第529話 鏡開き

2013年01月11日 06時08分10秒 | Weblog
祖父母が生きていた頃、年末のもちつきは恒例の行事で、
もち米を蒸すところから始め、石製の臼(うす)と杵(きね)で餅を作った。
鏡餅、白い餅、水玉模様の豆餅、赤いえび餅・・・
できたてのお餅をひとくち頬張りながら、丸めた日が懐かしい。
祖父が亡くなった後も祖母は続けたが、祖母が亡くなってから途絶えている。
鏡開きの日を迎える頃、
手作りの鏡餅は「お母さんのかかと」のように乾燥し、ひびが入っていたものだが、
今、我が家にある鏡餅は相変わらずのもち肌で下からパック餅が出てくる仕組みだ。

鏡餅の由来を調べると、鏡餅に年神様が宿り、年神様宿る鏡餅を頂くという事は
「新しい生命をいただく」こととなり、その年を健やかに過ごす事ができるとのこと。
鏡餅の上になぜ橙(だいだい)がのっかっているのか、どうして二段なのか・・・
調べてみると、奥深い日本文化。
自然に、物に、道端の石にさえ思いを込める日本人。やはりここでも色々かけていた。
白いお餅に橙、緑に赤と配色もすばらしい。
学んでから改めて見ると、なんと美しい姿よと思う。

我が家の毛穴ひとつないこの餅に年神様が入り込む隙間があったのかどうか不安であるが、
気持ちが大切、本日開封し、その力を授かってみようと思う。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第528話 新しい年の幕開け | トップ | 第530話 逃げるが勝ち »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事