朝の満員電車内のことである。
地元から立ち続け、ようやく座れ・・・
いくつか駅を過ぎたところで目を見開くような光景が。
足元、床に置いていた私のサブ(ペーパー)バックの持ち手部分に
全長3cmの茶色いバッタ。 でかい・・・
しかも、細い「く」の字型の足を「へ」の字に横たえじっと佇んでいる・・・
これ、誰が運んできたん?! 周りを見渡すも、犯人を知るすべがない。
私の方に飛んで来たら・・・?
絶対、ヤだ。
バッタから目を離せずにいると、徐々にゆっくり私の方に体勢を整えていくバッタ。
嫌な予感がしたが、やっぱり私めがけて飛んできた。 悲鳴をあげる私。
見ると、私の右手コート袖口にくっついている(泣)
気持ち悪くて虫を触ることができない。
隣の男性がつまんでとってくれたら・・・と見つめたが、
願いむなしく男性は次の駅にて下車。
悲鳴をあげた私の周りは満員電車であるにもかかわらず、人がひいていない。
私の周りだけ 変な空間ができている。
とりあえず、この密室空間で 誰かに飛び移っても
私が連れてきたバッタとして にらまれるだけ。
ここは大阪につくまで バッタと共にじっとしておく。
大阪につき駅のホームで手を大きく振ったが、バッタは離れない。
人ごみに 私の袖口でつぶされるバッタの後始末なんてできない。
バッタが人にあたらぬよう 守りながら歩かざるをえない。
新大阪に向かうホームに移動するまで誰も「ハンカチ落としましたよ」な感じで
「バッタついてますよ」なんて後ろから語り掛け、取ってくれる勇者もあらわれない。
どうすればいい?
考えに考えた挙句、ホームの柱にバッタをそっと寄せて
バッタがびっくり 自ら離れていただく作戦を思いつく。
ぼとっ
落ちる音が聞こえるのではないかと思うほどの大きなバッタが私の右手袖口から離れる。
駅のホームに舞い降りたバッタ。 サラリーマンが踏まぬよう よけて歩いていく。
さらば、バッタ。
謎のバッタ女と化した私。(誰かのインスタグラムにのっていたらどうしよう)
もしも私が絶世の美人だったなら誰か助けてくれたのであろうか・・・
そんなことを考えずにはいられない 朝の満員電車内。
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