フグさんの雑記帳

さいたま市の荒川河川敷を主なフィールドとして四季を綴っていきます。

半夏はカラスビシャクの球茎を薬用にした漢方の名前です

2012年07月01日 16時45分54秒 | 花の和名


仏炎苞をカラスが使う柄杓に見立てたのが名の由来

今日は唯一、七十二候と雑節とが重なる半夏生(はんげしょう)という。
七十二候は二十四節気のそれぞれを3分割して詳細に記述し、第三十候が「半夏生ず」。雑節は二十四節気以外の季節の移り変わりの目安となる日で土用や節分がポピュラーで、夏至から11日目が半夏生だ。


大きい3小葉をつける葉柄はすべて根生する

ところで半夏はカラスビシャクの球茎の漢方の呼び名でカラスビシャクの別名だ。当然「半夏生ず」とはカラスビシャクが目立ち始める頃との意味だが、葉柄の途中や小葉の基部に珠芽(ムカゴ)をつけて増えるのは仏炎苞の形と共に面白い。

ドクダミ科のハンゲショウは葉の半分を白くするので半化粧とも、半夏の頃に花をつけるので半夏生とも記され、本家のカラスビシャクをしのいでいるようだ。


花穂が地味なので葉を白くして虫を呼ぶハンゲショウ
花は4裂した雌しべと6個の雄しべのみ

さいたま市の荒川堤と水田の花に6.27レポートの田んぼの希少種のオオアブノメに出会えましたをアップしました。


小石川植物園と東御苑で見たオカトラノオ

2012年06月26日 19時15分23秒 | 花の和名

久し振りに小石川植物園と東御苑に行ってきた。
オカトラノオを見たくて小石川植物園ではまず分類標本園に向かった。ビックリした事にオカトラノオのすべての花穂が上を向いていた。


花は咲き上っていて決して若い穂だけではないようです

花冠や葉などをよく見たが、オカトラノオの特徴的なものはなくさりとてサワトラノオではない。しばらく見ていたが上品な感じから勝手に亜種宮廷トラノオを誕生させた。


花付きが適度で何となく和やかです


ラッキーにもオカトラノオの近くに来たミヤマカラスアゲハ

東御苑ではハンゲショウが最盛期のようで荒川河川敷より早い。3ヶ所に群生していたオカトラノオはどれも花穂は曲がって、葉は幅広で先が尖り、葉柄の付け根は赤く納得のオカトラノオだった。


花付きも見事なオカトラノオの花穂


ハンゲショウが葉を白く染め始めました

2012年06月24日 10時06分58秒 | 花の和名

河川敷でハンゲショウが葉を白くし始めた。花が目立たないので葉を白くして虫を引き寄せるという。夏至から11日目(七十二候の第三十候)の半夏生の頃に葉が白くなるのが名の由来だが、それにしては1週間は完全に早い。

ハンゲショウ(半夏生)はドクダミ科の多年草で半化粧とも書き、カタシログサ(片白草)の別名もあるが、チョット複雑なのはハンゲはカラスビシャクの別名で漢方での呼び名という事だ。


垂れ下がった細いのが花穂

カトラノオ属の自然交雑種のイヌヌマトラノオが農道脇や畔にたくさん見られる。ヌマトラノオの要素が強いのは同じだが場所によって花穂の形に大きな違いがある。丸かったり円筒形だったり病気ではないかと思うほどのもある。葉に虫こぶも付き易いようだ。


花穂はオカトラノオに似るのが多い


花穂の形はノジトラノオに似る

田島ケ原サクラソウ自生地二十四節気に夏至の自生地のオカトラノオ属はほとんどがイヌヌマトラノオをアップしました。


除草が始まり堤防は夏の装いに変化していきます

2012年05月12日 07時31分11秒 | 花の和名
堤防の除草が始まっていた。現在はタデ科のスイバの天下だがこれでギシギシの世界へと移り変わる。


9日の秋ヶ瀬グランド横の堤防風景

スイバは雌雄異株で風媒花を観察するにはいい対象というが、今の時期は痩果を包んで団扇状に成長した花被をたくさんつけている雌株が目立ち、雄株はあまり見あたらない。
人里の植物は堤防の除草の時期にはいち早く種子を作って次世代を残しているようだ。


6本の雄しべから黄色い葯をぶら下げる雄花
小さな雌花は毛糸のような柱頭で花粉を受ける

スイバ(酸い葉)は別名スカンポ。葉や茎がしゅう酸を含み酸っぱいのが名の由来。同じく若い茎をかじると酸っぱいイタドリの別名もスカンポだ。
1925(大正14)年に発表された北原白秋作詞、山田耕筰作曲の「酸模(スカンポ)の咲く頃」の「土手の酸模ジャワサラサ 昼は蛍がねんねする ・・・」はさすが一世を風靡した詩人の発想だ。


スイバは早春から飛び交うベニシジミの食草です


大荒れの6日でしたが、荒川土手で初夏の一時を過ごしました

2012年05月07日 19時19分25秒 | 花の和名
6日は天候が不安定で所によっては雷雨の予報が出ていた。
上尾の自然学習館で猛烈な豪雨に見舞われたが、しばらく待ったら止んだので帰路についた。自転車は雨に弱い。最初は雲行きを眺めながら恐る恐る進んだ。次第に青空が広がり、道路の濡れ方が少なくなって上江橋辺りでは降った形跡も無くなった。


増えすぎたハルジオンは要注意外来植物です

土手に座って少し遅い昼食タイムで辺りを観察して回った。ハルジオンが全盛で白い花を揺らしピンクもあった。オヘビイチゴの黄色い花も多く、カラスノエンドウはもう豆果を付けていた。マツバウンランは今年初見参。笹目川の白幡で大繁茂している特定外来生物のオオカワヂシャもあった。


さいたま市でも多くなったマツバウンラン
生態系を乱すため駆除すべき外来生物のオオカワヂシャ

ヒバリが舞い上がっても何故か低空で止まってまた舞い降りる事を繰り返していた。

羽根倉橋辺りまで来ると後ろの方で雷鳴が聞こえた。振り向くと青黒い何とも言えない不気味な空が一面に広がっていた。
帰宅して、しばらくするとバラバラと大きな音と共に大粒の雨と雹がガラス窓を叩き、地面に弾んだ。
夕方のニュースでは茨城県の竜巻被害を報じていたが、何とも凄まじい光景で言葉も無かった。