フグさんの雑記帳

さいたま市の荒川河川敷を主なフィールドとして四季を綴っていきます。

センニンソウが咲き始めましたが今年はどこに這い上ったらいいのでしょう

2009年06月28日 16時30分23秒 | 花の和名

鴻沼排水路の桜橋の袂のセンニンソウが咲き始めた。昨日、2~3白い花を見つけたと思ったら今日はもう3倍も4倍も咲いていた。


流れ近くに咲き始めたセンニンソウ。ヤブカンゾウも咲いています

一昨年から特に勢いが強くなり去年は近くの木にまで這い上って辺り一面を白く染め、わが世の春を謳歌していた。何処からどう撮ったら見事な繁茂振りを撮れるか悩んだほどだった。


右は遊歩道の柵に咲上り、左は木のてっぺんまで咲登っています(08年8月31日)
花つきの密度もすさまじい感じです(08年8月31日)

ところが今年の3月末、繁茂していた辺り一面が除草の一環できれいに片づけられ、あまつさえ木までも切り倒されてしまった。
センニンソウにしてみれば驕れるもの久しからずの典型みたいだが、木が跡形もなく切られてしまったのは私も残念だった。面白い花をつけていたのでその後も観察したかったのだ。


何の木かご存知の方は教えて下さい

それはさておき、いつも必ず通る所なので今年も咲き始めたのは嬉しかった。規模は小さくなっても楽しめそうだ。
センニンソウの名の由来等はさいたま市の荒川堤と水田の花センニンソウを参照ください。


朝の桜区荒川左岸周辺散歩で出会った花4題

2009年06月25日 19時09分26秒 | 花の和名
道場5丁目の田圃際にハンゲショウが咲いていた。名の由来の一つに半夏生の頃に咲くからとの説があるがあるが、半夏生は夏至から11日目、今年は7月2日だ。半夏生は24節気以外の季節の移り変わりの目安となる雑節のひとつ。節分や土用と同じ仲間だ。ハンゲショウの花は大体今頃から咲いている。

今朝は6時30分を回っていたが曇空だったからか羽根倉橋近くの土手にメマツヨイグサがまだ花開いていた。

塚本地区の河川敷ではヒメガマが穂をつけていた。ヒメガマは雄花穂と雌花穂の間があいているのが特徴だ。茎を揺すると雄花穂がクリーム色の大量の花粉をとばす。見つけたら是非揺すってみるといい。この花粉は傷に効く成分があるようだ。

少し先にガガイモも咲いていて今年初見参だった。


知床・釧路湿原旅行第四日目(6月17日)

2009年06月23日 22時08分30秒 | Main

6月17日(水)宿の車で摩周駅まで送ってもらう。今日は鈍行列車で1時間半かけて釧路に行く予定。切符を買いながら「混んではいないでしょう」と尋ねると人の良さそうな駅員は微笑みながらうなずいた。
8時37分の発時刻近くなると地元の人らしきが7~8人集まってきた。列車は1輌、丁度いいくらいの乗客で慌てず騒がず座席の向きを変えて3人が向いあって座った。途中塘路駅で上下線の待ち合わせがあり、10分ほど停車。釧路方面からの快速も一両編成だった。
釧路湿原を通るこのローカル列車は今回の旅行の目玉の一つで車窓からの湿原の景色を楽しんだ。病院列車の別名もあるらしいが、2時間に一本くらいしかない列車は病院通いのお年寄りの貴重なアシでもあるのだろう。


やってきた快速も一両編成。手前は野生化しているフランス菊

定刻の10時07分釧路着。30分に配車をお願いしてあった釧路個人タクシーはすでにプラカードを持って改札口に迎えてくれた。こちらの希望を一通り聞いて、釧網本線沿いの国道を北上した。通り過ぎてきた小さな駅舎を眺めたりしながら細岡展望台に着く。
ここからは釧路湿原の広大さとその中を見事に蛇行する釧路川を俯瞰できた。時の止まったような景観には言葉も無かった。


細岡展望台より蛇行している釧路川と釧路湿原を望む

かなり増水しながらゆったりと底に限りない力を秘めたように流れる釧路川。その河畔のカヌー発着場で休憩。対岸には一羽のアオサギが羽を休めていた。
コッタロ湿原展望台は駐車場から急な階段を登った。頂上からの眺めは原始の姿が残る景観とパンフにある。遠く広がるヨシ原の大小の池沼から緑の木々の平原に流れるともなく流れ出ている眼下の流れ、この悠久の眺めは息を切らせて登ってきた甲斐が充分すぎる景観だった。


目に飛び込んできた雄大な景色の十分の一も写せずカメラの無力を感じる

30分ほど移動して温根内自然探勝歩道に着く。時間的な制約でバリアフリー木道になっている近場しか散策できなかったが、湿原の植物や木々を観察できた。思わず「水芭蕉が咲いている」と言ってしまったヒメカイウ(姫海芋)、リンドウ科のミツガシワ、カヤツリグサ科のワタスゲ、キンポウゲ科のエゾカラマツ等の群生が木道の左右に見られた。


左:ミツガシワ 中央:エゾカラマツ 右:ヒメカイウ

その後北斗遺跡に立ち寄り、市内に戻って和商市場で遅めの昼食。観光名物の勝手丼をと思ったが、我々3人のものぐさを見破ったかのようなドライバーの「美味いのは生チラシの方が」との一言で寿司屋で済ませた。
丹頂鶴自然公園に急ぐ。園近くの道路わきの草はらにタンチョウ発見。お父さん(お母さんかも)らしきが道路際のブッシュの中にいる子供にしきりに呼び掛けていた。切符売場でその旨を話すと結構頻繁に現れているらしい。お陰で丹頂鶴公園に入らず引き返してしまう人もいるという。一時は絶滅の危機にあったのが今では1200羽くらいにまでに増えたようで、おかしな問題も出てくる。


今年生まれた雛と両親、丹頂の家族の絆は強いという

今回の旅行は不順な天候に災いされ北海道らしい雄大な景観はあまり見られなかったが最終日には釧路湿原を堪能した。
3人だけの旅行は初めてでやはり少し物足りない気もし、チャレンジ精神旺盛なSさんがいたら勝手丼を食べたかなとフト思った。


知床・釧路湿原旅行第三日目(6月16日)

2009年06月22日 22時27分52秒 | Main

6月16日(火)今日は周遊観光バスのリゾートライナー、知床→阿寒・十勝号乗車。知床発は観光船乗船コースと知床五湖散策コースに分かれ我々の五湖散策コースは30分ほど遅い出発だ。大型バスだが今日の乗車は合計18名、我々の他の15名は全員が観光船組で、荷物だけ置いてあり我々3人だけで出発。五湖に程近い所で前を行く観光バスが止まっている。「何だろう」乗務員さんがいぶかりながら前を注視する。「熊だ!!」朝食中の熊らしく食べるのに一生懸命だった。こんなに近くでラッキーとシャッターを押した。


もう少しいいものがないかな?

本当に人間は煩いな!!朝食も落ち着いて食べられない

駐車場に着くと散策路は熊が出たため閉鎖という。途中にさえいたのだからさもありなんとここはあっさり諦めがつき、展望台への遊歩道を歩く。但しこの日も低く雲が垂れこめ霧の為何も展望できず。

乗船場に戻り観光船乗船客15名と合流。今日は昨日と違って同行は全て中高年だ。
本来は下車場所に入っていない摩周で降ろしてもらう予定なので、宿と場所の連絡を取りながら乗務員さんと相談。北海道のドライバーは親切でコースに支障のない摩周温泉道の駅で降ろしてもらう事になり一安心。

向かった知床峠は途中かなり雪が残っていた。これも6月の天候不順の影響なのだろう。峠の頂上は全て霧の世界、本来は眼前に見える筈の羅臼岳も海の向こうに遠望できる国後島も全て白一色に塗りこめられていた。せめて知床峠の表示板の前で記念写真を撮ろうと行列が長く続いていた。

羅臼側に下るにつれて霧がはれ、太平洋の青い海と水平線上に細長く浮かぶ国後島が遠望できた。羅臼での乗降は無かったのでバスは昼食場所の国後展望閣ドライブインを目指して穏やかな波の海岸沿いを走る。
昼食後、標津サーモン科学館見学。サーモンパークの中心施設で広い敷地内に瀟洒な建物が建つ。リゾートライナーで来たと言えば団体料金で入館できた。入るとすぐの階段状の部屋でスクリーンをバックに係員が鮭の色々を説明してくれる。それで終りかと思ったら展示室でもドクターフィッシュの水槽に手を入れてみて下さいという。メダカより少し大きめの魚が寄って来て手の角質を食べる。くすぐったい。たくさん寄って来た女性は私の手は汚いのかしらとあらぬ心配をしていたのは傑作。そしてもうひとつチョウザメは歯が無いから噛まれても大丈夫と水槽に手を入れてみるのを勧められた。名前の通りご面相の良くない魚なのでちょっとためらったが、食べられてみると何かフンニャリするだけで面白い体験だった。展望室からの360度の眺めも素晴らしく時間が足りなかった。

摩周湖は歌の通りの霧の摩周湖で湖面は全く見えなかった。さあーっとはれないか一縷の望みをかけたが、変わりそうな雰囲気は微塵も無かった。またの楽しみだ。
硫黄山はエゾイソツツジが満開で正面左右の低木の間に白い絨毯のように広がっていた。個々の花は約1㎝くらいでそれが球状に固まって咲いている。蜜には毒があるというがとにかく一面に咲いている光景は見事としか言いようが無かった。


花は深く5裂し雄しべ10、雌しべ1
白い群落はどこまで続くのかとさえ思わされた

16時近く摩周温泉道の駅でバスを降ろしてもらう。敷地は広かったがさて建物はと見るととんがり帽子の小さな建物が一つ。宿に連絡を取ったあと中に入ると観光案内の女性が一人。道の駅とは地元の産物を売っている所と思っていたが観光案内所だけの道の駅があるのを初めて知った。
宿の車で5分ほど今日の泊まりの摩周温泉・ホテルニュー子宝に着く。以前来たのは30年以上も前だろうかその時のイメージはまったくなく古ぼけた旅館が佇んでいた。ほとんど家族経営で積極的に集客しようとの気はあまりないようだった。温泉はいいのに宣伝も改装もせずすっかり阿寒湖の後塵を拝してしまったらしい。でも食事はお刺身も多くきれいに盛り付けられて清潔感もあった。いわゆる温泉宿の騒々しさは無くゆっくりできたのがせめてもの救いだった。


知床・釧路湿原旅行第二日目(6月15日)

2009年06月21日 19時17分35秒 | Main

6月15日(月) 知床ネイチャーオフィスが主催する知床自然体験一日コース参加。前夜チェックイン時に案内を渡され、8時25分にロビー集合の確認と注意事項そして担当の藤川友敬さんの簡単な自己紹介がされていた。
シーズン少し前で参加者はカップルと女性2名と我々3名の計7名だった。ワゴン車で知床ネイチャーオフィスに行き、簡単な手続きと改めての説明を受ける。午後からの原生林ツアーには長靴とレインウェアーを必着との事でサイズ合わせをする。

知床自然センターの裏手からよく整備されたフレペの滝散策コースを進む。藤川さんは小鳥等の自然の声を聞いて欲しいと熊よけの鈴などはつけずに歩いた。増えすぎた鹿害で皮を剥がされた木が見られる林の中を少しの間歩き、草原状の見通しのよい所に出るとそこはササやハンゴンソウそしてワラビの群生地だった。
前日クルーザーから眺めたフレペの滝は流れ込む川が無く途中の岩場から地下水が流れ落ちており水量は多くない。楚々とした滝で乙女の涙の別名もある。ウミネコやオオセグロカモメそしてウミウなどが舞う湾の岩場は鳥たちの糞で白くなっている。ハマエンドウの赤紫の群生も見えた。晴れていれば見渡せる知床連山は残念ながら灰色の空に塗りこめられていた。


フレペの滝と岩場に赤い花を咲かせるハマエンドウ

復路はエゾハルゼミが寒さの為かほとんど動かない姿やキセル貝の仲間のエゾカタツムリなどを観察しながら歩いた。昭和41年に最後の農家が集団離農し開拓が終わったといわれる跡地には一升瓶が散乱していた。木の実を採取して食料として保管するのに使用したので決して飲んだくれていた訳ではないという。その後植樹されたまだ1m位のアカエゾマツを見て熊の冬眠窟へ向かう。
非常に好奇心の強い参加者の一人の女性が中に入りたい意向だったが、周囲が濡れていて泥だらけになってしまうのでかろうじて自制したのは爽やかなご愛敬だった。
熊は一度使った冬眠窟を2度使う事はしないのは何故か。穴を掘るのが楽ではないかと思ったがそれは人間の浅知恵なのだろうか。


生後一週間というバンビは飛び回るので母親が安全な所に連れて行く

この後知床自然センターに戻り昼食。この時初めて他のグループとの話が弾んだ。カップルは釧路方面からウトロに来て明日は網走方面に向かう我々とはほとんど逆コース。若い夫婦と思ったがまだ結婚前だという。結婚してからはなかなかそうもいかないだろうからと好感のもてる2人だった。
女性2人連れは知床が3回目だという。ファッションも決まって、何事にも興味を持ち自身の生活をエンジョイしている様子がうかがえた。でも、休みが思うように取れなくて今回はウトロ2泊3日の旅だという。明るい現代的な女性たちだった。


好奇心の塊のような女性は木の祠にも挑戦

少し遅めの昼食だったが14時頃レインウエアーと長靴に身を固め、10分ほど移動して原生林に分け入る。入口付近は背丈くらいに伸びている笹を両手でかき分けて進んだ、すぐに笹も低くなりけもの道を少し広くしたような道無き道を進んだ。太い木が多くさすが知床の原生林という感じがしたが、落葉樹が多いせいか昼なお暗い原生林の感じは少しも無く、比較的明るい森の中を進んだ。
2時間くらいの原生林探勝ツアーだったが、何故か非常に良かった印象がある。友人もそうだという。でもさて何が良かったのか具体的に書こうとするとハタとつまってしまった。


イチヤクソウ科のギンリョウソウ 実際は2~3㎝

ラン科のサルメンエビネ 実際は4~5㎝

歩きだして間もなく、山地のやや湿り気のある腐植土に生えるというギンリョウソウ(銀竜草)の奇妙な白い姿があり、絶滅危惧IB類(EN)で地生ランのサルメンエビネも見られた。そして風倒木がアチコチで苔むしており、行きついた小さな池沼は霧が次第に薄れ、幽玄な雰囲気が漂っていた。でもそれだけだ。


霧がはれ湖面が明らかになりました

それなの一番良かったし、印象的だった。
この2時間余りの間、我々8人以外には誰にも会わなかった。小鳥のさえずり以外は何も聞こえなかった。辿った杣道のような泥道は足にやさしかった。そしてしっとりとした森の空気が柔らかかった。そこにはただ自然があった。まったく手垢のつかない原生林があった。
それが最高だった。今回知床を訪ねた意味があったと思った。

昨晩はバイキングだったが今夜は和食で毛ガニが一杯つき満足。夜は知床ナイトシアターに参加。広島出身という若い女性のドライバーガイドの案内で岩尾別温泉までを上下し、途中沿道近くにいる鹿を見、キタキツネの親子は道にいて子狐は道の真ん中を走りまわって危なっかしかった。
鹿はある程度いる所が決まっているようでライトで照らし出されても動じる風は無く、人との共生を図っているかのようだった。