それぞれ晩秋からの河川敷では華やかに見える果実でその中でも一番多く見られるのはノイバラ。直径1㎝に満たない赤い実は萼筒が大きくなった偽果で、中に入っている多くの種子みたいなのが正しくは痩果と言う果実という。偽果とは子房以外の部分が果実のようになったものを言うという。
完熟した果実は甘くて香りが良いというが
ナス科の落葉低木で実も葉も食用になり、強壮薬になる
ニシキギ科の落葉蔓性木本で雌雄異株。円内は仮種皮と蒴果
完熟した果実は甘くて香りが良いというが
ナス科の落葉低木で実も葉も食用になり、強壮薬になる
ニシキギ科の落葉蔓性木本で雌雄異株。円内は仮種皮と蒴果
志木街道の旧堤防にシロバナタンポポが咲いている。ノジスミレやセイヨウタポポの花はこの時期にもよく見るが、サクラソウ自生地と駐車場をはさんだノリ面のそこここに咲いているのはビックリだった。自生地からの種子が飛んだのだろう。
タンポポ属の花茎は分枝せず頭花を一つ付けます
シロバナタンポポはアルビノではなくTaraxacum albidumという学名を持つキク科タンポポ属のれっきとした一品種だ。四国、九州では普通に見られるといわれ本来は暖地に生える植物と思うが、温暖化の影響なのだろうか。
頭花は花径5cmもありました
総苞の外片がセイヨウタンポポと同じように反り返っていたが、シロバナタンポポも単為生殖をするという。単為生殖とはいわゆるヴァジンバスで、植物では受粉せずに種子を作る事をいう。
タンポポ属の花は晴天に陽を受けて開き15時頃には閉じてしまう。
近くのハコベにいたマメヒラタアブが飛んできました
田島ヶ原サクラソウ自生地の二十四節気のページにシロバナタンポポも見られた小春日和の勤労感謝の日もUPしました。
市民への周知の手段として市のホームページと市民活動サポートセンターの守る会のページが紹介されたが、いずれにしても深すぎるとの意見が圧倒的。検索され易いページ作りはやはり専門家で、市の広報に依頼すべしとの堂本副委員長の提案があった。日高市のマンジュシャゲのページを見習うべしとの発言もあったが、国指定特別天然記念物なのだから市のトップページにリンクボタンを置く事ぐらいはあってもいい。いずれにしても現在のページでは市民への周知の手段にはなっていないのは明らかで、部署を越えた検討が必要だ。
4番目の議題は草焼きの実施についての24年1月18日予定のチラシの説明。
佐々木委員長からは渡良瀬遊水地の草焼きの話が出たが、風物詩になりつつあるなどとの積極性はなく、ひたすら苦情を避ける為のチラシなのは仕方ないのだろうか。
今春実施したアンケート調査の発表もあった。竹島所長から駐車場と今後についての質問の意図がただされたが、設問と選択式の回答が如何にも見え見えだからだ。次回のアンケートについては実施するか否かはハッキリした結論が無かったが、やるなら設問をもっと検討すべきが会議の大勢だったのは当然だ。
堂本副委員長からは早朝に来ている地元の人の意見も吸収すべきという意見、佐々木委員長からは若い人へのアピールの必要性が述べられた。竹島所長からは彩湖公園に来る若い家族連れを自生地に誘う何らかの手立ての検討も必要との意見が出された。
藤野委員からは江川のサクラソウ自生地はNPOによって上手く守られており、治水と環境保全を調和させるノウハウを知っているので次回に提供させて頂くとの発言があった。
各年度の工程表の中で24年度初めの群落分布調査(植生図)とはどのような事をどのようにやるのか疑問が呈され、珍しく礒田調査専門員と保護課の間で対立的な議論がされた。サクラソウの増減について40分の1の検査区だけの調査で全体を推量する現在のやり方だけでなく、保護課として別の方法での資料も作りたいとの事だったが「すべておまかせ」でないその姿勢は大いに評価できる。
会議の流れは礒田調査専門員が主導していたが、何につけても専門員以上に自生地を知っている人間はいないので彼のペースになるのはやむを得ないのだろうが、藤野委員から出た江川のサクラソウ自生地のノウハウの紹介をしたいとか、それぞれの委員の方の知識や経験を生かして、よりよいサクラソウ自生地を次世代に継承していけるような会議にして欲しいと思う。
佐々木委員長からは今回のクヌギはサンプルとして切ったので、周囲のトウネズミモチやトベラ、サクラの木の下の低木も含めて公園樹全体の議論をするべきと前回の会議を受けた方向性が示される中で、トウネズミモチは要注意外来生物との発言があった。
満艦飾に果実をつけているトウネズミモチ 10年12月17日撮影
要注意外来生物:外来生物法の規制対象ではないが、生態系に悪影響を及ぼしうることから、利用に関わる個人や事業者等に対し、適切な取扱いについて理解と協力を要請するもの。植物では84種。
トウネズミモチは「果実食の鳥類への誘引力が強く、多数の種子が鳥により散布されて容易に分布を拡大する。そのため、河川敷の植生に影響を及ぼすおそれがある」のが指定の理由。
堂本副委員長から公園樹の管理についての役所間の会議は開かれたのかとの問いがあったが、残念ながらノーだった。
一般市民の感覚では自生地と桜草公園の管理・管轄が違う事さえ不思議なのに同じ場所にありながら話し合いがもたれた事が無いなどとは全く理解に苦しむ。公園樹についての会議を持ち、そこから発展的に定期的な会議を持つようにすべきだ。策定委員会の提言の一つに定期的な連絡会議の設置は必ず加えるべきと思う。
白い果実が3裂して多くの赤い種子を出すトベラ 10年12月17日撮影
都市公園における生物多様性、公園のあり方について市民をも巻き込んで皆で議論した方がいいとの堂本副委員長の至極当然の提言もあったが、その前段さえできていないのが現状だ。
次回の会議の議題が公園管理なのでそこで少しは発展的な議論が行われればいいが・・・。
11月14日に開かれた「田島ヶ原サクラソウ自生地」保存管理計画策定委員会の第4回会議の傍聴記を今日から3回に分けて報告する。
市の会議の傍聴は初めてだったが、議事に入ってから傍聴が許されるという事で開会のあいさつや新委員の紹介後に会議室に入った。
現在サクラソウ自生地の乾燥化が大きな問題になっている事から荒川・鴨川の河川管理の現状と水利計画について竹島荒川上流河川事務所長より説明があった。
昭和水門、さくらそう水門はサクラソウ自生地の冠水頻度を変化させないため設置
治水工事は200年に1度の洪水にも耐えられる河川を目指し自生地には10年に1度の冠水を減らさないような形で考えられた。平成9年に第一調節池が完成後には平成11年8月に12時間と平成19年9月に3時間の洪水の流入があり、特に治水工事が自生地の乾燥化に影響した事はないのではとの趣旨の話がされた。
礒田委員より2~3要望がされ、荒川の水位が低下しているのではないかとの疑問も出されたがそれは特にはないとの事だった。
2番目の議題の自生地内の立木管理についてはB区の切り倒したクヌギについての報告だった。礒田委員の挙げた理由の第一は大正9年の指定当時の景観を維持したい。戦中戦後の一時期開墾された時に境界木として植えられたものや自然発生したものもあり、このクヌギが原因でサクラソウ群落もミツバツチグリ群落も消えてしまった。切った後には以前の植生を戻す手当もしてある。と報告された。
自生地と周辺の樹木図 赤丸で囲ったクヌギが切り倒された
これについてはクヌギだけが原因なのか他の理由は考えられないかとの質問があったが、日陰になって植生が変わってしまったのが最大の原因との回答だった。
草焼きの影響で半分死んでしまったハンノキもあり、台風の時には大きな枝が折れたりしてかなり他の木も弱っている。いずれは切らなければならなくなるとも付け加えられた。