第1646話 博士の愛した数式

2017年10月02日 06時30分00秒 | 読む(小説・物語)

息子の誕生日が「素数」で構成されており、

ルート(登場人物)と同じ「10歳」つながりもあって

本棚に眠っていた「博士の愛した数式」(小川洋子著)を読む。

 

博士がやさしく素数のすばらしさを語ってくれたので、

予定日より早く生まれた息子の誕生日が

この日以外考えられないくらい素敵な日になり、

今まで何とも思わなった0(ゼロ)の美しさにうっとりしたり・・・

これまで見てきた世界が違って感じられる。

 

交通事故の後遺症(被害者)により、

博士の記憶は80分しか持たない。

わかっていながら

この日の出来事だけは博士の記憶に残りますよう

奇跡を祈っては現実をつきつけられ・・・

やり場のない思いの中で迎える ラスト。

生まなくても、育むことができるんだ・・・

残せなくても、残すことができるんだ・・・

 

その時の気持ち、状況によって

読後の感想は異なるであろうが、今回は、

ラスト、誰かの存在が誰かに確かな影響を与え・・・

博士は生まなくとも、残すことができたんだ に救われる。


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