お腹がぽっこりでている息子を見て、
主人が自分のことを棚にあげ、この出方は尋常じゃない。おかしいと言いだした。
え? みんなこんな感じだよと始めは気にもとめなかったが、
主人があまりにもひつこく言うので、何やら不安になっていく。
調べると、小児肝芽腫という病気があった。主な症状。お腹が張る。お腹が前に出てくる・・・募る不安。
ちょうど10ヶ月健診を受ける頃だったので、
先生に「あのぉ、主人がこの子のお腹の出方が普通じゃないっていうんですけど・・・」
「あのね、お母さん。これを幼児体型っていうんですよ。 これが可愛いんですよ。
子供が大きくなるほんの少しの間、この体型を味わって下さい」と一笑された。(主人め・・・)
大きな頭を支える小さな体。ぽっこりお腹のこの幼児体型が、何かと笑いを誘う。
そのフォルムのアンバランスさが普通のことをしていても、
何やら懸命に見えたりして、可笑しい。
本人はいたって真面目に生きているので、失礼な話だが、
その華奢な後ろ姿を見て、幾度爆笑したことか。
最近、お父さん座りとお母さん座り、お姉さん座りを覚えた。
まだ足を自由にあやつることができないので、
お父さん座りの時は、懸命に手でもって足をくんでいる。
できあがったお父さんが非常にこじんまりしていて、ちっちゃい。笑える。
次は、お母さん座りに変化する。
きちんと正座をし、両手を膝のうえに丁寧にのせてお母さんの完成。ちっちゃくかしこまっている。
お姉さんはお母さんから崩せばいいのだが、やたら遠回りをしてお姉さんになる。
ちょっと体が右ななめに傾いている。
私が「お父さん」といってやると、また、手を使って懸命にお父さんに変身。
すかさず「お母さん」「お姉さん」と言ってやる。
精一杯の速さで対応しながら、自分でケラケラ笑っている。
何がそんなに面白いのかとこちらもゲラゲラ笑ってしまう。
最近、お父さん指、お母さん指、5人家族指も覚えた。
「ほら、見て。お兄さん」
あぁ、中指たてて笑ってるよ・・・。
なぜか何度もお兄さん。外国だったら、あんた、危険だよぉ。
「じゃあ、お姉さんは?」
・・・どうやらお姉さんだけ独立することができないらしい。
彼の親指、人差し指、中指、小指を押さえて、お姉さんをおこしてあげようとするのだが、
他の指に続いて折れてしまう。残念、お姉さん立ち上がれない。瀕死のお姉さん(笑)
そんな不器用な男がまた愛おしい。
パパに顔が似ているせいかお肌にハリとツヤがあって若々しいが、
どこかおじさんチック。小太りで、肌ピチピチのおっさん?
若いんだか年老いているんだがよくわからないこの幼児体型。
思う存分、味わってます!
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