第807話 裏庭

2014年11月01日 04時36分20秒 | Weblog

「裏庭」(という言葉)にはなにやら秘密の香りがする。

 

今、梨木香歩著「裏庭」を読んでいる。 

物語の途中、スナッフ(登場人物名)が主人公、照美に向かって言う。

「僕は服のことはよくわからないけれど、どうもその服は君にあってないように思うよ。

あってない服を着ているときは、人はその本来の力を出せないものなんだ」


子供の頃、お気に入りの服に白いワンピースがあった。

ヒラヒラの袖、胸には丁寧な刺繍が施され、後ろでリボン結びのデザイン。

地黒の私が着こなせる代物ではなかったが、そのワンピースを着ると、気分は裕福な家のお嬢様。

毎日でも着たい思いと服の消耗を防ぐための調整に揺れ動いた。

大切に着、服の傷みはなかったが、私の体が大きくなり、着れなくなった。

あのお気に入りのワンピースはどこにいったのだろう・・・

そして、

私にあう服ってなんだろう・・・

 




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