★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

さらば夏の日 4

2009年07月27日 07時33分46秒 | 小説「さらば夏の日」
 7月の下旬、いつものように僕と下川は補習授業の後、弁当を食べ、着替えをすませてから、照りつける日射しの中を陸上部の練習場所である、校舎の裏山の第二グラウンドへ向かった。校舎に隣接したメイングラウンドは、部員数の多い野球部専用になっていた。
 
 第二グラウンドとは名ばかりの、まわりを畑に囲まれた、だだっ広い空き地の真ん中には砂場があり、隅のほうには小さなプレハブの物置が立っていた。
 僕たちは、先に来ていた一年の二人と一緒に、物置から高跳び用のスタンドとバーを運び出して砂場に設置し、石灰ローラーで砲丸投げ用のサークルと飛距離ラインを引いて、二、三年生が集まるのを待つ。
 一年の二人は小森と津山といい、小森はキャプテンと同じ漁村の出身で、先輩を慕って入部して砲丸投げをやり、津山はマネージャー志望で入部したものの、無理やり走り高跳びをやらされていた。
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