フランス料理などを食べに行くと、
ウェイターさんがテーブルクロスの上に散らばったパンくずを
ササッととりのぞいてくれるのだが、その仕草を見つめながら思う。
どうすればパンくずを散らばらせずに食べることができるのだろうかと。
パンくずが出る。これ自体はやむをえないことであり、
ウェイターさんが美しいダストパンで手際よく掃除してくださっていく様を見るのも楽しいのだが、
お皿がなくなり、今まで見えなかったパンくずの全貌が明らかになると、
隠していたものがあらわになるようでなんとなく恥ずかしい。
ほとんど散らばっていなかった方と同席した折、
「どうしたらそんなにパンくずを散らばらせず、食べることができるのですか?」と思わず聞いてしまう。
「一口一口が大きいからかな」
早速、実践。
いつもより大きめにパンをちぎるものの、一口で食べることができない。
自身の適量に従うしかないか・・・
それでは、パンをちぎる場所をお皿に近いところとし、お皿に受けてもらうというのはどうだろう。
早速、実践。
低い位置で試みたものの、フランスパンはパリパリしているので思わぬところまで届いてしまう。
これもだめか・・・
いや、どこかにフランスパンの核(ここを押せばあまり飛び散らないというツボ)があるに違いない。
と馬鹿なことを思いながら、いまだそのツボ見つからず、である。
が、この挑戦が功を奏し、今日はどれほどの散らかり様かを見るのが楽しみに。
そんなところまで飛んでいましたか! も面白い。
まったくパンくずがないのも現実味がない。
あの時見た美しい散らかりよう、数個パラパラを夢見てフランスパンとの格闘を楽しむ。