「裏庭」(という言葉)にはなにやら秘密の香りがする。
今、梨木香歩著「裏庭」を読んでいる。
物語の途中、スナッフ(登場人物名)が主人公、照美に向かって言う。
「僕は服のことはよくわからないけれど、どうもその服は君にあってないように思うよ。
あってない服を着ているときは、人はその本来の力を出せないものなんだ」
子供の頃、お気に入りの服に白いワンピースがあった。
ヒラヒラの袖、胸には丁寧な刺繍が施され、後ろでリボン結びのデザイン。
地黒の私が着こなせる代物ではなかったが、そのワンピースを着ると、気分は裕福な家のお嬢様。
毎日でも着たい思いと服の消耗を防ぐための調整に揺れ動いた。
大切に着、服の傷みはなかったが、私の体が大きくなり、着れなくなった。
あのお気に入りのワンピースはどこにいったのだろう・・・
そして、
私にあう服ってなんだろう・・・