その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

大河・紅葉・見仏 ~鎌倉日帰り旅(3)~

2022-12-19 07:19:54 | 旅行 日本

3つ目のテーマは見仏。鎌倉の仏さまは鎌倉・室町期の仏像の宝庫。国宝や重文やらのお墨付き無くとも、どれも魅力的です。

【円覚寺】

北鎌倉駅横に位置する円覚寺。鎌倉時代後期に創建され、鎌倉五山第二位の禅宗寺院。いかにも禅宗のお寺らしい境内の落ち着いた雰囲気が好きです。目的の仏さまは仏殿に。足を踏み入れると中央に堂々と宝冠釈迦如来坐像。安心して心身を委ねたくなる威厳と落ち着き。日常の雑事がすーっと抜けていく感覚に浸れます。

 

【円応寺】

円覚寺から鶴岡八幡宮に向かって10分ほど歩いて円応寺へ。閻魔大王を本尊として智覚禅師により建長二年(1250年)に創建されたお寺です。小さなお寺ですが、なかなかユニークで好きなお寺です。お堂の中心に閻魔大王が座し、その周りを十王(亡者が冥界で出会う10人の王)が囲みます。閻魔大王の厳しい顔ももちろんですが、十王の表情がなんとも可愛い。背筋が冷えるのと同時に思わず微笑みたくなるような不思議な雰囲気の空間です。

 

 

【鎌倉国宝館】

以前から行きたかったのですが実現せず、今回初めて訪れました。非常によくできていて、落ち着いて仏像鑑賞できるミュージアムです。入って右側は平常展示「鎌倉の仏像」の展示エリア。中央に薬師三尊が立ち、その周りを十二神将が取り囲みます。2体の阿弥陀如来像も良かったなあ。

会場左半分は、シリーズで展示されている特別展「北条氏展」が開催中でした。vol4として「北条義時の子どもたちー鎌倉時代を築いた一門―」とのタイトルで御成敗式目、無学祖元像(重文)などが展示されてました。写真撮影が一切禁止なのが悲しい・・・

 

【覚園寺】

前回/前々回のポストで紹介済みですが、敷地奥に位置する歴史感じる薬師堂の空間は格別です。中央に本尊薬師如来、左右に月光菩薩、日光菩薩。廻りに十二神将が配され、実に神々しい。お寺の方の解説もついています。

 

【杉本寺】

この日の2つめの初訪問地は杉本寺。鎌倉最古仏地というのが売りです.。天平 六年(734年)建立とのこと。ここが予想外の見仏冥利に尽きるお寺でした。

入口には運慶作と伝わる仁王像が力強く立っています。石段を登って、県重要文化財の本堂に中に、見所満載の仏さま達が鎮座されてます。本尊の十一面観音は奥まった小さなお堂に入っているので、遠く小さくしかわかりませんが、前立の十一面観音や脇立ちの不動明王、毘沙門天王が手に触れる距離でリアルな仏さまが拝めます。運慶作の地蔵菩薩や快慶作の地蔵菩薩もいらっしゃいます。仏好きにはたまらない空間です。

 

まだまだ廻れていないお寺、仏様が鎌倉にはまだまだあります。来年また見仏ツアーを計画したいと思います。

2022年12月2日

(おわり)

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