ランドセルの中に 見慣れないヨーグルトが2個。
聞けば、給食の残り じゃんけんで勝ち、ゲットしたという。
「いっつも負けてる俺が 今日たまたま勝ってん」嬉しそう。
「2個あるってことは、ママとひとつずつ?」
「ん? うん」
「やっぱ うまいわ」 息子が早くも完食。
「じゃあ、ママも食べようっと」 遅れて食べる私に、
「ごめんやけど、ママのくれへん?」 と言うので、
「ママもどんな味か知りたいから一口食べてから渡す」ことにしたら、
「・・・いや、半分くれるだけでいいわ・・・」私の喜びを見た息子、苦渋の決断。
一口から半分くれることになった喜びに
「ママは、K(息子)の気持ちが嬉しいよ。
ママにあげようって 学校で食べず、持って帰って来てくれたんやろ?」
「ちゃうで」
え?
「ヨーグルトあまってるん、気づくの遅くて、
先生から もう時間ないから 家に持って帰って食べって言われてん」
・・・そ。
ランドセルの中に2個入ってる「ずっと大好き コアコア(ヨーグルト)」を見た時、
食べたいのに ママのためを思って 我慢してランドセルに入れてくれたであろう
息子の気持ちを想像し、子育ての喜びに震えていたけれど、
時間がないから持って帰って食べるよう言われただけだったなんて・・・
真実を知らない時の幸福感が淡く散る瞬間を味わいながら食べるヨーグルトは甘酸っぱい。