7/1990