国民楽派を聴いてもらう講義で、選んだ作曲家は5人。
ドヴォルザーク
チャイコフスキー
リムスキーコルサコフ
ボロディン
ムソルグスキー
50名くらいの大学生に、好きな作曲者を選んでもらい、特にどこに、どのような曲にひかれたかを書いて提出してもらった。
やはりチャイコフスキーが多いのだが、この5人だと選ばれない人はいなかった。全員にファンがつく、幸せな状況だった。
それで、チャイコフスキーも、以下の曲を聴くように指定した。
交響曲第4、5、6番
ピアノ協奏曲
ヴァイオリン協奏曲
白鳥の湖
くるみ割り人形
眠れる森の美女
一番人気は《くるみ割り人形》。
やはり名曲中の名曲ということだ。
で、次が《眠れる森の美女》なのである。《白鳥の湖》を選んだ人は一人もいなかった。
半世紀前なら、確実に白鳥湖が人気だったのではないだろうか。
以前にも書いたかもしれないが、《眠り》は「マイム」を理解しないと意味不明になりやすい。バレエ3作の中で、ストーリーも一番複雑、それを反映して音楽も複雑である。
正反対に白鳥湖は単純明快なストーリーに、単純明快な音楽。わかりやすいこと、この上ない。
それが原因かどうかはわからないが、眠りを複数の学生が挙げていたので、少々驚いた。
私としては嬉しい結果だが、《白鳥の湖》も名曲ですよー、と言ってまわらないといけない時代が来たのか、ちょっと胸中は複雑である。