簡単だけれど、入院・手術のことを書こうと思った。
私もネットで検索したり、どのようなものかを知りたく思ったが、結局、医師を信頼することにして、検索をやめた。
それは主治医に「ネットで検索しても、書かない人のほうが多いのですよ、人それぞれ違いますから」と言われた。
ここでは私の思ったことなどをメモのように書いた。
7月21日(日曜日)
午後から入院、ここまで電車で来る。荷物が重い。旅行用の車付きの鞄だけれど車輪が2つしかない古いものだから。
日曜なので医師は来ない。パソコン持ち込んでいるので参議院選挙のことなど調べる。
夜になると選挙が気になり、ついに1000円でテレビカードを買う。少しだけ見る。
夕食はたっぷりあって、お味も薄味。健康食、タニタ食堂にでも来たつもりで全部食べる。
選挙の結果を見届けてベッドに横になりすぐに寝てしまう。
そうそう、私の病名だけれど、 http://kotobank.jp/word/%E7%B5%90%E7%AF%80%E6%80%A7%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E8%85%AB 、
細胞診や血液検査、CTもしたけれど、良性の腫瘍とのこと。
でも細胞診ではわからないガンなどが開いてみて見つかることがあるという。
私はセカンドオピニオンの先生のところにも行っておいた。同じ意見だった。
そこで「医者にかかって悪くなることはない!」と思い、手術の決心をした。
手術日前日 7月22日(月曜日)
午前中に血液検査(・・・入院前もした)
そして点滴、これは翌日の手術に備えてということだった。
「針が太いので痛いですよ」・・・そんなことで負けないわよ!!って心で思った。
「明日の手術では首の皮をめくって~」と怖い怖い説明をする。
怖かったがそんなことでひるんでは女ではない。
勝手な言い分を心の中でしながら、全身麻酔だから大丈夫、と思い込もうとした。
シャワーでは髪も洗っておいて下さいとナースに言われる。
私は毎日シャンプーしているけれど・・・。
(それに入院前に美容院に行き、背中まであった長い髪をショートカットにした。)
手術当日
ついに手術日、騒がず恐れず、だった。
7月23日(火曜日)
午前中は血液検査、点滴2種類、
朝から食事はもちろん、水も飲まないで手術の時間を待った。
妹と友人がきてくれた。
この友人というのは子どものころからの親友。面白い主婦である。
そして午後、手術室に歩いて行った。
手術室では多くの看護師が完全防備のような姿で待ち構えていた。
私は麻酔の点滴を受け、そのまま眠った。
「終わりましたよ」と看護師さんの声がした。
リカバリ室に入れられて点滴を受けていた。酸素マスクもしている。
このまま動いてはいけない、最初の3時間は寝返りも禁じられた。
1分どころか10秒もノロノロと時間が経過するようで、じっとするのがこんなに
苦しいのかと思った。
3時間過ぎて、トイレに行ってもいいといわれ、ヨロヨロしながら立ち上がり歩いた。
めまいがする。看護師さんが支えて下さった。
リカバリ室に戻り、少しだけお茶を飲んだ。
喉のまわりは氷で冷やされ、熱が少しあった。
そのまま3時間、医師が「ベッドの上でゴロゴロしていてください」と言う。
ゴロゴロなんて狭いリカバリ室のベッドの上でできるものではない。
点滴もついたままだ。
痛いし喉も乾く。そしてこの状態をパソコンで検索して調べたいとも思ったけれど、思っただけだ。
カーテン越しに妹と友人が声をかけて「もう帰る」と言う。
私は声を出せないのでうなづいた。
点滴が終わってそのまま、どうして自分の病室に帰ったのか覚えていない。
明日は「アンカー」がある。
どうしてもUPしなければ、と思いながら眠った。
手術翌日
7月24日(水曜日)
病室に朝日が差し込んできて、看護師さんが体温を測り、点滴をした。
そして静かに起き上がり「おかゆ」を食べた。
のみ込むと痛い。
薬を飲み、そのままベッドに寝た。
顔はまだ洗えない。蒸しタオルを渡されて拭く。
肌がしっとりしているのも手術前夜に「高級クリーム」を塗ったせいかしら。
そのまま点滴があるので寝ていた。
「夜はパソコンができますか?」と小声できくと「少しならね」と医者は言う。
夜はパソコンを出して、「アンカー」を無事にUPした。
昨日の分は手術前に書いておいた。
もし、UPできなかったら許してほしい、と。
そして夜はまた点滴があり、体温測定で熱はさがった。
私の病室の下にお寺が見える。
そのことを友人に言うと「この病院はどの部屋の下も全部お寺がある!ここだけじゃないよ!!」って
メチャクチャ言った。
子どもの時からの友人で、お見舞いに来ているというよりも、からかいに来ている、
おかゆしか食べられない私に、豪華な食事の写真がいっぱい写った雑誌を見せつける。
そしてベッドに強制的に「熊」のぬいぐるみを置く。
「あんたが勝手なことせんように、熊のぬいぐるみが見張っているんや!」と言う。
そして勝ち誇ったように笑って帰った。
7月25日(木曜日)手術から3日目
昨夜、病室のベッドから美しい月が窓越しに見えた。
あまり美しいので見上げたら痛かった。
「アホ!」と友人は怒った。
看護師さんは「わざとじゃなかったから、いいですよ」と言う。
主治医が「予定通り、土曜日に退院です」と言う。
友人が心配して「どうでしたか」と聞くと、
「あなたには何も話しません、あなたには話はありません!!」と言う。
その様子がおかしくてピアニッシモ(最弱音)で笑ってしまった。
身内ではないので話してはいけないということらしい。
昨日、妹が主治医にきくと「何も心配ありません。きれいなものです」と言ったそうだ。
友人は主治医のあわてたふりを大笑いしていた。
7月26日 手術から4日目
朝、一番にシャワーの申し込みをした。
待ちかねたシャワーである。さっぱりした。
血液検査をすまし、荷物をまとめる。
あとは今日のパジャマと明日の洋服を出しておく。
歩数計を付けて病院内を歩く。
はやく家に帰りたい。
明日はいよいよ退院、午前中に帰宅し、父の命日だからきれいな花を供えたい。
というわけで翌日はお世話になった方々にご挨拶して、帰った。
そして、本日は退院後、5日目、何とか暮らしている。
やはりまだ痛いし、声は怖くてあまり出せない。
毎日3000歩しか歩いていない。
問題は歌えるかどうか・・・。
それは急いではならない。
悲観するのはやめようと思う。
歌えなくなるのは悲しい、でもそれは今書いても仕方がない。
生涯、音楽に生きるのは同じ、私のうれしい宿命なのだから。
入院中のレポート、「喉近くに開けた穴から出ている管からの出血を受けるタンクみたいなーーーー」は、鳥肌が立つと同時に笑ってしまいました。
声楽家/小説家 のベッラさん、退院お目出度う。
いつもお励まし頂きありがとうございます。
お礼に次のエントリでアイザック・スターンが文革後に
シナに行ったドキュメント映画をUPしました。
今とは状況が違い、貧しいシナですが、映画は感動的です。もしよろしければ・・・と思いまして。
確定は細胞診の結果待ちになるのかもしれませんが、
悪性の疑われるものはないということで良かったですね。
何もせずに時間を忘れるくらい寝ていたい!と
健康なときには我儘を思ったりしますが、
実際に入院し絶対安静を強いられると、
これほど苦しいことはないですね。
>10秒もノロノロと…
という言葉は本当に実感が籠っていて激しく同意いたしました(笑)
ゆっくりお風呂に入りたい!
炊きたてのご飯が食べたい!
窓を全開にしてお洗濯にお掃除したい!
日常が送れる有り難さを噛みしめますよね。
ベッラさまのお身体を心配しながら、
旅立たれた日にベッラさまが無事にお帰りになられるのを、
お父さまは楽しみにされておられたと思います。
間に合って良かったですね。
自宅では温度湿度のコントロールができますが、
お買いものや乗り物、公共の場所では
冷えすぎ乾燥している場所も多くあります。
くれぐれもお身体、そして喉をお大事にしてくださいね。
父の命日にきれいなお花を飾れて、ほっとしました。
お花がない命日なんて申し訳なくて。
それにお供えもです。
本当に「10秒」もゆっくり感じました。
身動きしてはいけない3時間、次の3時間はリカバリ室の
少し狭いベッドで「ゴロゴロしていい」と言われた時の
どうしょうもない気持ち、合計苦しい6時間でした。
ご心配をおかけしました。毎日首の傷を大判のハンカチを
結んで隠しています。
ちょっとオシャレなようで気に入っています。
日焼け止めにもなるし・・・。
やはりお医者さんを信頼してよかった、
声楽家ならみんな悩むところでしょう。
今、少し声を出してみました。
ただしドからラまでです。
小さな声でおそるおそる歌ったのでさっぱり判断
できませんが・・・。
実は手術する前にパソコンに私の歌を録音して
聴いて頂こうと思ったのですが、メカ音痴なもので
あっというまに入院の日がきてしまいました。
まったく「喜劇」です。
今は養生しながらおとなしくしています。
妹が私が新しく買ってきた日の丸を見て
「お願いだからデモなど行かないでよ、危ないから!」と言うのですが、「『尖閣』から行っている、そのために買ったのよ!」って言い合いになって(笑)。
でもベッラさま、とっても冷静。そして手術後すぐにブログアップ、すごいです!
ご友人楽しい方ですね。
お父様の1周忌間に合ってよかったですね。天国から見守ってくださっていたと思います。
手術してまだ1週間も経っていません、どうか無理なさらず、養生してくださいませ。悪性でなくてよかったです。
いつものお元気なベッラ節を拝見し、私も元気をもらえます。ありがとうございます。お大事に!
ゆっくり過ごしています。
重いものを持ったりするのは控え、
散歩に行ったり買い物に行ったりしています。
面白い友人でしょ?
参議院選挙も期日前投票に行っていました。
結果は気になってテレビ見ました。
まだ歌っていないのですが一か月は様子を
見ようと思っています。
今は小声で話しています。
元気ですのでご安心下さい。